今季初トップ10入りも笑顔なし「続けていればこういう時もある」 石川遼が感じる課題と成長
<ロピア フジサンケイクラシック 最終日◇7日◇富士桜カントリー倶楽部(山梨県)◇7424ヤード・パー70>
2009年から大会連覇を果たした好相性の富士桜で、石川遼が今季初のトップ10入り。しかし、その結果は本人にとって納得のいくものではなかった。
初日に「67」をマークして5位発進を決めたものの、第2ラウンドでは「71」とスコアを落とし10位に後退。それでも首位とは6打差と、優勝争いの可能性を残して最終日を迎えた。しかし、いきなり連続ボギーを喫する苦しいスタートとなった。
4ホールを消化して3ボギー。それでも5番パー4、6番パー5で連続バーディを奪い流れを取り戻しかけたが、9番で痛恨のダブルボギー。「39」で前半を折り返した。
後半は12番でボギーを叩いたものの、14番から連続バーディを奪取。さらに17番でもバーディを決め、「32」と立て直してホールアウトした。
「リカバリーできないボギーが続いた」。序盤から深いラフに入れ、7番パー3ではグリーン左サイドが池ながらピンは左と、シビアなピンポジションを攻めて池ポチャ。思うようなゴルフを展開できなかった。
「自分のやるべきことをやっていれば、ここまでのスコアになっていなかった」。結果はトータル1アンダーの10位。今季初のトップ10入りにも、悔しさがにじむ。ただ、「続けていれば、こういう時もある。勝てない時もあるので」と冷静に現状を分析。ツアー経験が長いからこそ、調子の波は必然と受け止めている。
その中で特に「アプローチとバンカー」に違和感を覚えているという。かつては58度のアプローチウェッジを軸にしていたが、今年は60度・ローバウンスのウェッジを使用。「今後のことを考えたときに必要なクラブ」とし、よりシビアなライからピンを狙う想定でバッグに入れている。しかし、感覚の上書きがまだ十分ではなく、「(グリーンを)外した時に頼れる武器にしていかないと」と、ショートゲームの課題と向き合っていく。
一方でドライバーについては「レベルアップしている」と手応えを語る。14番ではドロー、15番ではフェードと球筋を打ち分けて攻略。「5〜6年前から強化したいと思っていた部分」が形になりつつあるという。また、200ヤード超を狙うクラブの精度にも自信を深めている。
次週は韓国で行われる「Shinhan Donghae Open」に出場予定。開催コースは2015年に「プレジデンツカップ」が行われたジャック・ニクラウスGCコリアで、石川は初めてラウンドする。すでにソン・ヨンハン(韓国)らから情報を聞いたそうで、「高いレベルのコースでプレーできるのはありがたい」と意欲を見せた。
「やるべきことをしっかりやれば、結果はついてくる」。望んだスコアではなかったものの、今季初のトップ10入りを果たした石川。シーズン終盤戦へ向けて、さらに弾みをつけたい。(文・齊藤啓介)
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