トップ10率66.7%でも「今以上に追求したい」 蝉川泰果が苦杯をなめた米ツアー日本大会でリベンジへ
<バンテリン東海クラシック 最終日◇5日◇三好カントリー倶楽部 西コース(愛知県)◇7300ヤード・パー71>
19位タイから最終日をスタートさせた蝉川泰果は、1イーグル・5バーディの「64」をマークして、トータル11アンダー・4位タイに食い込んだ。賞金ランキングは3位に浮上し、今週の米ツアー日本大会「ベイカレントクラシック」、来週の「日本オープン」と続く“大一番”へ弾みをつけた。
見違えるようにショットがキレていた。3日目までは4アンダーと伸び悩んでいたが、「きのうの練習でいろいろ考えていたら、感覚的に変えた部分がきょうはすごくハマってくれた。ショットでいいスコアが出せた」と、今季8度目のトップ10入りにつなげた。
今季のトップ10入り8回は、米澤蓮の10回、生源寺龍憲の9回に次ぐ3番目の数字。ただし、トップ10率は米澤の62.5%(16試合)、生源寺の50%(18試合)に対し、蝉川は66.7%(12試合)でツアー1位だ。優勝した6月の「ツアー選手権」以降は9試合中8回と“高値安定”を続けている。
「トップ10に入るのはすごくいいことだとは思うんですけど、トップタイから(最終日を)出た試合もあったし、自分の中ではもっとできた。優勝するための課題があるのかなと思っています。今以上にいいゴルフを追求したい」
トップ10入り8回という数字に満足せず、なぜ優勝が1回だけなのか追求する。その探究心が蝉川の強さを支えている。「最近の統計的に、パー5でしっかりとり切れていない課題がある。ベイカレントではしっかり(バーディを)獲ることを目標にしていきたい」。
この4日間では3つあるパー5で5アンダーを記録。特に最終日は15番で1メートルに2オンをしてイーグルを奪うなど、しっかりとチャンスホールでスコアを伸ばした。ショットも上向きとあって、気分良く次戦に臨むことができる。
ベイカレントクラシック(9日開幕/神奈川県・横浜CC)は「日本ゴルフツアー選手権」優勝の資格で出場する。2年前には同じく日本大会の「ZOZOチャンピオンシップ」に出場したが、「順位的に下から3番目ぐらい(73位)。PGAツアーや海外を10試合以上経験しているので、今回は少しでも上で戦いたい。自分が持っている8割、9割以上を出せるように全力で頑張りたい」。
スイングに合わせてアイアンのシャフトを軟らかくしたり、10年ぶりにグリップはバックライン入りを試すなど試行錯誤してきた。「やっとハマったかなと思っています」。世界と戦う準備は整った。(文・小高拓)
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