12戦無敗の首位八戸に激震。石崎信弘監督のチーム離脱で正念場に。昇格争い中のFC大阪も大嶽直人監督を解任する“カンフル剤”を投入【明治安田J3第26節プレビュー】
リーグ戦再開から3試合を終え、明治安田J3リーグは今節から9月の戦いに突入する。自動昇格争い、J2昇格プレーオフ出場権争い、そして残留争いと各チームのターゲットが少しずつはっきりしてくる中、9月のゲームでどれだけ勝点を積めるかが重要になる。
このタイミングで首位vs最下位のゲームが実現する。プライフーズスタジアムでクラブ史上初のJ2昇格に向け突き進むヴァンラーレ八戸と、最後まで上位争いを繰り広げた昨シーズンから一転、今季は苦しい戦いが続いている沼津が顔を合わせる。

ホームの八戸は12戦無敗と勢いが止まる様子は見られない。6月1日の第14節から快進撃が始まり、約3カ月も敗戦を経験していない。その原動力は間違いなくチーム全員のハードワーク。攻守で相手に襲いかかるスタイルはJ3で猛威を振るっており、夏場の戦いでもその強度が落ちることはなかった。大勝した試合は少なく、僅差の試合を制していることも特徴の一つで、しぶとさや粘り強さも目立つ。
ただ、クラブ史上初の8連勝を達成したあとの2試合は引き分けが続いており、今節の沼津戦は踏ん張りどころかもしれない。前々節のFC大阪戦は自動昇格を争うライバルとの直接対決となったが、90+6分の失点で引き分けに持ち込まれると、前節松本山雅FC戦はスコアレスドロー。約4カ月ぶり、今シーズン4度目の無得点に終わった。
さらに3日には、家庭の事情により石﨑信弘監督がチーム活動から離脱することが発表された。予想外のアクシデントにチームに走った衝撃は小さくないはず。だが、試合は待ってくれない。J2昇格に向けた最初の正念場となるだろう。9勝3分1敗と大きく勝ち越しているホームでの試合で3試合ぶりの勝点3を積み上げ、首位固め、そして指揮官に明るいニュースを届けたい。
対する沼津は今シーズン最長の5連敗と泥沼にハマってしまっている。前節の栃木シティFC戦は、その悪い流れに陥ってしまっていることを象徴するようなゲームとなってしまった。
上位につける相手に対して、先制を許しながらも二度追い付いて前半を2-2で折り返す。しかし、1点ずつを奪い合って3-3になった直後に退場者を出してしまい、数的不利での戦いを強いられた。それでも意地を見せて71分に勝ち越しに成功するが、後半アディショナルタイムに悪夢が待っていた。90+1分に同点ゴール、さらに90+7分には逆転ゴールを突き刺され、あまりにも痛恨の逆転負け。勝点がこぼれ落ちていった。
その中でも前を向くとすれば、今シーズン最多の4ゴールを挙げた攻撃姿勢だろう。また、5連敗のうち4試合は1点差での敗戦で、2試合で先制した試合するなど、すべてが悲観するべき内容ではない。状況は苦しいが、ここで首位を破り、流れを一気に変えたいところだ。
日曜唯一のカードとなるのが、ツエーゲン金沢とFC大阪のゲーム。今シーズン3度目の2連勝中の金沢に対して、4位のFC大阪は前節のSC相模原戦で敗れた翌日に監督交代を発表。大嶽直人監督との契約を解除し、藪田光教ヘッドコーチが暫定的に指揮を取ることになった。まだ首位とは勝点6差にいるチームの決断に衝撃が走った。これが吉と出るか、それとも凶と出るか。ここ5試合で1勝1分け3敗とやや失速気味の中、悲願のJ2昇格に向けて“カンフル剤”を投入したチームが、その初戦でどのような姿を見せてくれるのか。好調な相手のホームに乗り込んでリスタートを切る。
【制作・編集:Blue Star Productions】
記事提供元:Lemino ニュース
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