みんなの人気者、‟アリナミン“こと林亜莉奈がイップスを乗り越え初優勝 「母に誕生日プレゼント買える」
<マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー第6戦 Sky Look up Ladies Cup 最終日◇20日◇涼仙ゴルフ倶楽部(三重県)◇6501ヤード・パー72>
林亜莉奈がトータル9アンダーでうれしい初優勝を挙げた。「母に誕生日プレゼント買える」。今大会初日は母親の誕生日、さらに解説席にはコーチを務める石井忍氏。年間スケジュールが発表された時から「勝つならここだ」と密かに思い描いていた舞台だった。
4アンダー・2位で迎えた最終日は、トップに立っていた久世夏乃香を追いかける展開。11番パー5のバーディで首位タイに並ぶと、流れが変わった。粘り強さと攻めのプレーで最後まで自分のゴルフを貫き、5バーディ・ボギーなしで逆転。最終18番ホールでパーパットを決めると、グリーン脇で見ていた選手ら10人に囲まれ、ウォーターシャワーを浴びた。
勝利を決定づけたのは、17番パー4でのチップインバーディだった。久世とトータル8アンダーと並んで迎えたティイングエリアでは「このホール気持ち悪いよね」と話していた。先に打った林のボールは左ラフへ。木の裏から難しいセカンドを強いられ、「5番アイアンで木の下を通すか、グリーンに届かないけど上からいくかを迷った」が、上からグリーン手前まで運ぶことを選択。「あの時の自分、よくジャッジしたな」とそこから58度で打った3打目はカップへと吸い込まれた。
4年前、林はアプローチイップスに陥り、20ヤードの距離も空振りしていた。一時は左打ちも検討するくらい追い詰められた時期があった。そこから変わったのはマイネクツアーで解説をつとめる石井忍コーチとの出会いだった。2023年8月に行われたマイネク第8戦の表彰式終わりにレッスンをしてほしいと自ら声をかけたのが始まり。「最初の体験レッスンの時に自分の直したいポイントと、忍さんの説明がわかりやすくて、腑に落ちた。あまり人に話しかけにいけないタイプなんですけど、あの時声をかけてよかった。自分のゴルフが1歩進むのに大きかった」とコーチへの思いを語った。
「泣かせたかったんですけど、ちょっとまだでしたね」。2日間競技でのツアー最高スコアとなるトータル10アンダーを記録できなかったことに悔しさものぞかせたが、7月末に受験するプロテストへ向けて大きな自信となった。逆境を乗り越えて掴んだ1勝に林の強さとコーチとの深い絆がにじむ。(文・小池文子)
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。