在籍時には甲子園Vも 名門・履正社高野球部出身の清水大雅はゴルフ歴6年でプロテスト合格「挑戦してみないとわからない」
<PGA資格認定プロテスト 最終プロテスト 最終日◇5日◇烏山城カントリークラブ 本丸・三の丸(栃木県)◇7118ヤード・パー70>
大学から本格的にゴルフクラブを握り、わずか6年のキャリアでプロテスト合格を果たしたのは24歳の清水大雅(たいが)。2度目の挑戦が実った。高校を卒業するまでは野球一筋。在籍していた2019年には甲子園制覇も成し遂げている大阪の名門・履正社高出身だ。
「優勝したとき僕は3年生。野球を続けたかったけど、父に『プロにならなくても社会でゴルフは役に立つからやってみたら』と言われ、挑戦してみることにした。今のまま野球をやっても伸びしろが…というのもあったので」という理由で、ゴルフの道に進んだ。
プロテスト最終日は、朝から強い雨が降り続きアンダーパーで回ったのは123名のうち21人だけの難コンディション。「前半は泣きたかった」というように、前半は4つスコアを落としてしまった。しかし、気持ちを切り替えて「耐えました」と後半3つ伸ばし、1オーバーの「71」でまとめた。トータル1アンダー・19位タイ。念願の合格を手にした。
実は今年の挑戦は“ラストチャレンジ”という気持ちで挑んでいた。「年齢的にも今年がダメで、あと1年というのが自分のなかでしんどいなと思いつつ。今年が最後かなって思いながらやっていた。最後のハーフ(後半9ホール)は、その執念が出たような気がします」。それゆえ安堵の表情を浮かべる。
合格は「今年の目標だった。なので、一旦はゴール。ここからまたスタートです」と、新たな挑戦に向けて、一歩を踏み出す。次なる戦いは、来季の国内男子ツアー出場権獲得をかけて争われるQTだ。「QTはレベルが高いので、まずはプロテストに合格してからだと思っていた。今年は間に合わないので、来年頑張ります!」と意気込みを示す。
実は、清水のほかにも、元高校球児の選手がいたという。「高校まで野球をやっていましたっていう人が今年のプロテストに1人いて、意気投合した。そのなかでも合格できるかできないかはわからないなんていうことを話していたんです。でも挑戦してみないとわからない」。チャレンジしたからこそ、また新たな景色を見ることができる。
そんな清水の父親は、2015年、16年に賞金女王を獲得し、日本女子ツアーで一時代を築いたイ・ボミ(韓国)のエースキャディを務めたのが清水重憲氏だ。男子ツアーの舞台に立ったときには、親子タッグが実現するかもしれない。「僕が稼げる選手だったら担いでくれるかもしれないけど、まだまだ稼げないから、頑張ります」。名キャディの父とのタッグ実現も目標の一つとし、アスリートとして第二の人生を進んでいく。(文・高木彩音)
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