マジでブチギレる“6秒前”が大事! ゴルフのイライラは、魔法の言葉「なんとかなるさ」で鎮めよう
怒りは大切なものを守れなかったときに起きる感情だと、アンガーマネジメントの第一人者である安藤俊介氏はいう。例えばゴルフだと、自分がイメージするショット、理想のボールが打てなかったときに怒りが湧く。そして、こうした“怒り”を抑制できないと、スコアを乱したり、同伴者からの印象も悪くなるなど、悪影響しか生まれない。では、どうやって怒りをコントロールするべきなのだろうか。その方法を聞いた。
ミスショットに怒ってしまったときは、過去を忘れるのがベストです。過去に触れると、かえって怒りが大きくなってしまうからです。
たとえ10秒前であっても、打ち終わったショットは過去の出来事。成功しても失敗しても、すでに起きた事実を変えることはできません。ところが落ち着いて振り返っていると、そこを混同してしまいがちです。「ああすればよかった」「こうすることもできたはず」などと考えて、悔やまれ、怒りがぶり返します。自暴自棄になってミスが続く負の連鎖に陥り、大叩きへまっしぐらです。
怒りにとらわれない最良の方法は、「今この場のことだけ考える」ようにすること。いま目の前にあるボールをどこへどう打っていくかに意識を向けることが重要です。
ゴルフでは、ひとつのミスが引き金となり怒りの感情が一瞬で高まることがあります。その怒りの感情に反応するのをワンテンポ遅らせ、怒鳴ったりクラブを投げたりする行動を先送りするために有効なアンガーマネジメントが、 “ディレイテクニック”という技法です。
音楽を再生するオーディオの機能にもありますが、「ディレイ」は遅延を意味します。さまざまな研究によると、怒りの感情が強い言葉や乱暴な行動になるには約6秒かかります。それを遅らせ、時間かせぎをすると落ち着いて、振り上げたクラブを投げずに踏みとどまることができるのです。
今回ご紹介するディレイテクニックは4つあり、それぞれの目的は①反応を確実に遅らせる ②冷静になる ③怒りの感情から離れる ④思考を停止させる、です。具体的なやり方を説明しますのでご活用ください。
また、怒りの言動を踏みとどまるには、普段の生活からアンガーマネジメントを意識することが大切です。その一歩として、ご自身が使っている理想の言葉「〜べき」に注目し、緩めてみることをオススメします。
例えば、「レジの列には順番どおり並ぶべき」と思うアナタの前に外国人が割り込んできたら? 怒って注意すると、喧嘩になることがあるかもしれません。しかし、普段からこの“べき”を緩めておくと最後尾を指差す、無視する、自分が隣の列に移るなど、自分の行動が変わってイライラしなくなるでしょう。
怒りの感情をゼロにはできなくても、怒らないようにすることはできます。自分のゴルフと向き合い、心の動きをよく観察し、怒りと上手く付き合いプレーを楽しんでください。
【LEVEL1】
3飛びの引き算をする(カウントバック)
100、97、94、91……というふうに、100から3ずつ引く暗算をして数字を声に出して言っていこう。6秒だけ意識を切り替え、怒りの反応を遅らせることができる。
【LEVEL2】
落ち着くフレーズを言う(コーピングマントラ)
ワンテンポ置いて心の中で決まり文句をひとつ言い、冷静さを取り戻す。「あそこならなんとかとかなる」「バンカーでもまあいいか」など。
【LEVEL3】
意識を他へ向ける
指先を見つめ「ツメが伸びている」「ささくれが治った」など感じたことをひとつ言おう。意味を求めず、関係ないことに意識をそらすのが目的だ。
【LEVEL4】
頭の中を真っ白にする(ストップシンキング)
怒りの反応を遅らせるのに必要な6秒間だけ、頭の中を無の状態にする。最初は心の中で「イーチ、ニー、サーン」と数えたりするのもいい。
【解説】
安藤俊介
(一般社団法人日本アンガーマネジメント協会ファウンダー/新潟産業大学客員教授)
アンガーマネジメントの理論、技術をアメリカから導入した日本の第一人者。教育現場から企業まで幅広く講演、企業研修、セミナー、コーチングなどを行っている。『アンガーマネジメント入門』( 朝日新聞出版)、『アンガーマネジメントを始めよう』( 大和書房)など著書は累計約50冊にのぼる。1971年生まれ、群馬県出身。ゴルフは約3年前に再開し、JGAハンディキャップ7.6の腕前。
◇ ◇ ◇
1位~10位にランクインしたのは?→関連記事【ゴルフを教わりたい女子プロランキング! 吉田優利に小祝さくら……アマチュアの理想の先生は誰だ?】をチェック!
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。