トレンドワードは『プロ2年目』 菅楓華は時流に乗って初V&全英へ「いつかは行ってみたい夢の舞台」
<宮里藍 サントリーレディス 事前情報◇11日◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6558ヤード・パー72>
2週前の「リゾートトラストレディス」は稲垣那奈子、前週の「ヨネックスレディス」は高野愛姫(あいひ)と、2023年のプロテストに合格したプロ2年目の96期生が2連勝を飾った。ともにそれまでトップ10入りはなく優勝争いとは無縁で、2試合連続予選落ちからのツアー初優勝。伏兵ともいえる存在だった2人の活躍に、“本命”の菅楓華がこれまで以上に燃えている。
「今年は(同期の)誰かが絶対に勝つと思っていたので、すごく刺激をもらいました」
今季は開幕から2試合連続で2位になるなど、ここまで皆勤の12試合に出場。全体1位となる半分の6試合でトップ10に入っている。96期の21人のなかでは最も優勝に近い存在ながら、一等賞には手が届きそうで届かない。だが、今週は大きな“ニンジン”がやる気スイッチを激しく押している。
優勝か2位、もしくは現在3位のメルセデス・ランキングをキープすれば、「いつかは行ってみたい夢の舞台です」という海外メジャーのひとつ、「AIG女子オープン」(全英、7月31日~8月3日、ウェールズ/ロイヤル・ポースコールGC)の出場権が手に入る。「全米女子オープン」と並んで特別な大会という全英。海外メジャーへの思いをより強くしたのも、この大会だった。
日本はもちろん、世界を驚かせた19年の渋野日向子の全英制覇は、当時宮崎・日章学園中に通っていた14歳の菅にも強烈な衝撃を与えた。「ヤバい! すごい!」。いつかは自分も…と明確に定めた目標。あれから6年、夢をかなえるときがやって来た。
「全英のことはいろいろな人から言われます。ショットは好調なので、今週もピンを狙っていける。チャンスだと思います。まず絶対条件は予選通過。今週は雨予報だけど、しっかり上位で争いたい。サロンパスのときのようにならないように」
3月の開幕時から「10代のうちに勝ちたい」と宣言していた。5月17日が20歳の誕生日で、ラストチャンスだった国内メジャー初戦「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」は今季唯一の予選落ち。気合の空回りを痛感した。“心は熱く、頭は冷静に”を肝に銘じて目指す全英切符。『プロ2年目』の流れに乗って、初優勝で決めるのが頭に描く最高のシナリオだ。
「(優勝は)いつもしたいと思っている。何か一つつかむことができれば、イケそうな気がします」
いざ、全英へ――。神戸から世界への扉をこじ開ける。(文・臼杵孝志)
【AIG女子オープン(全英)への道】
①25年サントリーレディス2位まで
②25年サントリーレディス終了時点のメルセデス・ランキング3位まで
③25年6月30日時点の世界ランキング50位まで
※①と②が重複した場合は①が優先され、②は繰り下がる。出場辞退者が出た場合は繰り下がらない。①、②の該当選手が既に有資格者(申ジエ)の場合は繰り下がる。②でタイが生じた場合は、世界ランキング上位者が優先
■日本選手及び日本ツアーメンバーの有資格者
①歴代優勝者:申ジエ、渋野日向子
②2024年大会10位タイまで:申ジエ、岩井明愛、西郷真央
③24年CMEグローブポイントランキング35位まで:古江彩佳、笹生優花、畑岡奈紗、西郷真央
④25年欧州女子、米女子ツアー優勝者:西郷真央、竹田麗央、岩井千怜
⑤24年メルセデス・ランキング1位:竹田麗央
⑥過去5年間の全米女子オープン優勝者:笹生優花
⑦過去5年間のエビアン選手権優勝者:古江彩佳
⑧過去5年間のシェブロン選手権優勝者:西郷真央
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