ツアープロとして感じる“成長”、そして味わっている“苦悩”【谷田侑里香“最高峰への道”】
高校1年間と大学4年間を米国で過ごした谷田侑里香(たにだ・ゆりか)は、米女子下部にあたるエプソン・ツアーを主戦場とするプロゴルファーだ。昨シーズンは下部ポイントランキング52位でシードを獲得した。目指すは、長年夢見てきたLPGAツアー参戦。その姿を追う。
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みなさん、こんにちは! 私は今、今週の試合(1日~、フォー・ウインズ招待)が行われるインディアナ州にいます。雨が降っていた影響で、練習日のコースは地面がやわらかく、そういったコンディションもしっかりと確認しながら準備を進めてきました。
ここは去年も回ったコースなんですが、昨年、使用していたヤーデージブックを見ると、1年前と今では“考え方”が違うということに気付かされます。例えば、昨年はフェアウェイウッドで刻んでいたホールだったのに、今年はドライバーをしっかり握っていたり。「なんで、こんな広いところで刻んだんだろう?」と、不思議な気持ちになったりしています。
この変化は、飛距離が少し伸びたなど技術面も要因に挙げられるますが、やはり大きいのが“自分のゲーム”を理解し、確立できていることだと考えています。『自分は、どうやって攻めていくべきか』。ここは、やはりツアー参戦初年度だった昨年よりも理解が深まっている部分です。それは、いろんな選手と一緒に回ったり、課題と向き合い試行錯誤を続けてきたことで積み上げられたものだとも思っています。
去年はドライバーに自信がないから刻んでいたところでも、今はそこに自信が出てきたから、ドライバーを握れる。打ち方のバリエーションも増えてますし、そういったひとつひとつの要素が、考え方に変化をもたらす要因になっています。特に今週のように同じコースに帰ってくると、そういった変化により気づくし、レベルアップできていることも感じられます。
なので、“今週も前向きに頑張ります!”…と言いたいところなのですが、正直な胸の内をお話させていただくと、今は“悩み”の真っただ中にいます。直近の2試合が、ともに1打及ばずに予選落ちしたということもあり、ゴルフをするのがつらいと感じることもありました。6月末には、一度、日本に戻りましたが、この時もプロテスト(1次予選、7月2~4日)を受けたこともあり、休息とまではならず。ずっと試合が続いていることで疲れが溜まっているのも実感しています。
そういったコンディションに加えて、ギリギリの戦いが続くなかで、うまくいかないことも多いというのが現実です。ただ、これがツアーで戦うこと、プロとしてやっていくつらさだということも理解しています。それゆえ『結果を出さないといけない』というプレッシャーもあり、今が一番きつい時期かもしれません。
今週は大学時代のチームメートの家に泊まらせてもらっているのですが、そういったモヤモヤが影響して、ショックを感じることもありました。彼女は私にとって親友で、彼女がいたから私はミシガン州立大に進むことを決めたと言っても過言ではないほどの存在。そして今週はひさしぶりに一緒にラウンドをする約束もし、それを楽しみにしていたのですが、いざ回ってみると、そこでもゴルフがつらいと感じてしまうほどでした。ひさびさの楽しい時間。そこでも、そう思ってしまったことがショックでした。
今回は、少し弱音を吐かせていただきました。でも、ずっと自分に起こっていることをお話してきた、この場所だからこそ、無理に取り繕うのではなく、こういった本音もお話しようと決めました。ただ、先ほどもお話したように、去年から成長を感じられているのも事実です。ゴルフが大好きという部分も変わりません。今週も目の前の試合、そしてゴルフと向き合っていきますので、応援をよろしくお願いいたします。
<ゴルフ情報ALBA Net>
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