改めて得た“挑戦する気持ち” 「年に一度あるかないか」の涙を乗り越え…3連戦ラストへ【谷田侑里香“最高峰への道”】
高校1年間と大学4年間を米国で過ごした谷田侑里香(たにだ・ゆりか)は、米女子下部にあたるエプソン・ツアーを主戦場とするプロゴルファーだ。昨シーズンは下部ポイントランキング52位でシードを獲得した。目指すは、長年夢見てきたLPGAツアー参戦。その姿を追う。
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みなさん、こんにちは! 現在私は、大学時代(ミシガン州立大)を過ごしたミシガン州にいます。いまは、昨年ぶりに再会したホストファミリーのお家で過ごしています。いつもは一人での移動や滞在が多いので、こうしてみなさんといると、安心感がありますし、なによりも楽しく過ごせていて、再会できたことが本当にうれしいです。
先週のグレート・レイク選手権では、残念ながら予選落ちとなってしまいました。初日は一日中雨が降り続き、気温も低い中でのラウンド。コースは6647ヤード(パー72)と長めで、戦略性の高いセッティングでした。ティマークが前にあるホールもありましたが、ショットの調子が上がらず、思うようにスコアを伸ばせませんでした。
一番の課題は、得意としてきたはずのドライバーショットです。これまではパッティングに課題があり、ドライバーには自信があったのですが、この2日間は左右に大きく曲がる場面が多く、どこに飛んでいくか分からないほどでした。リカバリーしようとしてもラフからのショットがグリーンに乗らず、アプローチも寄りきらない…。特に初日は、バーディとボギーが交互に出てしまい、スコアがジェットコースターのような展開になってしまいました。
ただ、これまで課題だったパッティングは今年に入って改善されてきており、試合前にはショットの調子も悪くなかったぶん、余計にもどかしさを感じています。せっかくいい手ごたえをつかんでいた中で、得意のドライバーが不調になるとは…。コントロールが効かず、逆球が出てしまい、スコアを組み立てられませんでした。良くなってきている部分もあるだけに、結果につながらなかった悔しさが残ります。
今週は3連戦のラストとなる試合です。(現地時間)16日に会場入りし、17日は練習と9ホールのラウンドを行いました。ドライバーについては「この方向で合っているかな?」と少しずつ感覚をつかみつつあります。先週はボールが“どこに行くか分からない”状態でしたが、練習では“曲がる方向が一定”になってきました。少しずつですが改善に向かっています。不安要素を減らし、試合までの練習でしっかり修正したいと思います。
実は先週、思うようにいかないゴルフと、一人で戦う孤独感に感情が爆発してしまいました。年に一度あるかないかの出来事ですが、気持ちが崩れて、まるで子どものように「ワーッ」と泣いてしまいました(笑)。でも、母やトレーナーさんに思いの丈をぶつけたことで、心が少し軽くなり、いまは前向きな気持ちで再び挑めています。
一人で戦うというのは、やはり想像以上に心細いものです。それでも、そんな状況だからこそ出会える人がいて、たくさんの方が応援してくれて、サポートしてくださっていることを改めて実感しています。周囲の選手たちの存在も大きくて、それぞれが目標を持って取り組んでいる姿を見ると、「私も頑張らなきゃ」と励まされます。
「つらい、苦しい」と感じているのは、自分だけじゃない。自分で決めたことをやらないといけない。挑戦する気持ちを失わずに続けること。苦しい時期を乗り越えて、諦めずに前に進むことが、アスリートとして一番大切だと思っています。いま、悩みながらも挑戦しているこの時間が、いつか結果につながって、「あの時の経験が、この結果につながった」と思える日が来るように、今はとにかく全力で頑張ります。
現在、私のポイントランキングは89位(6月18日時点)と、来季のLPGAツアー出場には厳しい位置です。残りの試合でトップ5〜10に入らなければいけない状況。今のままではダメで、何かを変えなければと強く感じています。そのため、この試合が終わったら一度日本に帰国し、一週間ほどリセットの時間を取る予定です。気持ちを整えて、またアメリカに戻ってきます。目標を高く掲げ、挑戦する気持ちを忘れずに、みなさんに良い報告ができるよう頑張ります。引き続き、応援をよろしくお願いいたします!
<ゴルフ情報ALBA Net>
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