最終プロテスト合格を目指す18歳の荒木七海が2位発進 日本女子OPで姉・優奈以上に堀琴音を応援した理由
<SkyレディスABC杯 初日◇7日◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6675ヤード・パー72>
18歳のアマチュア・荒木七海(宮崎・日章学園高3年)が6バーディ・1ボギーの「67」で回り、首位と2打差の2位と絶好のスタートを切った。
ティショットを右バンカーに入れた2番パー4でボギーが先行したが、4番パー5で3メートル、6番パー5も3メートルを沈めるなど好調なパットを武器に着実にバーディを奪った。残り213ヤードをピン手前10メートルに2オンした最終18番パー5も1メートル強を残したパットをあっさりと打って、バーディで締めた。
「18番はなんか考えると終わりだなぁと思って…。バーディパットは下りのちょいフック。パッと決めて、ごちゃごちゃ考える前に打ちました。いままで考えすぎていたので、それを反省して、ほかのパットもきょうはそんな感じです」
3パットなしの計27パット。“秘密兵器”を投入して、グリーン上の不安も払しょくした。8月の「日本ジュニア」から長尺パターに替えている。「以前からちょこちょこショートパットのときに思ったようにストロークできないことがあった。でも、ロングパットはすごくよくて、なかなか替えることができませんでした」。踏ん切りがついたのは、8月上旬に、今年の最終プロテストの会場となるJFE瀬戸内海GC(岡山)で下見ラウンドをしたときだった。
「ロングパットもおかしくなって、いまのパターよりましかと思って、とりあえず家から送ってもらいました」
熊本の実家から取り寄せた長尺パターは、9月の「ゴルフ5レディス」でプロ初優勝を果たした、プロ1年目で、2学年上の姉・優奈が以前使っていたもの。「いまは普通のパターだけど、優奈もパットに悩んだ時期があって、長尺のことはずっと頭にありました」。初の実戦配備となった日本ジュニアはトータル4アンダーで17位。「アンダーで回れたし、しばらくはこれで行こうと思っています」と今週も迷わずバッグに入れた。
ただ、お試し期間中で、「長尺はビッグスコアが出るイメージがあまりない」と短尺への未練もある。そんな不安を吹き飛ばしてくれたのが、先週の「日本女子オープン」を長尺パターで制した堀琴音だった。「めちゃ応援していました。長尺でも勝てる。夢があると思いました」。最終日を19位からスタートした姉も気になったが、応援の熱量は長尺の先輩が勝る。「力をもらいました」と気合を入れて臨んだ今季初出場のステップ。「長尺でもスコアが出せることが分かった」とニコニコ顔だった。
今年一番の目標はプロテスト合格。11月4日からの最終プロテストに向けて、懸案事項も解決しつつある。「早くプロになって、お金を稼ぎたい。10億円貯めたいんです」。笑いながら披露したでっかい夢に向かって、18歳が懸案事項をひとつ解消した。(文・臼杵孝志)
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