蟬川泰果がツアー記録の18ホールで3イーグル 猛チャージ支えた“0.5度”寝たパターと大西翔太の助言
<リシャール・ミル チャリティトーナメント 3日目◇2日◇能登カントリークラブ(石川県)◇7142ヤード・パー72>
ツアー記録タイに並ぶ3イーグル(・3バーディ)を奪った蟬川泰果が、この日のベストスコアとなる「63」をマーク。26位から首位と2打差の3位タイに浮上し、鮮やかに最終日最終組入りを果たした。
スタートホールの1番パー5でバーディ先行とすると、4番パー3で猛追の狼煙を上げる。「2番、3番と右に行ってチャンスにつけられなくて左に振り抜く意識で振ったら、ピン方向に飛んで…」。ピンの奥1メートルに着弾するとスピンバックでそのままカップイン。ツアーでは2度目、プライベートを含めて自身4度目のエースを達成した。
5番パー4では2打目が木に当たるピンチになったが、70ヤードの3打目を3.5メートルに乗せてパーセーブ。続く6番パー5では、257ヤードの2打目をグリーン左のカラーまで運ぶと、60度のウェッジで5ヤードをチップインイーグル。8番でもバーディとして上位に迫る。
後半に入り、4ホール連続でパーを重ねたが14番パー5でまた魅せた。残り258ヤードの2打目をピン左手前12メートルに乗せると、きれいにスライスラインに乗せてカップイン。1ラウンドで3イーグルは2023年の「マイナビABCチャンピオンシップ」で勝俣稜が達成して以来、9人目のツアータイ記録に並んだ。
「1ラウンド3イーグルは、プライベートでも記憶にないですね」と会心のラウンドではあったが、「バーディが本当に少なかった。チャンスホールをもっと取りたかった」と最終18番パー5でパーに終わるなどツアーベストの「61」に2打及ばなかったことには少し悔しさをのぞかせた。
この日の「63」には2つのきっかけがあった。1つは、大会を主催するリシャール・ミルファミリーの青木瀬令奈のコーチで今大会ラウンド解説で会場入りしている大西翔太氏。ラウンド後、大西氏に練習に付き合ってもらった。「そんなにスイングが悪いとかプレーンが悪いとかじゃなくて、コース内でもっと(自分を)信じて打てたら変な曲がりもないんじゃないか」とアドバイスをもらった。「少し曲がったところもあったけど、きのうよりいいショットが多かった」と大西氏に感謝をする。
もう1つはこの日のスタート前にパターを替えたこと。きのうまでピンの『PLD ミルド OSLO3』のロフト2.5度を使用していが、ヘッドは同モデルでロフト3度に変更した。「ロフトが立っているとつかまりにくい。きのうは右のミスが多くて、距離感も強かった。ロフトが寝ているのでボールのつかまりがよくなって、しっかり打っても飛ばないのでその辺がよかった」。ロフト0.5度寝かせたことで会心のラウンドを支えた。
6月の「BMW日本ゴルフツアー選手権森ビルカップ」で今季初優勝を遂げて以来の国内戦で2戦連続優勝も視野に入った。「ここまできたからには優勝をねらって、しっかり集中して回り切りたい」と語気を強めた。(文・小高拓)
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