練ランでまさかのサプライズ 19歳アマが体感した“古江彩佳”の衝撃「レベルが違う…理解できない」
<日本女子オープン 初日◇2日◇チェリーヒルズゴルフクラブ(兵庫県)◇6616ヤード・パー72>
東北福祉大2年生の19歳・西山知里(ちり)にとって、予選会を通過し初めて出場した「日本女子オープン」は、大きな驚きと刺激を与えてくれる大会になった。
それは開幕前日の練習ラウンドまでさかのぼる。当初は同じ組ではなかった古江彩佳とスタートすることになった。主戦場にする米国から戻り、出場している5学年上の先輩の登場は、「めっちゃ緊張しました」というまさかのできごと。そしてその後は“衝撃”の連発だった。
「レベルが違いました…。理解できない」。それが昨年の「アムンディ・エビアン選手権」でメジャー大会も制した選手を見て抱いた、正直な感想だった。例えばバンカー練習。砂の上から40ヤード先のピンを狙っていた古江がショットを打つ度に、キャディから『1ヤードオーバー』、『1ヤードショート』という声が聞こえてきた。「バンカーショットで誤差1ヤードって…。どんな精度をしているんだろうと思いました」。涼しい顔でそれをやり遂げている姿にも驚いた。
米国でもトップを走る選手のプレーは、まさに鳥肌もの。名門大学のゴルフ部に在籍し、今年8月の「日本女子学生」でプレーオフのすえ2位になった西山ではあるが、「自分はまだまだ、だなと。練習しないとって思いました」と、襟を正す時間になった。ラウンド中はあまり話すことができなかったというが、プレー後に記念撮影をしたことを明かすと、ニッコリと笑顔も弾ける。
古江はこの話を聞くと、「そう思ってくれているのはうれしい。目指してもらえる存在でこれからもありたい」と話した。そして、「自信を持ってやってもらいたいです」とエールを送る。若い選手たちにとっても、実力者が日本でプレーすることは大きな意味を持つ。
これまで何度も挑戦してきた今大会の予選会だったが、今年ようやく通過。「他のレギュラーツアーよりも、華やかに感じました」と、そのなかでプレーできる幸せをかみしめている。「前半はまあまあだったけれど、後半がもったいない」と、3つのボギーを叩いた10番からのプレーは悔やむが、イーブンパーで踏みとどまり、2日目につなげた。
「自分のゴルフを笑顔でできるように」。2年後には、東京・代々木高3年生だった2023年以来となる日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のプロテストの受験を予定している。念願の大舞台での思わぬ“サプライズ”を、明日以降、そして今後のゴルフ人生に生かしていきたい。(文・間宮輝憲)
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