日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが映画『F1®/エフワン』をレビュー!
評点:★3.5点(5点満点)
© 2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.
堂々たる「スター映画」である。「スター映画」を通り越して「アイドル映画」と言ってもいいような気もするが、還暦を過ぎた大スターを前に「アイドル映画」というのもはばかられるので「スター映画」で良い。
とにかく、主演のブラッド・ピットのスター力の高さが尋常でなく、それを最大限に活かした映画なので、ブラッド・ピットが振り向いた! ブラッド・ピットが困った! ブラッド・ピットが笑った!というあれこれが、全てスペクタクル的な見せ場として機能してしまうのだ。
物語はだいたい『トップガン マーヴェリック』と同じだが、舞台が軍隊でなくF1レースの世界なので、さらに肩の力を抜いて楽しむことができる。
特筆すべきは表現を徹底的に、そして意図的に表面的なレベルにとどめているところで、刹那的な興奮や瞬間的な感動「だけ」で映画がドライブしていくさまには一種の感動さえ覚えてしまった。
それはカーレースの持つ、根源的で、やっぱり瞬間的なエキサイトメントをスクリーンにうまく落とし込めているということでもある。うわーうわーとビックリしている間に映画が終わったあとにはブラッド・ピットの笑顔だけが記憶に残る、そんな作品だ。
STORY:かつてカリスマF1ドライバーだったソニーは、昔のチームメイト・ルーベンの誘いを受け、最下位のF1チームで現役復帰を果たす。ソニーは常識破りなドライビングで周囲を困惑させるが、次第にチームを上位へと導いていく
監督:ダン・バーク&ロバート・オルセン
出演:ジャック・クエイド、アンバー・ミッドサンダー、レイ・ニコルソンほか
上映時間:110分
全国公開中
記事提供元:週プレNEWS
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。