小学生のころは器械体操でトップを目指した23歳・遠藤夢里が首位発進 女子アマ日本一へ着地は“ピタリ”と決める
<日本女子アマチュアゴルフ選手権 初日◇17日◇名神八日市カントリー倶楽部(滋賀県)◇6462ヤード・パー72>
午前7時20分のスタート直後にスコールのような雨が断続的に30分ほど降った。その後は容赦ない強い日差し。早朝からの蒸し暑さに、不快指数は“体感100%”だったが、ゴルフの満足度も100%。愛知・名古屋市出身の遠藤夢里(ゆめり)が6バーディ・2ボギーの「68」で回り、首位で飛び出した。
「1番は強いかなと思ったけど、ガチャポンで入ってくれました。出だしから2つバーディが取れて、気持ち的に楽でした。目標は2アンダー以上だったので、60台で回れてうれしい」
1番は6メートルを強気のパットで沈め、パーオンを逃した2番は15ヤードのチップインで2連続バーディ。「キャリーで7ヤードくらいでいいかな」とイメージ通りに3打目をカップに沈めて波に乗った。最終18番は5メートルを沈めるバーディフィニッシュ。スタートダッシュを決めた23歳はご機嫌だった。
中部大第一高から日体大に進んだ。2001年度生まれで、同学年には山下美夢有、西郷真央らがいる。ライバルたちの多くは、2019年のトーナメント規約の改定で高3から受験が可能になったプロテストに挑戦して高校生プロとなったが、遠藤は「まだプロになれる実力はない」と進学を選んだ。
10歳でゴルフを始める前は器械体操に熱中した。憧れは五輪金メダリストの内村航平。だが、小5のときに段違い平行棒から落下した際に左ひじを骨折し、恐怖心が徐々に芽生えて、競技を続けることを断念した。そのころに父の勧めで出合ったゴルフに、新たな目標と夢を見つけた。
昨年のプロテストは第2次予選で敗退した。「失敗するたびに足りないものが見つかる。そこを補うことに特化した練習を積んでいます」。5月には「全日本アマチュアゴルファーズ選手権」に優勝するなど、自信を持って臨む今年の女子アマ日本一決定戦。「目標は日本女子オープンの最終予選に出られる10位以内。しっかりコースマネジメントをしていきたい」。いまでもバク転、倒立はお手のもの。満点連発のゴルフで「日本一」のピタリと着地する。(文・臼杵孝志)
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