平均ストローク1位の19歳高卒ルーキー 唯一のステップ未勝利選手でメジャー出場「自分らしさを隠さずに」
<ソニー 日本女子プロ選手権 初日◇11日◇大洗ゴルフ倶楽部(茨城県)◇6840ヤード・パー72>
宮崎・日章学園高3年だった昨年11月の最終プロテストに合格。19歳の高卒ルーキー・福田萌維(めい)は全体トップスタートの初日に手堅いプレーを見せた。4バーディ・4ボギーの「72」で回りイーブンパー。目標としていたアンダースコアには足りなかったが、プロとしては初めてのメジャー大会で好位置につけた。
一発合格したプロテストの会場は、今回と同じ大洗ゴルフ倶楽部だった。「去年はただ通ることしか考えていなかったので、気持ちもせわしなかったです。今週はプロテストのような緊張感はないので、難しいコースでもいつも通り落ち着いてできています」。当時高校生で合格したのは福田と加藤麗奈の2人だけ。そんな期待大のルーキーは、思い出が鮮明に残っているコースに戻ってくることができた。
QTランク98位でシーズンが開幕し、今年は下部のステップ・アップ・ツアーが主戦場。今年からこの大会に出場するための予選会が廃止され、ステップからもシーズン優勝者らが出場できるようになった。ただ、福田は未勝利。それでも『明治安田ステップ・ランキング(賞金ランク)5位以内』の資格を唯一得て出場している。出場9試合中トップ10入りは7回でツアー1位。平均ストローク(70.6821)、パーオン率(73.1111%)、平均バーディ数(4.1600)でトップにつけるなど、優勝も間近という存在だ。
レギュラーツアーは推薦などでこれまで7試合に出場。予選通過は2度と少ないが、先週の「ゴルフ5レディス」では15位に入った。「周りに気をつかったり、流れにのまれてしまっている部分がありました。そこを克服しようと思って。最近は自分らしさを隠さずに、堂々とプレーするゴルフになってきました」。ハウスキャディとの息も合い、自然体で歩くことができている。
4つのバーディのうち、3つはラフからのチップ・イン・バーディだった。1つはフワッと上げてカップに向かわせ、もう2つはグリーンの傾斜を使って転がした。「あまりピン奥に外さないように、足が使えるところに、というのは考えていました。きょうは寄せワンのリカバリーが多くて、アプローチがとてもよかったです」。持ち味とするピンに絡めるアイアンだけでなく、小技も光らせた。
一時は2オーバーまで落としたが、難コースを相手にズルズルと崩れず、イーブンパーに戻して耐えた。「難しいという言葉にとらわれて自分のプレーを難しくしてしまわないように、ということを考えて、いい成績(11位)でプロテストは通れました。ラフやグリーンコンディション、風もプロテストとは違うけれど、難しく考えないように」。2日目も確実なプレーを重ね、気楽にリーダーボードを駆け上がりたい。(文・笠井あかり)
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