強風もお構いなし「圧倒的に勝ちたい」 河本結がホロ苦メジャーで得た“心の余裕”
<アース・モンダミンカップ 初日◇26日◇カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県)◇6688ヤード・パー72>
最大瞬間風速17.6メートル(観測地点・木更津)が記録されたのは午後3時26分。もちろん、これが吹き続けていたわけではないが、比較的、風が穏やかだった午前組と時間を追うごとに風が強くなった午後組の明暗はくっきり分かれた。トップ10には午前組がズラリ。午後組でトップ10発進を決めたのは3アンダー・6位タイの柏原明日架ともう一人…、なんと単独首位の河本結だ。8バーディ・2ボギーの「66」をマークし、今季の平均ストローク1位がその力を見せつけた。
「先週に比べれば全然だなって、そういう気持ちでプレーできたのが大きかったと思います」。その先週は強風が吹き荒れた「KPMG全米女子プロ選手権」で予選落ち。この日の風を“全然”なんて思ってプレーしていたのは恐らく河本だけ。メジャーで苦しんだ経験が心に余裕を持たせた。
風に加えてメジャーコースにも手を焼いた。「フェアウェイに尾根があって、私ぐらいの飛距離だと傾斜に当たって飛ばないし、グリーンは硬くて止まらない。フェアウェイは軟らかいので手前から行くと止まっちゃう」。ナイスショットが結果に結びつかない2日間だったが、ショットは好調だった。その調子を維持するためにも、普段と違うことをしようとするのではなく、いつも通りのナイスショットを打ち続けてきた。
予選落ちした後は「アースのために」と即帰国を選択。「フライトの変更はめっちゃかかりました。金額? (航空券代が)倍になったぐらいです」。今大会は国内最大の賞金総額3億円(優勝5400万円)。ここで上位に食い込めば、余計にかかった経費はすぐに取り返せる。
最終ホールとなった9番パー3は3パットのボギー。さぞ悔やんでいるかと思いきや「ダブルボギーだけは消そうと思って、それがクリアできたらOKかなと思います。(バーディパットは)5メートルぐらいスライスするラインだったんで」。ここでも心の余裕を感じさせた。
とはいえ、メジャーで味わった悔しさは初日の好スタートぐらいでは消えてくれない。「先週は歯が立たなかったけど、実力はあるんだぞと自分に言い聞かせるためにも、目標は20アンダー。圧倒的に勝ちたいです」。初日に見せた圧倒的なゴルフを最後まで貫き通す。 (文・田中宏治)
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