36歳・2児のママさんゴルファー 一ノ瀬優希の現在地とこれから「いまは子どもが一番、ゴルフが二番」
<ソニー 日本女子プロ選手権 3日目◇13日◇大洗ゴルフ倶楽部(茨城県)◇6840ヤード・パー72>
2度の産休育休を経て、今年4月、1年7カ月ぶりにツアー復帰。ツアー通算3勝の一ノ瀬優希は、3年ぶり13回目の出場となる女子プロ日本一決定戦で予選通過を決めた。「74」「70」「74」のトータル2オーバー・29位タイで、最終日へと向かう。
今年は、下部ステップ・アップ・ツアー「あおもりレディスオープン」で優勝。今年から選手権は予選会が廃止され、代わりにできた『ステップ優勝者』の資格で出場権を得た。「青森(の試合)までで選手権が決まると知って、絶対に勝って出たいなと思っていた。それが叶って、しかも予選通過もできた。せっかくなのであと1日、もうちょっと上に行けるように。トップ20には入りたいですね」とラスト18ホールを見据えた。
2019年に、今大会ではキャディを務める男子プロの谷口拓也と結婚。そのシーズンを最後に「ケガが多いのもあって追い詰めすぎちゃった」と、一度は現役を退いた。20年10月に第一子の長女を出産し、22年にツアー復帰。23年には2度目の産休に入り、昨年5月に第二子となる長男を出産した。
「出産してからゴルフをすると楽しかった。でも、楽しいけれど、私は楽しいゴルフはあまり好きじゃないというか、戦うほうが好きなんだなと気づいたんです。戻れるなら戻りたいなと。2人目(の出産)のあとは、こうやればできるんじゃないかっていうやる気とか、経験が生かされている気がします。練習量とかは前みたいにはいかないですけど、限られた時間のなかで、大事なことに集中してできています」
現在は、家族にサポートをお願いしてツアーに出場し、出場した翌週は母親として子どもと過ごす、というルーティンを大事にしている。「いまは子どもが一番、ゴルフが二番」。今季はここまでレギュラー2試合、ステップ6試合の計8試合に出場。母親として生活をしながら、プロゴルファーとして戦いに出かける、というニュアンスが正しいのかもしれない。
ステップで優勝したことで、今年はファイナルQTから出場ができる。来季の職場はひとまず確保。いまは推薦で出場するレギュラーツアーに、本格復帰することが目標だ。
「おととしまでは全然戦えないなっていう感覚があったけれど、飛距離が伸びたり、旦那にスイングを見てもらって調子が上がってきた。もうちょっとやれるかも、っていう自信がつきました。来年も1試合出て1週休んでという生活にはなると思うけれど、挑戦できる場があるだけでありがたいです」。36歳のママさんゴルファーは、心からゴルフを楽しんで戦っている。(文・笠井あかり)
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