中3から同じモデルを使用し続けて10数年… 節目の試合で木下彩に“大決断”させた新作シャフト「これ、いいぞ」
<宮里藍 サントリーレディス 事前情報◇11日◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6558ヤード・パー72>
“試しに”練習場で打ってみたエメラルドグリーンのシャフトの振り心地に驚かされた。プロ8年目の木下彩は、ひさしぶりの感触を神戸で味わっている。
プロアマが行われた開幕前日。メンバーに入ってなかった木下は、練習場でシャフトをテストしていた。それが『TOUR AD』と書かれているグラファイトデザインの新作と思われる一本だ。“ひさしぶりの感触”というのには理由がある。
「今のシャフトは、中学3年くらいから使いはじめて、そこから替えてないんです」。現在、使用しているドライバーのシャフトは『TOUR AD BB』。2022年にすでに販売が終了しているモデルだ。現在、木下は26歳。実に11~12年、同じモデルを使用し続けたことになる。「(家に)同じシャフトがめちゃくちゃあるんですよ」。ストックを消費しながら、アマチュア時代、そしてプロ生活を添い遂げてきた、まさに“相棒”といえる。
だが今週、国内でもテストが開始され、海外では松山英樹や竹田麗央が試す姿が見られた新たなシャフトを振り、「これ、いいぞ」と、うなずくことができた。
「チーピンが最近出てたんですけど、振り感がよかった。『ちょっとひっかけたかも』と感覚的に思っても、あれ意外とひっかかってない…って。特に雨の日は滑るけど、雨のなかで試してもよかった(開幕前日まで雨)。あれ意外とよくない?って」。さらに緑色が主体のコスメも気に入った。「カラーもかわいいし。ピンクとかじゃなくてよかった。ピンクだったら恥ずかしい~ってなっちゃうから」。そう言って、いつも通り明るく笑う。
これまでもシャフトが出ればテストはしてきたが、やっぱり選ぶのは『BB』だった。しかし、今回は素直に「替えようかな」と思えたことに、自分でも驚いている。「ここまで替えようと思ったことはなかったですね。ちょっと入れてみたい。入れてみたい気持ちって大事じゃないですか。これでいってみようかな。ヘッドは替えようと思ったらすぐ替えられるのに、シャフトだけは替えられなかった」。10数年ぶりに、新たな扉を開くことになりそうだ。
今週はツアー100試合目という節目。昨年のステップ・アップ・ツアーで賞金ランク2位になり得た前半戦出場権で、現在はシーズンを戦っている。今季はここまで出場12試合で予選落ちが10度と苦しんできたが、2週前の「リゾートトラストレディス」で11位になり、第1回まで残り2試合になったリランキングも52.90ptの31位と“通過圏内”に浮上してきた。
「もうちょっと(ポイントが)欲しい」。第2回リランキングを見越しても、今週のうちに一気に安全圏まで順位をあげたいところ。「ショットはいいし、調子的には上がってる」。9日には日本女子オープンの地区予選(佐賀)もトップで通過。「まだ大丈夫って思えました。(予選落ちした)先週は危ないかなと思ったけど。頑張りたいですね」。節目に気分も一新。“新相棒”とともに、浮上へアクセルを踏み込んでいく。(文・間宮輝憲)
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