宮里優作が苦手の“宍戸”で自身大会ベスト更新 中嶋常幸も驚いた“劇的ショット”とは
<BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 最終日◇8日◇宍戸ヒルズカントリークラブ 西コース(茨城県)◇予選=7397ヤード・パー70、決勝=7430ヤード・パー71>
「苦手コースの1位か2位に入る」。そう語るのは、宮里優作。今大会の舞台、宍戸ヒルズCCで数々の苦い経験を重ねてきたが、最終日に圧巻のプレーを披露。33位タイから、2イーグル・3バーディ・1ボギーの「65」をマーク。トータル3アンダーで14位タイまで浮上した。
「いいと思います。記憶にないぐらいいいスコア。とりあえず、よかったです」と本人も納得の笑顔。2004年から18回出場しており、これまで予選落ち8回、棄権1回で、最高成績は、2006年の6位タイ。これまでのベストスコアは09年の最終日「66」(当時もパー71)で、今回の「65」はその記録を塗り替える形となった。
「年々、コースの難しさを感じるようになってきた。だからこそ初出場で優勝する選手が多いのかも。回れば回るほど難しさが見えてくる」と苦手意識を語る。この大会で初優勝を飾っているのは、過去に10名と他のメジャーに比べても一番多い。
その中で最終日に結果が出た要因は、パッティング。初日から3日目までは平均パット数が『1.9167』『1.8333』『1.9000』と安定せず、スコアもトータル3オーバーと伸び悩んでいた。だが最終日は『1.6429』まで改善され、好スコアに結びついた。
この日のハイライトは、6番パー5でのイーグル。266ヤードの2打目を3番ウッドで放つと、ボールはカップをかすめ、1.5メートルに寄るスーパーショット。「アルバトロスになりかけたらしいです」と笑顔で振り返る。さらに、グリーン奥にはレジェンド・中嶋常幸の姿が。「ちょうど中嶋さんが僕の2打目を見ていて、グリーンの真後ろから一人だけ『うわっ』ってひっくり返っている人がいて…。本当に驚いていたみたいです」と、その“劇的ショット”がどれだけインパクトを残したかがうかがえる。
ただ、完璧なプレーの裏には不安もあった。実は前日から腰の痛みを抱えており、「朝も痛みがあって、プレーできるか不安だった」と明かす。それでもトレーナーの「修復作業のおかげでティグラウンドに立てた」ことを「それが一番うれしかった」と振り返る。「少し腰が痛いぐらいがいいのかも(笑)」と冗談も交えたが、むしろ力みが取れてよい結果に繋がったのかもしれない。
次戦は、6月12日(木)から韓国で開催される「ハナ銀行インビテーショナル」。腰に不安を残しつつも、宮里は笑顔で「いってきます!」と会場をあとにした。(文・高木彩音)
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