18番は“ナイスボギー”の星野陸也が優勝戦線に踏みとどまる 2カ月ぶり実戦復帰に用意したドライバーは4本「個体差と微妙なロフト違い」
<バンテリン東海クラシック 3日目◇4日◇三好カントリー倶楽部 西コース(愛知県)◇7300ヤード・パー71>
最終18番(パー4)のティショットを大きく左に曲げ、林のなかを転がって隣接する10番までいった。星野陸也が選んだ2打目は、10番のティ方向に打つこと。「狙い通り打てました」と、ホールをまたいでピンまで115ヤード地点まで運ぶ。林越えでピンも見えない状況だったが、ボールはピン右4メートルに着弾した。
パーパットは惜しくも外したが、ダブルボギー以上の大トラブルになってもおかしくない場面をボギーで切り抜けた。この日のラウンドは5バーディ・4ボギーの「70」。「まだチャンスはある」と首位と4打差のトータル6アンダー・10位タイで最終日を迎える。
欧州経由で今季から米男子ツアーを主戦場とする星野は、7月の「全英オープン」で首から手にかけてのしびれが発症し、戦線離脱。米男子ツアーは公傷制度適用中だが、復帰に向けてツアー外競技5試合の出場が認められている。体調もよくなり、今大会主催者の1社である興和所属でホストプロの今大会で実戦復帰を選んだ。
約2カ月ぶりの実戦。日に日に改善されてはいるが「ショットが曲がっている」と3日間のフェアウェイキープ率は21.249パーセントで決勝に進んだ68人のうち66位。ショットは曲げるが、10メートル以上のバーディパットを沈めたり、絶妙なアプローチでしのぐなどリカバリー率72.2パーセントの高い数字を誇るショートゲームがスコアを支えている。
久しぶりの実戦に向けて4本のドライバーを持ち込んでいる。ヘッドとシャフトのスペックはほぼ同じだが、「個体差で生じるつかまりやしさの違いとロフト角」という微妙な違いで4段階のつかまり度合いの違うモノを用意。「久々の試合で振れなくて右に行きやすかった」と、初日と2日目は普段米国で使用するものとは別の、4段階のうちの2番目につかまりやすいドライバーを使った。
2日目を終えると「いい意味で体が動いてきた。振れてきてつかまえられるようになってきた」と、この日は普段米国でも使うことがある、一段上のつかまりやすさ3番目のドライバーに変更した。「クラブを替えてその分よくなったけど、最後のほうは曲がってきたので、あしたはもう1段階変えようかな」と最終日は“レベル4”のドライバーに変更を示唆する。“レベル3”と比べると“レベル4”はロフト角が0.3度立って、つかまりにくくしている。
もともと1グラムにも満たない鉛の違いを感じるほどクラブ調整にはこだわりを持つ。4本のドライバーは星野ならではの準備だ。ちなみに米国では5本のドライバーで転戦しているという。
国内戦は2年ぶり。欧米の洋芝と違う日本の高麗芝に慣れるために、練習日から入念にラウンドや打ち込みをこなしてきた。2カ月ぶりの実戦で“リハビリ”的な側面もあるが、ホストプロとしてしっかりと結果を見据える。「あすのハーフが勝負かなと感じているので、そこでしっかりいいゴルフをしたい」。ホストプロが劇的な逆転優勝で米国の復帰に向けて弾みをつける。(文・小高)
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