石川遼は“洋芝対策”でハイバンスの60度を投入 「全米OPとか海外のラフを意識した」新形状のウェッジ
<ANAオープン 最終日◇21日◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース(北海道)◇7066ヤード・パー72>
金谷拓実とのプレーオフに敗れた石川遼は、今季初優勝、通算21勝目を逃したが「ことし間違いなく一番いい」と内容と結果がつながる4日間となった。
60台を並べた4日間を振り返ると、パーオン率は84.722パーセントと全体1位。2日目は100パーセントを記録するなど、ショットの精度、クラブ選択を含めたマネジメントを自身でも高く評価。最終日は5回パーオンを逃したが、17番パー5ではグリーン奥のラフ約15ヤードからチップインパーを決めるなどショートゲームが冴え渡った。18番パー4もラフから約12ヤードのアプローチを1メートル弱に寄せて、プレーオフ進出につなげた。
「17番、18番のアプローチはずっと練習してきたこと。緊張したんですけど、練習したことが出来たと思った瞬間だった。スクランブリングのところは今週よくなった」。今季はショートゲームで取りこぼしてスコアを落とすこともあっただけに、パーを拾えたことにはうなずく。
そんな石川は60度のウェッジをマイナーチェンジした。ことし7月からはキャロウェイの新モデル『オーパスSP』Tグラインド(バンス6度)を使用していたが、今大会は同モデルのXグラインド(バンス12度)に変更。バンスは10度ほどでソールがヒールやトウ側など全体的に大きく削られている。
理由は「洋芝とかいろいろ試してみようと思って」。北海道で開催された今大会は、本州のコーライ芝に比べると粘り気が強い洋芝で、その対策の一つである。
パーオン率が高く、3日目までは出番が少なかったが感触はいい。「ハイバンスなのでフェアウェイからの70-80ヤードのフルショットの時に、洋芝でもスピンが入ってくれる。ラフからもバンスが押してくれます。ヒール側とトウ側も落としているので抜けの部分も意識しています」。最終日の好セーブにひと役買うことになった。
次戦は「バンテリン東海クラシック」。「コーライでもやってみないと分からないですが…」と投入は未定。北海道限定のウェッジかと思われたが、「ゆくゆくは全米オープンなど海外のことを考えています。バーミューダやティフトン系のラフを想定してやってはいます」。洋芝や粘り気の強い芝の多い海外を意識してのテストでもあった。今後は海外仕様のウェッジとしてオプションの一つになりそうだ。(文・小高拓)
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。