精神崩壊スリラー「侵蝕」、クォン・ユリ(少女時代)を追い込む緊迫シーン&著名人コメント公開
不穏な行為に及ぶ幼い娘ソヒョンと、恐怖を募らせていく母親ヨンウン。そして幼少期の記憶をなくしたミンと、天真爛漫で謎めいた同僚ヘヨン。20年を隔てた2つの物語が繋がり、“怪物”の正体が明らかに──。クォン・ユリ(少女時代)、クァク・ソニョン、イ・ソル、キ・ソユが出演するスリラー「侵蝕」が、9月5日(金)より新宿ピカデリーほか全国で公開。ミン(クォン・ユリ)がヘヨン(イ・ソル)と対峙する緊迫シーンの映像、ならびに著名人のコメントが到着した。
〈コメント〉
身震いしてしまうような112分。
怖さや息苦しさを感じたのは序章に過ぎず、更なる展開が待ち受ける。
この映画、後味がヤバすぎる!!!
──韓国ドラマ好きのだらだら子(韓国作品ライター)
物悲しくも不穏な家族のドラマと意外性に満ちたスリラー。
“おそろしい子供”モノとして始まった物語は幾度となく印象と様相を変えていく。何かがおかしい。でも何が?
違和感の正体が明かされたとき、あまりにシンプルでピュアな動機に虚をつかれた。
──近藤亮太(映画監督)
過去の記憶がない者と過去を偽っている者、大事な日常を「侵蝕」しているサイコパスは果たして誰なのか。
息の詰まるような展開の末、その全容に後から気づいた時、観客に残るのは戦慄そのものである。
本作は民主化以降、韓国映画が追求してきた“暴力”の現在地を示しているとも言えるだろう。
──崔盛旭(映画研究者)
きっと観賞中、何度も何度もなぜ?と思い、疑うだろう。
彼女がそうなった理由を僕らは求め、探し続けてしまう。
歩み寄り、理解したいから──わからないのは怖いから。
でも彼女は彼女でしかない。最初からずっと変わらない。
泡沫に帰すとも独り信じて手を伸ばす母の愛、その悲哀。
──SYO(物書き)
容赦が無いでお馴染みの韓国映画がまたやった…とんでもない“怪物”を創り出してしまった…
7歳少女の愛くるしさを細やかに捉えつつも、その許容を遥かに超える“邪悪さ”までも存分に描き切る非道さ。害悪を巻き散らす少女はやがて大人にまで成長と、どこまでも観客を許してくれそうに無い。こうなったら地獄の果てまで見届けよう…その先にある安寧を少しだけ信じて…だけどそれはきっと…嗚呼…
──末廣末蔵(ジャンル映画大好きツイッタラー)
倫理観がすっぽり抜け落ち、残忍な衝動を抱えた少女に恐れおののく一方で、彼女の苦悩が伝わり、悲哀が心に響き、最終的な決断には解放感を覚えてしまった。
フィクションでしか許されない後ろ暗い感動だ。
──内藤瑛亮(映画監督)
よくあるサイコキッズ枠と思いきや、もっと複雑でやり切れない話だった。周りを傷付けてしまう少女。娘に追い詰められる母親。限界を迎えてからの、更にその後に待つ地獄絵図。母と娘の行く末が、鉛のように重い感情を残してくれました。画面にはあまり出てこない父親たちがロクデナシなのは想像に難くない。
──人間食べ食べカエル(人喰いツイッタラー)
疑心暗鬼に、どんどん蝕まれていく。
そう、侵蝕されていたのは私の心だったのだ。
痛みをごまかさず、恐怖に真正面から対峙する。
子どもの純真、母親の母性、そして母と子の絆さえも否定する。
ここにあるのは、ただ絶望だけ。
これこそ韓国スリラーの真骨頂。
どこまでも容赦はない
──東紗友美(映画ソムリエ)
ごく当たり前の道徳観が身につかず、動物的本能のままに行動する子どもが、「もし自分の子どもだったら」「自分の子どもと同じクラスだったら」「隣人だったら」「大人になったら」と次々想像させられ、足元が崩れていくような恐怖に襲われる。〈侵蝕〉されるのは、紛れもなく私たち観客だ。
──mikoザウルス(韓国映画沼の住人)
「地獄のような映画だ……」
のっけからそう思わされ、その絶望がどんどん色濃くなっていく。
ここで描かれる無垢な邪悪さと、それを駆り立ててしまう人間の弱さに、既視感を覚えるのがなんとも恐ろしい。
観終わっても続く苦々しい後味が、この映画の醍醐味だ。
──レイナス(「ホラー通信」ライター)
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配給:シンカ
記事提供元:キネマ旬報WEB
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