2軍の強さはチームの明るい材料【山本萩子の6-4-3を待ちわびて】第171回
2軍と1軍の関係について語った山本キャスター
我がヤクルトが、まさに泥沼状態です。
6月18日現在、1軍は5位の中日と9.5ゲーム差の最下位。2軍もイースタン・リーグで12連敗を喫するなど、元独立リーグのオイシックスを下回る最下位となっています。昨年からイースタン・リーグに参戦したオイシックスには、元日本ハムの陽岱鋼選手、元ヤクルトの中山翔太選手、元阪神の髙山俊選手らがいるとはいえ、これは由々しき事態。今後の奮起に期待したいです。
ヤクルトと同様、昨季は成績が振るわなかったのに、今季に調子を上げているのがパ・リーグの西武です。4月までは最下位周辺をうろうろしていましたが、5月に入ってからは首位を狙える位置につけています。
昨年の西武は、1チームでリーグ全体の借金を背負っているような状態だったのに......なぜ、こんなにも調子を上げたのか、考えてみました。
私が注目したのはファームとの関係性です。2軍が強ければ、1軍の戦力も上がることは間違いないと思っています。時には2軍の勝率が1軍を上回ることもあります。それは、1軍の調子は悪くても、2軍で着々と選手が育っていることを意味しているのではないでしょうか。
たとえば西武の2024年度の勝率は、1軍が.350で2軍が.551。2023年度は1軍が.458、2軍が.592と逆転現象が起きています。ちなみに 2022年度の勝率は1軍が上回っていますから(1軍が.547、2軍が.448)、2023年から勢いのある若手が2軍で実力を発揮し始めたということでしょう。
今季、西武のリードオフマンとして大活躍している西川愛也選手は、2023年の1軍の試合には41試合にしか出場していません。その分、ファームで研鑽していたということですね。
すっかり暑くなってしまいましたね......。汗をたくさんかくので、最近は前髪を伸ばしています。
西川選手は2017年にドラフト2位で、花咲徳栄高校から西武に入団。鳴物入りで入団しものの、その後は思ったような結果を出せませんでした。そんな西川選手が飛躍のきっかけをつかんだのが、2023年シーズンだったのではないかと。同年にプロ初本塁打を放ち、翌年は1軍で104試合に出場していますしね。
そんな西川選手の成長もあって、2023年の西武の2軍は1軍を上回る勝率を残したんでしょう。なお、当時の2軍監督は、現在1軍で指揮を執る西口文也監督。ファームで育てた当時の若手を、1軍で起用して結果を残しています。
別のチームでは、ロッテの4番で起用されるようになった山本大斗選手が、2022年にファームで頭角を現しました。6月2日から1軍のヘッドコーチを務めるサブローさんが、2軍監督時代から目をかけていた選手で、6月15日のヤクルト戦では2本塁打を放ちました。ロッテは現在、パ・リーグで最下位ですが、山本選手とともに上位へと昇っていけるでしょうか。
ちなみに、今年のウエスタン・リーグで絶好調なのが中日です。1軍は2023年から、ヤクルトと一緒に下位に沈んでいますが、現在2軍で結果を出している選手たちが、2年後くらいから1軍でも活躍し始めるのではないかと予想しています。
その点、ヤクルトの復調はまだまだ時間がかかりそうですね......。2軍で花開き、1軍で躍動する選手がたくさん出てくることを期待しています。
それでは、また来週。
構成/キンマサタカ 撮影/栗山秀作
記事提供元:週プレNEWS
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