「茅乃舎」のだしの取り方をテレビ初公開!“あごがとれるほどうまい”あごだしを学ぶ:世界!ニッポン行きたい人応援団
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イチオシスト:イチオシ編集部 旬ニュース担当
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ニッポンに行きたくてたまらない外国人を世界で大捜索! ニッポン愛がスゴすぎる外国人をご招待する「世界!ニッポン行きたい人応援団」(毎週月曜日夜8時54分)。
今回は、「日本食を愛し過ぎた外国人SP」をお送りします。
【動画】「世界!ニッポン行きたい人応援団」最新回
紹介するのは、アメリカ在住の「あごだし」を愛するマックスさん。

ニッポンが世界に誇る、繊細な“だし”による和食文化。だしといえばかつお節や昆布などが有名ですが、第3のだしとも呼ばれ、注目されているのが「あごだし」。
「あご」とは九州北部から日本海側にかけての方言でトビウオのことを指し、「あごが落ちるほど美味しい」ことからその名がついたともいわれています。
海面を飛ぶトビウオは脂肪分が少なく、だしを取るとスッキリとした上品な味に。九州では古くから縁起のいい高級食材として、お正月に食べる博多雑煮や五島うどんなどに使われてきました。
近年は全国的なブームとなり、茅乃舎だしをはじめ、各社があごだしを発売しています。
料理人として、和食の腕を磨いてきたマックスさんは、初めてあごだしを飲んだ時、独特の風味に感動。本やインターネットで独学し、自身のお店で試しながら、日々味を追求しています。
マックスさんがあごだしを取るのに使うのは、あごを焼いて乾燥させた「焼きあご」。
数あるだしの中でも珍しい焼く工程により、香ばしい風味とうま味が凝縮。かつおだしや昆布だしと合わせることで、かつお節のイノシン酸や昆布のグルタミン酸などのうま味成分をより引き立てる相乗効果があり、上品かつ深みのある味になります。

あごだしの取り方を見せてもらうと、材料は焼きあご、昆布、かつお節、干しエビと水。全て同じ容器に入れて、冷蔵庫で一晩寝かせます。
あごのみでだしを取ると繊細すぎるため、他の食材と組み合わせているそう。このだしを使った「あごだしラーメン」は、店の人気メニューです。
しかしマックスさんは、自分のだしの取り方が本当に合っているのか分からず、行き詰まっていました。将来、アメリカであごだしの素晴らしさを広めるために「本場ニッポンの職人さんから、あごだしの極意を教わりたい」と願っていますが、レストラン開店の借金もあり、ニッポンに行く経済的余裕はありません。
そんなマックスさんを、ニッポンにご招待!
向かったのは、福岡。お正月のお雑煮は焼きあごでだしを取るなど、古くからあごだしが親しまれてきました。
そんな福岡で、マックスさんがどうしても行きたかったのが、あごだし料理専門店「おだいどこ 旬」。あごだしに惚れこんだ柴山幸喜さんが、その魅力を広めたいとオープンしたお店です。九州では高級なイメージのあるあごだしを、一年中リーズナブルな価格で提供。
店頭に飾られた大量の焼きあごに、マックスさんは驚きます。
看板メニューの「黒豚と生レタスのしゃぶしゃぶ」は、6時間ほど水につけた焼きあごを調味料と一緒に鍋に入れ、椎茸や長ネギを加えてだしを取ります。
一番だしはつけ汁に、二番だしはあごを1本加えてお鍋のだしに。しゃぶしゃぶをいただいたマックスさんは、「こんなにクリアで後味のいいだしは今まで食べたことがありません」と感動します。
他のだしとの違いについて「後味が一番いい」と柴山さん。あごだしには、後味の余韻をつくる成分がかつお節の約5倍含まれており、口の中にだしのスッキリとしたうま味が長く残ります。
あごだしを使った釜めしもいただき、日本語で「あごがとれるほどうまい」とマックスさん。
柴山さん、本当にありがとうございました!
続いて向かったのは、福岡・久山町にある「御料理 茅乃舎」。「茅乃舎だし」のパッケージにも描かれている茅葺き屋根の建物に、マックスさんは大興奮!
あごだしブームの火付け役といわれる「茅乃舎」は、福岡の老舗醤油メーカー「久原本家」が立ち上げたブランド。「御料理 茅乃舎」の料理のだしが評判を呼び、「同じ味を家庭でも楽しみたい」という声から生まれたものです。
今回マックスさんの熱意を伝えたところ、協力してくださることに。
早速、あごだしベースのだしをいただき「言葉が出ません」とマックスさん。茅乃舎だしの誕生のきっかけとなった、名物の十穀鍋も堪能します。
今回はだしの取り方を、テレビ初公開! 統括料理長の岩根和史さんから特別に教えていただきます。

焼きあごはコンロで一度焼き、魚のわずかな臭みを取り除きます。だしを取る直前に焼くことで、良い香りに変わるそう。そして昆布とともに、山の自然のミネラルが入った地下水に浸けて冷蔵庫へ。
マックスさんは先に全ての材料を水に浸けていましたが、そうするとかつお節から苦味や酸味が出てしまうとか。岩根料理長は、「かつお節は最後に短時間入れて、香りを引き立たせる」と教えてくださいました。
翌日、寝かせただしの温度を60〜80℃まで上げていきます。80℃以上になると、苦味や雑味が出てしまうそう。素材によってだしが出やすい温度帯があり、うま味を最大限に出し切ることが重要なのです。
十分に抽出したら、あごと昆布を取り出し、一度沸騰させてアクを取ります。マックスさんは沸騰させず、最後に浮いたアクを取り除いていましたが、「沸騰させて出てくるアクは不純物なので、しっかり沸かしてアクをすくうことが、すっきりしただしを作る秘訣です」と、岩根料理長。

アクをすくったら、一度火を止めてかつお節を加えます。かつお節をこして、塩としょうゆで味をととのえれば、茅乃舎のだしが完成! 味見をさせていただいたマックスさんは「とても深い味です。だしに対する理解がより深まりました」。
最後に「長年の夢が叶いました」と感謝を伝えるマックスさん。お土産に、味見に使うかながい(おたま)と、おちょこをいただきました。
岩根料理長、「茅乃舎」の皆さん、本当にありがとうございました!
続いて向かったのは、長崎県。佐世保港からフェリーで、五島列島の北部に位置する上五島へ。
上五島は、焼きあごの一大産地。焼きあごを学びたいというマックスさんの熱意を伝えたところ、焼きあごを製造している「はたした」の畑下直さんが協力してくださることに。
「はたした」は、“炭火の上で手焼き”という昔ながらの製法を守る、五島で最後の一軒だそう。
焼きあごに使うのは、15センチほどの幼魚。成魚より脂が少なく、繊細なだしになります。夏に山陰沖で生まれたトビウオは、秋に幼魚となって平戸と五島の間を通過。上五島の有川湾にぶつかるため、大量に幼魚が獲れるのです。

この時季の上五島では、成魚のトビウオが間近で見られるということで、定置網漁を行う漁船に乗せていただきます。網にかかったトビウオに、マックスさんは大興奮!
そしていよいよ、畑下さんから焼きあご作りを教えていただきます。使うのは、秋に獲れた小ぶりのトビウオを瞬間冷凍したもの。身が崩れないよう、胸びれの付け根を狙って焼き串を刺します。
マックスさんも手早く串に刺していきますが、よく見るとお腹の部分に刺さっているところも。職人さんは、多い日には1日に2500尾ものあごを串に刺します。
続いて焼きの工程。ここからは、この道20年以上の妻・なをみさんの出番。串に刺したあごを焼き台の上に並べ、高火力の黒炭で一気に焼き上げ、旨味を閉じ込めます。
焼き具合を見極めるのは、長年の勘。煙の上り具合や匂い、あごの色の変化で判断しています。気を許すとすぐに焦げてしまうため、あごの変化を見極めながら焼き上げ、両面にしっかりと焼き色がついたら完成!

マックスさんもあご焼きに挑戦。熱さに耐えながら均等に並べていくものの、ところどころ、あごがずり落ちてぶら下がった状態に。なんとか焼き上がりましたが、なをみさんの焼いたものと比べると、その違いは一目瞭然。焦げ過ぎてしまったものもありました。
焼き上がったあごは、冷風乾燥室で5日間しっかりと乾燥させます。
作業の後は、畑下さんの自宅で歓迎会。焼きあごを使った五島の家庭料理を作るところを見せていただきます。
五島うどんのつけ汁のだしは、焼きあごのみ。だしを取る前に洗っておくと、だしが出やすくなるそう。だしを取った後の焼きあごは、身をちぎって炊き込みご飯に。他にも南蛮漬けや五島名物のあご天をいただき、あごづくしの料理を楽しみました。
ニッポン滞在中、あごだしの極意を学んだマックスさん。今回の集大成として、畑下さんの最高級の焼きあごを使い、「茅乃舎」で教えていただいただしの取り方で、「はたした」の皆さんに料理を振る舞います。
まず、昆布と焼きあごを水に浸け、冷蔵庫で一晩寝かせます。だしが出るのを待つ間は、畑下さんの長男・響太さんと、蛤浜海水浴場で美しい海を満喫しました。
翌日は「茅乃舎」で習った通り、60〜80℃の温度でだしを取ります。一度沸騰させてからアクを取り、かつお節を加え、こして味をととのえたら、マックスさんのあごだしが完成!
醤油ベースのタレを加えれば、ラーメンの極上スープに。

繊細なあごだしに合う細麺をチョイス。五島産の豚肉で作ったチャーシューや煮卵を丁寧に盛りつければ、あごだしラーメンの出来上がり。「畑下さんが五島で素晴らしい焼きあごを作っているので、五島の食材を掛け合わせた五島のあごだしラーメンにしました」とマックスさん。皆さん、スープまで完食してくださいました。
そして別れの時。マックスさんは「焼きあごを通して、あごへの理解、あごへの愛情を知り、皆さんがいかにこの島を愛しているのかも知ることができました」と伝えます。
「あごだしを世界にマックスさんが広めてください」と畑下さん。最後に、あごを焼く時の焼き串をいただき、畑下さんとハグを交わしました。
「はたした」の皆さん、本当にありがとうございました!
続いて紹介するのは、カナダ在住の天ぷらを愛するニールさん。

昨今、世界での人気も目覚ましい「天ぷら」。天ぷらチェーンの「てんや」などは、続々と海外店舗を増やし、勢いはうなぎ上り。外国人のアンケート調査によると、ニッポン滞在時に食べた料理の中で、寿司に次いで2位にランキングされるほどの人気です。
子どもの頃から揚げ物が大好きだったニールさん。中学生の時、地元の和食レストランで初めて天ぷらを食べて衝撃を受けたそう。
大人になると天ぷらへの情熱に拍車がかかり、インターネット検索を駆使して天ぷら作りを独学。週に一度は天ぷらを作るほど熱中し、天ぷら職人になるのが夢だといいます。

ニールさんの天ぷらは、魚介や野菜などに軽く粉をまぶしてから、小麦粉と塩を炭酸水で溶いた衣をつけて揚げるというもの。炭酸の気泡によってサクッと揚がるそう。
その味は番組スタッフにも好評でしたが、もっと上を目指したいとのことで「ニッポンで熟練の職人さんから学び、新鮮で最高の食材を使って人生で一番美味しい天ぷらを揚げたい」と話します。
そんなニールさんを、ニッポンにご招待!
向かったのは、東京・銀座にある「てんぷら近藤」。ニールさんの希望で、職人歴60年の天ぷら料理人・近藤文夫さんのお店にやってきました。
近藤さんは、23歳で「山の上ホテル」の名店の料理長に抜擢。「現代の名工」や優れた料理指導者に贈られる賞を、天ぷら職人として初めて受賞しました。
著書は海外でも翻訳され、天ぷらを世界に広めた第一人者。今回ニールさんの熱意を伝えたところ、休日にもかかわらずお店を開けてくださることに。

早速、衣の手ほどきを見せていただきます。水の中に卵を入れ、撹拌したら泡を取り除いてボウルへ移し、水と同量の小麦粉を加えてさっくり混ぜます。
「私が家で作る衣は、粉に水を注ぐやり方なのですが…」とニールさんが伝えると、「最悪ですね」と近藤さん。炭酸水を使うのもよくないそうで、卵を泡立てれば、炭酸は不要だとアドバイスします。
そして“魔法”と称される天ぷらの揚げがスタート。厚さ約7センチのサツマイモから揚げ始め、隣の鍋ではエビを。揚げ上がりは、音で判断するのが職人技です。
揚げたてはすぐに提供せず、少し間をおきます。近藤さんによると、天ぷらは揚げものではなく、余熱調理で仕上げる蒸し料理だそう。エビをいただいたニールさんは、「すごい! ほどよく蒸されたエビの濃厚な風味が口に広がります」と感動します。
次は、ピーマン。実は、野菜を天ぷらの主役に据えたのは、近藤さんが最初。素材の香りが立ち、口の中にあふれるほど水分が広がるのが醍醐味です。

そして、動画で見てからどうしても食べたかったという「ニンジンのかき揚げ」。細切りのニンジンを油に入れ、箸で巧みに絡め取ると、まるでアートのような一品に。
「繊細で食感が素晴らしいです。噛むごとに甘みが口に広がり、余韻も味わえます」と絶賛。
最初に鍋に入れたサツマイモは、40分揚げて取り出し、蒸すこと15分。これこそ、近藤さんの「蒸し料理」の真骨頂。「焼き芋より美味しいです」と伝えるニールさんに、「焼き芋に勝るものを作ろうと考え出したのがこれです」と近藤さん。
この道60年の近藤さんに「この味は誰が引き継ぐのですか?」と質問すると、長男の雅彦さんが後継者になるとのこと。最後に、近藤さんが著書に直筆で座右の銘を書いてくださり、大感激のニールさんでした。
近藤文夫さん、雅彦さん、本当にありがとうございました!
続いて向かったのは、新潟県。日本海は天ぷらと相性の良い、白身魚やエビの宝庫。中でも新潟は、一年を通して旬の魚が手に入る好漁場です。
今回お世話になるのは、新潟県村上市にある「天ぷら 斉藤」。大将の斉藤丈司さんは、大阪の老舗天ぷら店「一宝」で修業し、金沢の名店でも技を磨いた腕利きの天ぷら職人です。
ニールさんの熱意を伝えたところ、旬の魚介を使った天ぷら作りの極意を教えてくださることに。
まずは、村上の岩船港へ。「天ぷら 斉藤」では、漁師さんから直接仕入れて天ぷらにしているということで、漁師の山田裕喜さんに、解禁初日の岩ガキ漁を見せていただきます。

村上の天然岩ガキは、素潜り漁のみ。水深5メートルほどの岩場に付着した岩ガキを見分け、専用の道具で剥がしていきます。
ニールさんは、手のひらを上回る大きなカキにびっくり! 山と海が近く、川から運ばれる豊富なミネラルで栄養たっぷりに育つそう。
カゴいっぱいに獲れた岩ガキは、斉藤さんの元へ。早速、天ぷらにしてくださいました。
何もつけずにいただくと、その美味しさに「すごい!」とニールさん。
さらに、ノドグロや旬の採れたて野菜、高級魚アマダイの天ぷらも。皮目が松ぼっくりのようになった「松笠揚げ」を初めて口にしたニールさんは、「柔らかい身とサクッとした皮が口の中でとろけていきます」と大満足!
そして、いよいよ魚介の美味しさを極限まで引き出す天ぷら作りを教えていただくことに。

まずは衣作り。冷水に卵を入れ、泡立て器で撹拌し、メレンゲのような細かい泡を立てます。そこに小麦粉を加えますが、最も大切なのは温度。温度が高いとグルテンが多くできて、粘り気が出てしまうのです。
斉藤さんのこだわりは、小麦粉を-60℃で冷やすこと。3日間寝かせることで、グルテンを抑える効果も。「ここまで徹底的に温度にこだわるとは驚きです」とニールさん。
混ぜる時も、摩擦で温度が上がらないよう手早く。ニールさんも挑戦しますが、思うように粉が溶けません。斉藤さんいわく、「(粉を)入れる量が多いのと、混ぜる回数が多い」とのこと。
課題を踏まえて、もう一度挑戦。苦戦する様子を見かねて、斉藤さんが一緒に泡立て器を動かしてくださると「違いがやっと分かりました!」とニールさん。サラッと軽い衣ができました。
次は揚げ方。素材はエビを使います。衣の付け方のポイントは、メレンゲのような気泡を多く含む上澄みをつけること。すると、気泡が弾けて素早くカラッと揚がり、真っ直ぐになりやすいそう。底の方の衣は水に近く、揚がるのに時間がかかり、曲がってしまうことも。
教わった通り、上澄みをつけて揚げると真っ直ぐに。「エビはずいぶん揚げてきましたが、ようやく一つの正解に辿りつきました」とニールさん。
ここで、ニールさんからお願いが。職人技に感動したアマダイの松笠揚げを習得して腕を上げたいそう。そこで翌日、松笠揚げを教えていただくことに。
使うのは、松笠となるウロコがついたアマダイの切り身。まずは、ウロコにだけ霧吹きします。水分を含ませると油に反発して、ウロコが起き上がりやすくなるそう。打ち粉は身の部分にだけつけ、素揚げにするウロコには衣がつかないようにします。
このアマダイを油へ。旨味が出るように、じっくり火を通します。泡が少なくなり、高い音に変われば揚げ上がりです。
早速、ニールさんも挑戦。教わった通りウロコに水をつけ、身だけに打ち粉を。衣をつけたら、ウロコを上にして鍋へ。この後は、鍋に入れる練習を繰り返し、音の変化で揚げ上がりを判断する特訓に入ります。
実は、生産農家さんの仕入れにも同行したニールさん。地元の素材にこだわる斉藤さんの情熱を肌で感じていました。

ニールさんの松笠揚げがついに完成! 斉藤さんに食べていただくと、「良いと思います」と合格をいただきました。教師であるニールさんは、いつもは教える側なので緊張したそう。
別れの時。「温かく迎えて練習の場を与えてくれたこと、丁寧に指導してくれたこと、一生忘れません」と感謝を伝えると、「遠いところから来てくれてすごく嬉しかったです」と斉藤さん。ぜひカナダに持って帰ってほしいと、お店で使っているものと同じ真鍮の天ぷら鍋をくださいました。
村上の地酒もいただき、大感激のニールさん。斉藤さんご夫婦とハグを交わして別れを惜しみます。
「天ぷら 斉藤さん」の皆さん、本当にありがとうございました!
月曜夜8時からは、「世界!ニッポン行きたい人応援団スペシャル」を放送!
▼今年で開催11回目を迎えるスペインの大型ジャパンフェス「マツリ・バルセロナ」を取材すると、応援団のブースは大盛況! 参加者は毎年3万人を超え、忍者、味噌ラーメン、墨絵、どら焼き、J-POPなど日本の文化が大好きな外国人が大集結。そして、過去に番組出演した方々と再会すると、驚きの進化を遂げていた!
▼フェスの参加者の中から、日本伝統の染色技術“墨流し”に人生をかけているロサーナさんに密着することに。ニッポンのことを考えただけで涙が出てしまう彼女の家には、墨流し作品が500点以上! 小物雑貨店を営み、墨流しのワークショップもしているという。そこで、本物の職人のワザを見てみたいというロサーナさんをニッポンへご招待!
▼まず向かったのは、福井県越前市。憧れの染職人の作品を目の前にして感動の涙を流す。越前墨流しは日本で最も伝統的な技法で作られる墨流しともいわれ、始まりは平安時代とされている。黒、赤、青の3色の筆と、松脂をつけた筆の計4本を巧みに扱い、水面に模様を作っていく様子は圧巻! そして、ロサーナさんはこの繊細な作業に挑戦することに!
▼次に墨流しの着物をぜひ見てみたいと向かったのは、東京の銀座にある着物店。
その希少性と二つとない模様の美しさから2000万円の値が付くものもあるという。
熱意が認められ、瑞宝単光章を受章した着物染めの巨匠を紹介してもらえることに。
工房では、13mの反物を一反のまま一気に染める長年の経験がものをいう職人技を見せてもらう。
今回は、「日本食を愛し過ぎた外国人SP」をお送りします。
【動画】「世界!ニッポン行きたい人応援団」最新回
あごだしを学び、焼きあご作りに挑戦
紹介するのは、アメリカ在住の「あごだし」を愛するマックスさん。

ニッポンが世界に誇る、繊細な“だし”による和食文化。だしといえばかつお節や昆布などが有名ですが、第3のだしとも呼ばれ、注目されているのが「あごだし」。
「あご」とは九州北部から日本海側にかけての方言でトビウオのことを指し、「あごが落ちるほど美味しい」ことからその名がついたともいわれています。
海面を飛ぶトビウオは脂肪分が少なく、だしを取るとスッキリとした上品な味に。九州では古くから縁起のいい高級食材として、お正月に食べる博多雑煮や五島うどんなどに使われてきました。
近年は全国的なブームとなり、茅乃舎だしをはじめ、各社があごだしを発売しています。
料理人として、和食の腕を磨いてきたマックスさんは、初めてあごだしを飲んだ時、独特の風味に感動。本やインターネットで独学し、自身のお店で試しながら、日々味を追求しています。
マックスさんがあごだしを取るのに使うのは、あごを焼いて乾燥させた「焼きあご」。
数あるだしの中でも珍しい焼く工程により、香ばしい風味とうま味が凝縮。かつおだしや昆布だしと合わせることで、かつお節のイノシン酸や昆布のグルタミン酸などのうま味成分をより引き立てる相乗効果があり、上品かつ深みのある味になります。

あごだしの取り方を見せてもらうと、材料は焼きあご、昆布、かつお節、干しエビと水。全て同じ容器に入れて、冷蔵庫で一晩寝かせます。
あごのみでだしを取ると繊細すぎるため、他の食材と組み合わせているそう。このだしを使った「あごだしラーメン」は、店の人気メニューです。
しかしマックスさんは、自分のだしの取り方が本当に合っているのか分からず、行き詰まっていました。将来、アメリカであごだしの素晴らしさを広めるために「本場ニッポンの職人さんから、あごだしの極意を教わりたい」と願っていますが、レストラン開店の借金もあり、ニッポンに行く経済的余裕はありません。
そんなマックスさんを、ニッポンにご招待!
向かったのは、福岡。お正月のお雑煮は焼きあごでだしを取るなど、古くからあごだしが親しまれてきました。
そんな福岡で、マックスさんがどうしても行きたかったのが、あごだし料理専門店「おだいどこ 旬」。あごだしに惚れこんだ柴山幸喜さんが、その魅力を広めたいとオープンしたお店です。九州では高級なイメージのあるあごだしを、一年中リーズナブルな価格で提供。
店頭に飾られた大量の焼きあごに、マックスさんは驚きます。
看板メニューの「黒豚と生レタスのしゃぶしゃぶ」は、6時間ほど水につけた焼きあごを調味料と一緒に鍋に入れ、椎茸や長ネギを加えてだしを取ります。
一番だしはつけ汁に、二番だしはあごを1本加えてお鍋のだしに。しゃぶしゃぶをいただいたマックスさんは、「こんなにクリアで後味のいいだしは今まで食べたことがありません」と感動します。
他のだしとの違いについて「後味が一番いい」と柴山さん。あごだしには、後味の余韻をつくる成分がかつお節の約5倍含まれており、口の中にだしのスッキリとしたうま味が長く残ります。
あごだしを使った釜めしもいただき、日本語で「あごがとれるほどうまい」とマックスさん。
柴山さん、本当にありがとうございました!
続いて向かったのは、福岡・久山町にある「御料理 茅乃舎」。「茅乃舎だし」のパッケージにも描かれている茅葺き屋根の建物に、マックスさんは大興奮!
あごだしブームの火付け役といわれる「茅乃舎」は、福岡の老舗醤油メーカー「久原本家」が立ち上げたブランド。「御料理 茅乃舎」の料理のだしが評判を呼び、「同じ味を家庭でも楽しみたい」という声から生まれたものです。
今回マックスさんの熱意を伝えたところ、協力してくださることに。
早速、あごだしベースのだしをいただき「言葉が出ません」とマックスさん。茅乃舎だしの誕生のきっかけとなった、名物の十穀鍋も堪能します。
今回はだしの取り方を、テレビ初公開! 統括料理長の岩根和史さんから特別に教えていただきます。

焼きあごはコンロで一度焼き、魚のわずかな臭みを取り除きます。だしを取る直前に焼くことで、良い香りに変わるそう。そして昆布とともに、山の自然のミネラルが入った地下水に浸けて冷蔵庫へ。
マックスさんは先に全ての材料を水に浸けていましたが、そうするとかつお節から苦味や酸味が出てしまうとか。岩根料理長は、「かつお節は最後に短時間入れて、香りを引き立たせる」と教えてくださいました。
翌日、寝かせただしの温度を60〜80℃まで上げていきます。80℃以上になると、苦味や雑味が出てしまうそう。素材によってだしが出やすい温度帯があり、うま味を最大限に出し切ることが重要なのです。
十分に抽出したら、あごと昆布を取り出し、一度沸騰させてアクを取ります。マックスさんは沸騰させず、最後に浮いたアクを取り除いていましたが、「沸騰させて出てくるアクは不純物なので、しっかり沸かしてアクをすくうことが、すっきりしただしを作る秘訣です」と、岩根料理長。

アクをすくったら、一度火を止めてかつお節を加えます。かつお節をこして、塩としょうゆで味をととのえれば、茅乃舎のだしが完成! 味見をさせていただいたマックスさんは「とても深い味です。だしに対する理解がより深まりました」。
最後に「長年の夢が叶いました」と感謝を伝えるマックスさん。お土産に、味見に使うかながい(おたま)と、おちょこをいただきました。
岩根料理長、「茅乃舎」の皆さん、本当にありがとうございました!
続いて向かったのは、長崎県。佐世保港からフェリーで、五島列島の北部に位置する上五島へ。
上五島は、焼きあごの一大産地。焼きあごを学びたいというマックスさんの熱意を伝えたところ、焼きあごを製造している「はたした」の畑下直さんが協力してくださることに。
「はたした」は、“炭火の上で手焼き”という昔ながらの製法を守る、五島で最後の一軒だそう。
焼きあごに使うのは、15センチほどの幼魚。成魚より脂が少なく、繊細なだしになります。夏に山陰沖で生まれたトビウオは、秋に幼魚となって平戸と五島の間を通過。上五島の有川湾にぶつかるため、大量に幼魚が獲れるのです。

この時季の上五島では、成魚のトビウオが間近で見られるということで、定置網漁を行う漁船に乗せていただきます。網にかかったトビウオに、マックスさんは大興奮!
そしていよいよ、畑下さんから焼きあご作りを教えていただきます。使うのは、秋に獲れた小ぶりのトビウオを瞬間冷凍したもの。身が崩れないよう、胸びれの付け根を狙って焼き串を刺します。
マックスさんも手早く串に刺していきますが、よく見るとお腹の部分に刺さっているところも。職人さんは、多い日には1日に2500尾ものあごを串に刺します。
続いて焼きの工程。ここからは、この道20年以上の妻・なをみさんの出番。串に刺したあごを焼き台の上に並べ、高火力の黒炭で一気に焼き上げ、旨味を閉じ込めます。
焼き具合を見極めるのは、長年の勘。煙の上り具合や匂い、あごの色の変化で判断しています。気を許すとすぐに焦げてしまうため、あごの変化を見極めながら焼き上げ、両面にしっかりと焼き色がついたら完成!

マックスさんもあご焼きに挑戦。熱さに耐えながら均等に並べていくものの、ところどころ、あごがずり落ちてぶら下がった状態に。なんとか焼き上がりましたが、なをみさんの焼いたものと比べると、その違いは一目瞭然。焦げ過ぎてしまったものもありました。
焼き上がったあごは、冷風乾燥室で5日間しっかりと乾燥させます。
作業の後は、畑下さんの自宅で歓迎会。焼きあごを使った五島の家庭料理を作るところを見せていただきます。
五島うどんのつけ汁のだしは、焼きあごのみ。だしを取る前に洗っておくと、だしが出やすくなるそう。だしを取った後の焼きあごは、身をちぎって炊き込みご飯に。他にも南蛮漬けや五島名物のあご天をいただき、あごづくしの料理を楽しみました。
ニッポン滞在中、あごだしの極意を学んだマックスさん。今回の集大成として、畑下さんの最高級の焼きあごを使い、「茅乃舎」で教えていただいただしの取り方で、「はたした」の皆さんに料理を振る舞います。
まず、昆布と焼きあごを水に浸け、冷蔵庫で一晩寝かせます。だしが出るのを待つ間は、畑下さんの長男・響太さんと、蛤浜海水浴場で美しい海を満喫しました。
翌日は「茅乃舎」で習った通り、60〜80℃の温度でだしを取ります。一度沸騰させてからアクを取り、かつお節を加え、こして味をととのえたら、マックスさんのあごだしが完成!
醤油ベースのタレを加えれば、ラーメンの極上スープに。

繊細なあごだしに合う細麺をチョイス。五島産の豚肉で作ったチャーシューや煮卵を丁寧に盛りつければ、あごだしラーメンの出来上がり。「畑下さんが五島で素晴らしい焼きあごを作っているので、五島の食材を掛け合わせた五島のあごだしラーメンにしました」とマックスさん。皆さん、スープまで完食してくださいました。
そして別れの時。マックスさんは「焼きあごを通して、あごへの理解、あごへの愛情を知り、皆さんがいかにこの島を愛しているのかも知ることができました」と伝えます。
「あごだしを世界にマックスさんが広めてください」と畑下さん。最後に、あごを焼く時の焼き串をいただき、畑下さんとハグを交わしました。
「はたした」の皆さん、本当にありがとうございました!
揚げ物大好き外国人が、天ぷら職人の技に感動
続いて紹介するのは、カナダ在住の天ぷらを愛するニールさん。

昨今、世界での人気も目覚ましい「天ぷら」。天ぷらチェーンの「てんや」などは、続々と海外店舗を増やし、勢いはうなぎ上り。外国人のアンケート調査によると、ニッポン滞在時に食べた料理の中で、寿司に次いで2位にランキングされるほどの人気です。
子どもの頃から揚げ物が大好きだったニールさん。中学生の時、地元の和食レストランで初めて天ぷらを食べて衝撃を受けたそう。
大人になると天ぷらへの情熱に拍車がかかり、インターネット検索を駆使して天ぷら作りを独学。週に一度は天ぷらを作るほど熱中し、天ぷら職人になるのが夢だといいます。

ニールさんの天ぷらは、魚介や野菜などに軽く粉をまぶしてから、小麦粉と塩を炭酸水で溶いた衣をつけて揚げるというもの。炭酸の気泡によってサクッと揚がるそう。
その味は番組スタッフにも好評でしたが、もっと上を目指したいとのことで「ニッポンで熟練の職人さんから学び、新鮮で最高の食材を使って人生で一番美味しい天ぷらを揚げたい」と話します。
そんなニールさんを、ニッポンにご招待!
向かったのは、東京・銀座にある「てんぷら近藤」。ニールさんの希望で、職人歴60年の天ぷら料理人・近藤文夫さんのお店にやってきました。
近藤さんは、23歳で「山の上ホテル」の名店の料理長に抜擢。「現代の名工」や優れた料理指導者に贈られる賞を、天ぷら職人として初めて受賞しました。
著書は海外でも翻訳され、天ぷらを世界に広めた第一人者。今回ニールさんの熱意を伝えたところ、休日にもかかわらずお店を開けてくださることに。

早速、衣の手ほどきを見せていただきます。水の中に卵を入れ、撹拌したら泡を取り除いてボウルへ移し、水と同量の小麦粉を加えてさっくり混ぜます。
「私が家で作る衣は、粉に水を注ぐやり方なのですが…」とニールさんが伝えると、「最悪ですね」と近藤さん。炭酸水を使うのもよくないそうで、卵を泡立てれば、炭酸は不要だとアドバイスします。
そして“魔法”と称される天ぷらの揚げがスタート。厚さ約7センチのサツマイモから揚げ始め、隣の鍋ではエビを。揚げ上がりは、音で判断するのが職人技です。
揚げたてはすぐに提供せず、少し間をおきます。近藤さんによると、天ぷらは揚げものではなく、余熱調理で仕上げる蒸し料理だそう。エビをいただいたニールさんは、「すごい! ほどよく蒸されたエビの濃厚な風味が口に広がります」と感動します。
次は、ピーマン。実は、野菜を天ぷらの主役に据えたのは、近藤さんが最初。素材の香りが立ち、口の中にあふれるほど水分が広がるのが醍醐味です。

そして、動画で見てからどうしても食べたかったという「ニンジンのかき揚げ」。細切りのニンジンを油に入れ、箸で巧みに絡め取ると、まるでアートのような一品に。
「繊細で食感が素晴らしいです。噛むごとに甘みが口に広がり、余韻も味わえます」と絶賛。
最初に鍋に入れたサツマイモは、40分揚げて取り出し、蒸すこと15分。これこそ、近藤さんの「蒸し料理」の真骨頂。「焼き芋より美味しいです」と伝えるニールさんに、「焼き芋に勝るものを作ろうと考え出したのがこれです」と近藤さん。
この道60年の近藤さんに「この味は誰が引き継ぐのですか?」と質問すると、長男の雅彦さんが後継者になるとのこと。最後に、近藤さんが著書に直筆で座右の銘を書いてくださり、大感激のニールさんでした。
近藤文夫さん、雅彦さん、本当にありがとうございました!
続いて向かったのは、新潟県。日本海は天ぷらと相性の良い、白身魚やエビの宝庫。中でも新潟は、一年を通して旬の魚が手に入る好漁場です。
今回お世話になるのは、新潟県村上市にある「天ぷら 斉藤」。大将の斉藤丈司さんは、大阪の老舗天ぷら店「一宝」で修業し、金沢の名店でも技を磨いた腕利きの天ぷら職人です。
ニールさんの熱意を伝えたところ、旬の魚介を使った天ぷら作りの極意を教えてくださることに。
まずは、村上の岩船港へ。「天ぷら 斉藤」では、漁師さんから直接仕入れて天ぷらにしているということで、漁師の山田裕喜さんに、解禁初日の岩ガキ漁を見せていただきます。

村上の天然岩ガキは、素潜り漁のみ。水深5メートルほどの岩場に付着した岩ガキを見分け、専用の道具で剥がしていきます。
ニールさんは、手のひらを上回る大きなカキにびっくり! 山と海が近く、川から運ばれる豊富なミネラルで栄養たっぷりに育つそう。
カゴいっぱいに獲れた岩ガキは、斉藤さんの元へ。早速、天ぷらにしてくださいました。
何もつけずにいただくと、その美味しさに「すごい!」とニールさん。
さらに、ノドグロや旬の採れたて野菜、高級魚アマダイの天ぷらも。皮目が松ぼっくりのようになった「松笠揚げ」を初めて口にしたニールさんは、「柔らかい身とサクッとした皮が口の中でとろけていきます」と大満足!
そして、いよいよ魚介の美味しさを極限まで引き出す天ぷら作りを教えていただくことに。

まずは衣作り。冷水に卵を入れ、泡立て器で撹拌し、メレンゲのような細かい泡を立てます。そこに小麦粉を加えますが、最も大切なのは温度。温度が高いとグルテンが多くできて、粘り気が出てしまうのです。
斉藤さんのこだわりは、小麦粉を-60℃で冷やすこと。3日間寝かせることで、グルテンを抑える効果も。「ここまで徹底的に温度にこだわるとは驚きです」とニールさん。
混ぜる時も、摩擦で温度が上がらないよう手早く。ニールさんも挑戦しますが、思うように粉が溶けません。斉藤さんいわく、「(粉を)入れる量が多いのと、混ぜる回数が多い」とのこと。
課題を踏まえて、もう一度挑戦。苦戦する様子を見かねて、斉藤さんが一緒に泡立て器を動かしてくださると「違いがやっと分かりました!」とニールさん。サラッと軽い衣ができました。
次は揚げ方。素材はエビを使います。衣の付け方のポイントは、メレンゲのような気泡を多く含む上澄みをつけること。すると、気泡が弾けて素早くカラッと揚がり、真っ直ぐになりやすいそう。底の方の衣は水に近く、揚がるのに時間がかかり、曲がってしまうことも。
教わった通り、上澄みをつけて揚げると真っ直ぐに。「エビはずいぶん揚げてきましたが、ようやく一つの正解に辿りつきました」とニールさん。
ここで、ニールさんからお願いが。職人技に感動したアマダイの松笠揚げを習得して腕を上げたいそう。そこで翌日、松笠揚げを教えていただくことに。
使うのは、松笠となるウロコがついたアマダイの切り身。まずは、ウロコにだけ霧吹きします。水分を含ませると油に反発して、ウロコが起き上がりやすくなるそう。打ち粉は身の部分にだけつけ、素揚げにするウロコには衣がつかないようにします。
このアマダイを油へ。旨味が出るように、じっくり火を通します。泡が少なくなり、高い音に変われば揚げ上がりです。
早速、ニールさんも挑戦。教わった通りウロコに水をつけ、身だけに打ち粉を。衣をつけたら、ウロコを上にして鍋へ。この後は、鍋に入れる練習を繰り返し、音の変化で揚げ上がりを判断する特訓に入ります。
実は、生産農家さんの仕入れにも同行したニールさん。地元の素材にこだわる斉藤さんの情熱を肌で感じていました。

ニールさんの松笠揚げがついに完成! 斉藤さんに食べていただくと、「良いと思います」と合格をいただきました。教師であるニールさんは、いつもは教える側なので緊張したそう。
別れの時。「温かく迎えて練習の場を与えてくれたこと、丁寧に指導してくれたこと、一生忘れません」と感謝を伝えると、「遠いところから来てくれてすごく嬉しかったです」と斉藤さん。ぜひカナダに持って帰ってほしいと、お店で使っているものと同じ真鍮の天ぷら鍋をくださいました。
村上の地酒もいただき、大感激のニールさん。斉藤さんご夫婦とハグを交わして別れを惜しみます。
「天ぷら 斉藤さん」の皆さん、本当にありがとうございました!
月曜夜8時からは、「世界!ニッポン行きたい人応援団スペシャル」を放送!
▼今年で開催11回目を迎えるスペインの大型ジャパンフェス「マツリ・バルセロナ」を取材すると、応援団のブースは大盛況! 参加者は毎年3万人を超え、忍者、味噌ラーメン、墨絵、どら焼き、J-POPなど日本の文化が大好きな外国人が大集結。そして、過去に番組出演した方々と再会すると、驚きの進化を遂げていた!
▼フェスの参加者の中から、日本伝統の染色技術“墨流し”に人生をかけているロサーナさんに密着することに。ニッポンのことを考えただけで涙が出てしまう彼女の家には、墨流し作品が500点以上! 小物雑貨店を営み、墨流しのワークショップもしているという。そこで、本物の職人のワザを見てみたいというロサーナさんをニッポンへご招待!
▼まず向かったのは、福井県越前市。憧れの染職人の作品を目の前にして感動の涙を流す。越前墨流しは日本で最も伝統的な技法で作られる墨流しともいわれ、始まりは平安時代とされている。黒、赤、青の3色の筆と、松脂をつけた筆の計4本を巧みに扱い、水面に模様を作っていく様子は圧巻! そして、ロサーナさんはこの繊細な作業に挑戦することに!
▼次に墨流しの着物をぜひ見てみたいと向かったのは、東京の銀座にある着物店。
その希少性と二つとない模様の美しさから2000万円の値が付くものもあるという。
熱意が認められ、瑞宝単光章を受章した着物染めの巨匠を紹介してもらえることに。
工房では、13mの反物を一反のまま一気に染める長年の経験がものをいう職人技を見せてもらう。
記事提供元:テレ東プラス
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