日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが『MaXXXine マキシーン』をレビュー!
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1970年代、ポルノ映画の現場を舞台にした『X エックス』、1910年代、サイレント映画時代のテキサスで映画スターを夢見る少女を主人公にした『Pearl パール』に続くシリーズ第3作。
タイ・ウェスト監督、ミア・ゴス主演の本シリーズは毎回「銀幕の向こう側」にあるはずの華やかな世界への渇望が軸となっており、本作ではポルノ女優からスターへの転身を願う主人公が、暗黒と退廃の1980年代ハリウッドで血まみれの惨劇に巻き込まれる。
舞台がハリウッドということで、ユニバーサルの映画スタジオに始まり、ビデオショップ、「ナイトストーカー殺人事件」、そしてテレビ伝道師などなど、80年代ロサンゼルスの空気を濃厚に漂わせる作品となった。
宗教的な部分は、当時、全米を「サタニック・パニック」(悪魔崇拝者が組織的に子供を誘拐して拷問・殺害しているという根も葉もない噂に基づく社会パニック)が襲っていたことを反映しており抜かりがない。
そういう確かなセットアップのもと、70年代イタリアン・ホラーに始まり『サイコ』、『ハードコアの夜』など、さまざまな映画のオマージュを散りばめて、シリーズ最終作にふさわしい極彩色の悪夢世界が楽しい。
STORY:マキシーンがテキサスでの凄惨な殺人事件を生き残ってから6年。人気ポルノ女優となった彼女は、新作ホラー映画の主演の座をつかむ。ハリウッドスターの夢を実現させようとした矢先、身の回りで連続殺人事件が起き始める......
監督・脚本:タイ・ウェスト
出演:ミア・ゴス、ケヴィン・ベーコン、ジャンカルロ・エスポジートほか
上映時間:103分
全国公開中
記事提供元:週プレNEWS
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