“奇才”のバンカー対策バッチリ!? 都玲華がバンカーショット開眼「スタンスや体は開かない」
<ゴルフ5レディス 事前情報◇5日◇ゴルフ5カントリー オークビレッヂ(千葉県)◇6505ヤード・パー72>
今週はメルセデス・ランキング(以下、MR)の上位10人中、8人が不在。加えて悪天候による36ホール短縮競技になったことで「誰が勝ってもおかしくない」といわれる一戦だ。今季トップ10入り3回を数えるルーキー・都玲華も虎視眈々と初優勝を狙う。
QTランキング53位から始まった今季だが、「明治安田レディス」で優勝と2打差の6位タイに入るなど、現在はMR47位でシード圏内につけている。「優勝したいなというのはある。ただ、本格的な優勝争いはまだできていない。やっている最中に“オラオラ”攻めてとか相手のプレーを見たりとか、本格的な優勝争いはできていないので、そういう回数を増やしていきたい」。最終日にバチバチと優勝を意識した中での経験をしたいと話す。
開幕前からショット力の向上やショートゲームの強化で成長を重ねているが、顕著なのがサンドセーブ率の高さ。ガードバンカーに入れてから2打以内で上がる確率のことだが、ここまでのサンドセーブ率は58.97%で2位につけている。
「バンカーはもともと全然得意じゃなくて、むしろ苦手。すごく簡単なやつとかも全然寄らない感じだった」が春先に転機が訪れる。
米国で“ショートゲームシェフ”と呼ばれるショートゲームコーチのパーカー・マクラクリン氏が来日した時に、指導を受ける機会があった。アプローチだけでなくバンカーも教わったのだが、まず構えを指摘された。
「スタンスがすごくオープンで構えていて、すごく切って振っていた。さらに右足体重だからダフったり、ホームランが出たり…」。昔からバンカーショットは“オープンスタンスに構えて、アウトサイドインで振る”と言われているが、その定石がうまく寄らない原因だった。
パーカー氏からの指導はスタンスも体も目標に対して真っすぐ、いわゆるスクエアに構えてやや左足体重。そして真っすぐ振る。「今は、足も体も開かなくなりました。距離を出したいときは、58度じゃなく54度とか48度とかクラブを替えます。いろいろなことを学びました」。アドレスや思考を変えることで、バンカーからのパーセーブ率が格段に上がった。
今大会ではサンドセーブ力は武器になりそうだ。2022年大会以来、3度目の開催となる今コースは、奇才と呼ばれる英国出身のゴルフ設計家、デズモンド・ミュアヘッド氏の設計。米国のミュアフィールド・ヴィレッジやミッションヒルズなども手掛けている。
池やバンカーなどハザードを巧みに配置して戦略性を高めるだけでなく、見た目にも美しい特徴的なコースを作り上げた。17番パー3にはグリーン左手前に“日本一あごの高いバンカー”がある。バンカーから花道に上がる階段は、なんと27段もある。
17番のほかにも、18番のグリーン左手前には背丈以上のバンカーが待ち構える。8番パー3はグリーン奥に「魔法の白い盾」と呼ばれる変わった形のバンカーがあり、6番はグリーンの左サイドを囲むように配置されている。
バンカーショットに自信を持つ都は「守りながら攻めていくみたいな感じでいきたい」と話すが、最も警戒するのはグリーン。「アンジュレーションがあって大きくて、ポテチみたいなイメージ。理想はショットをつけて、サラッとパーで上がる。3パットすると流れが悪くなっちゃいそうなので注意したい」。グリーンで流れをつかみ、優勝争いに名乗りを上げたい。(文・小高拓)
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