新たな飛ばし屋が登場 320y超えの22歳・内山遥人が狙う“日本一飛ぶ男”
<JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品 初日◇26日◇西那須野カントリー倶楽部(栃木県)◇6956ヤード・パー71>
昨季国内下部ツアーの賞金ランキング15位の資格などでツアーに出場している22歳の内山遥人が、初出場となった今大会の初日にボギーなしの5バーディを奪い「66」をマーク。降雨の影響でサスペンデッドになったため順位は暫定だが、5アンダー・9位タイにつけた。
一番の要因は「パターのフィーリングがすごく良くて、2回ぐらいピンチもあったけど、それもしっかり決めることができて伸ばせた」というグリーン上。28回でまとめた。さらに「打ったところに飛んでくれた」とパーオン率も83.333%。グリーンを外したのはわずか3回と安定感のあるゴルフだった。
昨年は、同じ福岡県出身の長野泰雅のキャディとしてこの大会に“出場”。当時の下部ツアー賞金ランキングで「もう少し頑張れば(出場権)を取れる」位置にいたこともあり、「来年の勉強にもなると思って」と選手を支えた。「ティショットの打ち方などは、去年の泰雅の打ち方を見ていたので、イメージも少し残ってやっています」。その時に得た情報も生かし、技術面だけではなくコース戦略も事前から準備はバッチリだ。
内山は男子ゴルフ界では珍しい研修生上がりで、プロ転向したのは2022年。今回でレギュラーツアーは9試合目で、初シード獲得を狙う若手のひとりだ。この日はツアー通算21勝を誇る池田勇太と初の同組プレー。「僕がジュニア時代にずっとレギュラーで優勝していて、永久シードにも近い方なので、すごい存在感がありました。まさか一緒に回れるとは。ジュニア時代には思ってもいなかったので、うれしいです」。そう敬意を込めるトッププレーヤーの前で、堂々たるプレーを見せた。
強みは、なんといっても“飛距離”。現在、ドライビングディスタンスで1位に立っている。今季ここまでで11ラウンドをプレーし、平均飛距離は324.23ヤードを記録。ここまで3季連続で1位を記録している河本力にも4.66ヤードの差をつけている。日頃からここへの意識は強く、「可能ならばトップになりたいと思っている」と“日本一飛ぶ男”への欲求は止まらない。
そのためにも、いま持っているパワーを、さらに上げていきたい。オフはケガの影響もあり思うように練習ができず体重が増えた。ただこれが「練習ができなかったのに、初速が速くなっていた」という、思わぬ結果につながった。まさにケガの功名だ。「体重もボールに伝える力に影響すると思うので、連戦が続いても体重は落とさないように」。思わぬ発見を生かしつつも、フィジカル面には気をつかっていく。
今年は非シード選手のため、リランキング対象でもある。現在は38位。9月に実施される第1回リランキングに向けて成績を積み上げたいところ。「開幕戦の時も初日がよくて上位からのスタートだった。そのときも2日目は割と普通に自分のゴルフができたと思うので、まだ大丈夫。3日目、4日目になったら違うかもしれないけど…その時は頑張ります」。次世代のパワーヒッターが今週どこまで存在感を示すのか。豪打と併せて注目していきたい。(文・高木彩音)
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