国内女子ツアー“史上最長コース”で栄冠をつかむのは? 「パッティングの転がり」の良さが勝負を分ける【大西翔太のSHOWTIME】
<ニトリレディス 初日◇28日◇北海道カントリークラブ 大沼コース(北海道)◇6955ヤード・パー73>
国内女子ツアーは箱根から再び北海道に舞台を移し、今季23戦目が開幕した。会場となる北海道カントリークラブ 大沼コースでツアーが行われるのは初めてで、史上最長距離となる6955ヤード(パー73)のセッティングで熱戦が繰り広げられる。その展望を、青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が占う。
■バーディチャンスのパー5も長く“攻守のメリハリ”がカギ
パー72の18ホールの構成は基本的にパー3が4つ、パー4が10個、パー5が4つだが、今大会はパー5が5つに増加している。一見、スコアを伸ばすチャンスが増えたように思えるが、1番と18番が590ヤードで、9番が570ヤード、14番と16番は545ヤードといずれも距離が長く、「飛ばし屋の選手たちが1つもツーオンができないと言っていた」という設定だ。
さらにパー4の3番(425ヤード)、15番(430ヤード)、パー3の17番(200ヤード)など、全体的に距離が長い。それに加えて北海道特有の洋芝は粘りがあり、ラフに入ると振り抜きが難しい。「フェアウェイを外すとボギーが出やすいので、ショットの正確性が重要です。ただ飛ばせばいいというコースではないです」と大西氏は語る。
グリーンは全体的にやわらかく「沈みやすい」が、「一部は少し跳ねる」と特徴も複雑。距離の長さに加えて、落としどころの見極めも求められる。「調子の良い選手が自然と上位に来るセッティングです。バーディチャンスは多くないので、攻めどころと守りどころをはっきりさせるメリハリが必要」と攻略法を説明する。優勝スコアについては「4日間で12アンダーいけばいいほう」と予想。「毎日60台を出せれば大チャンス。1日ごとの積み重ねを大切にしたい」と展開を読む。
■“パッティングの転がり”が好成績の分かれ目
その大会で活躍が期待される選手として、大西氏は最初に今季2勝目を狙う河本結を挙げた。「河本選手はロフトを使い分けて、沈んだボールを拾う技術が高い。ショットの調子も良く、キレイなパワーフェードを打っていて、アプローチやパッティングにも隙がない状態です」と評価する。
さらに、今大会の勝負を分ける要素として「パッティングの転がり」を強調。「グリーンが沈みやすいので、芯でしっかりヒットできないと対応できません」と分析し、先週を2位で終えた木戸愛をもう一人の注目選手に挙げた。「ショットもパターも非常に安定しており、今週のセッティングでも力を発揮してくると思います」と見ている。
前週の「CAT Ladies」で2年ぶりの勝利を挙げ、ツアー通算5勝目を手にした櫻井心那も優勝候補の一人。「飛距離がありながら曲がらない球を打ち、結果も出している。パッティングの転がりも非常にきれいで注目です」と連勝もイメージできる状態だ。
「この3選手の共通点は、パターの順回転率が高く、重く安定した転がりを出せること。こうしたパッティングが、この難コースで勝負を分けるでしょう」とまとめた。ツアー史上最長の舞台で、栄冠をつかむのはだれなのか。注目の4日間が幕を開ける。
解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツへと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。また現在、安田祐香の指導にもあたっている。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。
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