肩から手にかけてのしびれから復帰へ “米ツアー公傷中”の星野陸也が2年ぶり国内戦「新鮮な空気が流れている」
<バンテリン東海クラシック 事前情報◇30日◇三好カントリー倶楽部 西コース(愛知県)◇7300ヤード・パー71>
今季から米国男子ツアーを主戦場とする星野陸也は今年7月の「全英オープン」を最後にケガのため戦線離脱をしていたが、今週、日本で復帰する。2023年の「ダンロップフェニックス」以来、約2年ぶりの国内戦は、今大会主催の1つが所属契約を結ぶ興和で、ホストプロとして臨む。
「日本の試合に出るのは本当に楽しみにしていましたし、うれしいです」。久しぶりの母国での一戦。海外でもまれてきた風格を感じさせる。馴染みの顔ぶれとあいさつを交わしたり、話し込む姿もあった。「みんなに久しぶりに会いました」と再会を喜ぶ一方で、「新しい若い選手も増えて、いろんな新鮮な空気が流れているなと感じました」。フル参戦をしていたのは2022年までで星野が知らない選手も少なくない。国内の若手の台頭も肌で感じた。
2022年に国内賞金ランキング2位の資格で23年の欧州ツアー(DPツアー)の出場権を獲得すると、ポイントランキング81位でシードを獲得。24年は「コマーシャルバンク・カタールマスターズ」で日本勢4人目の欧州ツアー制覇を果たすなど、ポイントランキングは16位。ローリー・マキロイ(北アイルランド)ら有資格者を除く上位10名の資格で米国男子ツアーの切符をつかんだ。
米国1年目は「コラレス・プンタカナ選手権」の26位タイが最高で、予選落ちの回数のほうが多い。徐々に60台の好スコアを出せるラウンドも増えてきた矢先にトラブルが起こる。
痛みは突然襲った。「全英オープン」の練習日に「首から手にかけて電気が走ったんです」。英国では2日間戦ったが、その後しびれは消えず、精密検査でも原因の特定はできなかった。「クラブを持つ感覚も全然違って…。しびれた状態でPGA(米ツアー)に出ても…。これから先ゴルフ(人生)は何年もあるので」と休養を決断。即座に公傷制度の申請をして適用を受けた。
休養と治療で痛みの不安はなくなり、秋季シリーズ「フェデックスカップ・フォール」の11月の試合から米国復帰を目指している。米国男子ツアーは、公傷からの復帰前にツアー外競技の出場は認められており、治療と調整を重ねて今大会での“実戦復帰”を決めた。この後は欧州ツアーの“優勝シード”をつなぐため来週からスペイン、インド、韓国での3連戦に出場し、義務試合数クリアして米国で“本格復帰”する予定だ。
「この3週間ぐらいは練習もトレーニングもしっかりできて準備してきました」と会場入り。この日の練習ラウンドでは約2ヶ月ぶりにトーナメント仕様のコースを回った。まだ10フィート前後の速さに「グリーンが速いなって思いました。3パットに注意しないと」と笑って話す。欧米との芝やバンカーの質の違いには戸惑いがあり「打ち方が違うので、戻す感じ」と日本仕様で戦う。
予選ラウンドの組み合わせは石川遼と欧州で戦う同じくホストプロの桂川有人。「組み合わせ的にもめちゃくちゃ楽しみです。みんなで盛り上がっていければいいなと思いますし、優勝目指してがんばりたいです」。前回出場した23年大会は単独2位と相性も悪くない。世界で揉まれた力を発揮して、日本で復帰に向けた弾みをつけたい。(文・小高拓)
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