女子プロがLS系ヘッド? 男子プロが深重心系ヘッド? ドライバーの使用傾向が逆転した理由とは?
日本男女ツアーのプロの使用ドライバーを調査すると、これまでとはまったく異なる傾向が明らかになった。その詳細をレポートする。
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かつて女子プロは、ヘッドスピードを補うために深重心ヘッドを使い、低スピン・高弾道で飛ばすのが主流だった。しかし現在は、浅重心のLS系ヘッドを使う選手が増えている。
小祝さくらは『スリクソン ZXi LS』を使用。「操作性が高いヘッドが好みです。右に吹けるような球は嫌いなので、ややつかまるイメージが出るヘッドを選びます」と高く評価している。
鈴木愛も浅重心の『G440 LST』を愛用。「前作よりも少し弾く感じがあります。弾き感があると右に滑りそうですが、このヘッドは前に強く飛んでくれます」と話す。
また、河本結は『ELYTE ◆◆◆TD』を使用。「前作の『パラダイム Ai SMOKE ◆◆◆MAX』はスピン量が多かったけれど、新作はスピンが減ったので替えました。初速が速くてスピンも少なく、ランが多く出ます。球が強くて気に入っています」と語る。
一方、男子ツアーでは、以前は浅重心を使う選手が多かったが、現在は深重心ヘッドを使う選手が増加している。
米澤蓮は深重心の『GT1』を使用。「スピンもしっかり入り、距離も出ます。最近のドライバーはスピンが少なく、右に滑る球が出やすいけれど、このヘッドではそれがなく、安定しています」と語る。
今季すでに2勝を挙げている生源寺龍憲は、『パラダイム Ai SMOKE MAX D』を使用。「つかまりの良さが抜群です。楽につかまってくれるのがいいですね。僕は“逃げ顔”のヘッドが好きじゃないので」と話す。
クラブフィッターの吉川仁氏は、この現象を次のように説明する。
「男子プロは、ある程度スピン量があった方がドローとフェードを打ち分けやすいため、深重心ヘッドを使っているのでしょう。最近のボールは低スピン傾向なので、男子がさらにスピンを減らすと、右にすっぽ抜ける可能性が出てきます。
一方、女子プロは、ややアッパーブロー軌道で打ちます。深重心ヘッドだと、インパクト時にロフトが寝すぎて、球が上がりすぎてしまい、かえって飛距離をロスすることもあります。浅重心設計のLS系ヘッドなら、ロフトを立てて当てやすくなり、インパクト効率が上がってボール初速が出ます。スピンも抑えられるため、結果的に飛距離が伸びやすくなるのです」
このように、かつての常識とは逆の傾向がプロの間で広がっている。シニアでも、アッパーブローで打てるタイプであればLS系ヘッドは試す価値あり。飛距離が落ちたと感じているゴルファーでも、ランが増えて飛距離アップにつながるかもしれない。
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