鉄オタ芸人・吉川正洋(ダーリンハニー)に聞く! この夏に行きたい"穴場な鉄道路線"5選「日本最東端になった根室駅はネタにもなる」
「妄想鉄道ガイドブック」を出版したお笑い芸人吉川正洋(ダーリンハニー)。昨日に配信したインタビューでは「妄想鉄道」の魅力をたっぷり語ってくれたが、今回はその特別編をお届け。
鉄オタとして知られる吉川氏にこの夏に乗りに行くべき穴場鉄道路線5選を聞いた!
1:【京都丹後鉄道】
主に京都府北部の丹波・丹後と兵庫県但馬地域を走る鉄道。舞鶴市と宮津市を結ぶ「宮舞線」、宮津市から与謝野町、京丹後市を経て、兵庫県の豊岡市を結ぶ「宮豊線」と、福知山市と宮津市を結ぶ「宮福線」がある。
見どころ:宮舞線「由良川橋梁」
京都がインバウンド注目されていますが、観光客が足を運ぶのが中心地ばかり。京都の北側を走るのが京都丹後鉄道です。海も綺麗で、由良川橋梁という橋は水面も近くて非常に絵になります。京都から丹後までは「丹後の海」という特急が走っていますが、こちらは鉄道車両デザインでおなじみの水戸岡鋭治さんによるもの。他にも「くろまつ」「あかまつ」など観光列車も充実しています。
個人的にはかつてJR東海の特急『ひだ』『南紀』で活躍した、特急型気動車キハ85系を改良したKTR8500形がおすすめ。まだまだ現役で走っているのを見るとうれしくなります。「辛皮駅」は秘境駅としても有名で、観光地もあればマニアックな駅もあって、夏らしさを満喫できる鉄道だと思います。
2:【予土線】
JR四国の愛媛県南西部と高知県西部を結ぶ唯一の鉄道路線。
見どころ:「四万十川の美しさ」
夏らしい景色の一つが、四国の清流・四万十川です。夏はとにかく暑いのですが、トロッコ列車も走っていて、四万十川がめちゃくちゃ綺麗に見えます。みているだけでも涼しい気持ちになりますが、夏らしさを肌で感じていただきたい。
また、この路線は「ホビートレイン」と呼ばれるおもちゃの新幹線ような見た目の車両も走っていて、子供達だけでなく大人からも人気です。夏休みは川遊びとともに列車旅がおすすめです。
3:【秩父鉄道】
秩父本線は埼玉県の羽生駅と三峰口駅を結ぶ71.7kmの路線。都心からのアクセスもいい。
見どころ:「三峰口の転車台」
都心から手軽に鉄道旅を楽しむなら、秩父鉄道はいかがでしょう。秩父まで池袋から西武線で行くのもいいし、熊谷まで新幹線で行くもよし。都心からも小一時間で行けますので、日帰りもいいけど1泊旅行にもピッタリです。この路線にはSLが走っているんですが、SLは方向転換する必要があります。三峰口駅には転車台があって、それが間近で見れて大迫力なんです。
三峰口から歩くと三峰神社というパワースポットもありますし、長瀞では川遊びや川下りもできます。この路線には昔東急電鉄で走っていた車両などが、今も現役で走っています。第二の人生をのんびり過ごす車両を見て、懐かしい気持ちになれるのもいいですね。
4:【根室本線(花咲線)】
釧路駅と根室駅を結ぶJR北海道の路線。根室本線の富良野駅ー新得駅区間は2024年に廃止された。
見どころ:「壮大な景色と厚岸の牡蠣めし」
北海道の真ん中を走る根室本線。釧路駅から根室駅までを花咲線と呼びます。ここを走る列車に乗っていると、広大な北海道の大地をまさに堪能できます。そして、線路の近くから動物をみることもできます。広々とした湿原はまさに北海道そのもの。厚岸駅周辺では雄大な厚岸湾を望むことができます。
そして厚岸駅といえば名物の駅弁「かきめし」。最近では東京でも手軽に食べられるようになりましたが、本場で食べる味は格別。ふっくらとした大きめの牡蠣をあまからく煮付け、それが大量のご飯の上に乗っていて、酒のアテにもなります。ちなみに、根室駅は日本最東端の駅。2025年3月に東根室駅が廃止されたことで、根室駅がその座に輝きました。ここを訪れるだけでも十分ネタになると思います。
5:【島原鉄道】
長崎県の諫早駅から島原港駅までを結ぶ43.2キロの路線。ご当地グルメをたのしめるカフェトレインも運行中。
見どころ:「海が目の前にある大三東駅」
コアな鉄道ファンにとって九州といえば島原鉄道。その中でももっとも有名なのが大三東駅です。インスタなどで見かける「フォトジェニックな駅」に必ず入ってくる人気スポットです。ここの魅力はロケーションにつきます。潮が満ちてくるとどんどん駅に近くなって本当に海に浮かんでいるみたい。
また駅には黄色いハンカチがバーとたなびいていて、黄色の車両が海と空の青に映えるんです。一度は行ってみたい駅だと思いますので、ぜひ足を運んでみてください。
■吉川正洋(よしかわ・まさひろ)
お笑いコンビ「ダーリンハニー」のボケ担当。芸能界の鉄道BIG4の一人として知られ、テレビ出演多数。
■『妄想鉄道ガイドブック』 カンゼン 1980円(税込)
取材・文・撮影/キンマサタカ
記事提供元:週プレNEWS
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