巨匠の軌跡と“最後の公演”に迫る「ミシェル・ルグラン 世界を変えた映画音楽家」
2019年1月26日に逝去した、フランスの偉大なジャズ・ミュージシャンにして作曲家であるミシェル・ルグラン。「シェルブールの雨傘」(1964)や「ロシュフォールの恋人たち」(1967)など数々の映画で音楽を手掛けて3度オスカーを獲得し、マイルス・デイヴィス、シャルル・アズナヴール、バーブラ・ストライサンドら大物アーティストと共演したことでも知られる。全セリフを音楽で展開させた画期的な「シェルブールの雨傘」は、「ラ・ラ・ランド」(2016)のモデルとなった。
そんな巨匠の軌跡を辿りつつ、2018年12月にフィルハーモニー・ド・パリで行われた“人生最後の公演”に臨む姿に迫ったドキュメンタリー「ミシェル・ルグラン 世界を変えた映画音楽家」が、9月19日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で順次公開される。ポスタービジュアルが到着した。
作中にはスティング、ナナ・ムスクーリ、クロード・ルルーシュ、ノーマン・ジュイソンなど45名以上の音楽家や映画監督、ならびにルグランの家族が登場。彼らの証言とともに、ルグランの妥協を許さぬ厳格な姿勢、栄光の裏に隠された挫折と苦悩を明かしていく。
そして、ジャック・ドゥミ「シェルブールの雨傘」「ロシュフォールの恋人たち」、ジャン=リュック・ゴダール「女と男のいる舗道」(1962)、アニエス・ヴァルダ「5時から7時までのクレオ」(1962)、ノーマン・ジュイソン「華麗なる賭け」(1968)、クロード・ルルーシュ「レ・ミゼラブル」(1995)、バーブラ・ストライサンド「愛のイエントル」(1983)など、ルグランが携わった30以上の作品の名シーンが登場。さらに若きルグランの映像や音声も盛り込まれる。
日本映画「ベルサイユのばら」(1979)や「火の鳥」(1978/メインテーマのみ)も手掛け、死の直前まで日本でのブルーノート公演に情熱を燃やすなど、親日家としても知られたルグラン。その生きざまをスクリーンで追いかけたい。
「ミシェル・ルグラン 世界を変えた映画音楽家」
監督・脚本:デヴィッド・ヘルツォーク・デシテス
脚本:ウィリー・デュハフオーグ
製作:マルティーヌ・ド・クレルモン・トネール、ティエリー・ド・クレルモン・トネール、デヴィッド・ヘルツォーク・デシテス
編集:マルゴッド・イシェール、ヴァンサン・モルヴァン、デヴィッド・ヘルツォーク・デシテス
撮影:ニコラス・ボーシャン、リヤド・カイラット、スタン・オリンガー
音響:テオドール・セラルド
音楽:デヴィッド・ヘルツォーク・デシテス、ミシェル・ルグラン
出演:ミシェル・ルグラン、アニエス・ヴァルダ、ジャック・ドゥミ、カトリーヌ・ドヌーヴ、バンジャマン・ルグラン、クロード・ルルーシュ、バーブラ・ストライサンド、クインシー・ジョーンズ、ナナ・ムスクーリ
2024年/109分/フランス/カラー/5.1ch/1.85:1
原題:IL ÉTAIT UNE FOIS MICHEL LEGRAND 日本語字幕:大塚美左恵
後援:在日フランス大使館、アンスティチュ・フランセ 配給:アンプラグド
©-MACT PRODUCTIONS-LE SOUS-MARIN PRODUCTIONS-INA-PANTHEON FILM-2024
公式サイト:unpfilm.com/legrand
記事提供元:キネマ旬報WEB
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