日本ダービーはあの「ダークホース」が波乱を起こす!? 馬券名人が大予想!
予想絶好調のフリーアナウンサー・栗林さみさん(左)と、回収率は大幅プラスのキャスター・守永真彩さん(右)
世代のトップホースを決める世紀の一戦、日本ダービー。一生に一度の晴れ舞台であり、全ホースマンの憧れでもある。そんな難解なレースを、ふたりの馬券名人が大予想! ※予想は本誌23号、締め切り時点のものです
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■92回目のダービーを制する馬は!?春の天皇賞では、印をつけた5頭の馬が1~5着を独占するパーフェクト予想を達成! 3連単2万馬券をゲットするなど、最近は予想が神がかっているフリーアナの栗林さみさん!
この春は驚異的な馬券回収率を誇り、特に地方競馬ではほぼ毎回300%を超える回収率で馬券を的中させているキャスターの守永真彩(まあや)さん!
そんなふたりが、難解な一戦を大予想! まずはレースのポイントから。
守永 私は2013年の日本ダービーから本格的に競馬を始めたんです。その頃は、仕事で毎週、茨城の美浦(みほ)トレセンに通っていたんですが、日本ダービーの週だけ空気が変わるんですよ。緊張感が漂うというか。それを見たときに、すべてのホースマンにとって日本ダービーは特別なレースなんだなって思ったんです。
栗林 その世代のナンバーワンを決める、一生に一度のレースですからね。どの馬もここを最大の目標にして仕上げてくるわけですが、それだけに持っている能力だけではなく、気性的な部分の成長度も大事かなと思います。
守永 今年の傾向と対策ですが、全3歳馬7950頭の中で絶対的存在だったクロワデュノールが、皐月(さつき)賞でまさかの2着。このレースをどう見るかが、日本ダービーを解き明かすカギになるでしょう。
栗林 それから今年は確実な逃げ馬が不在なので、スローペースになるのか、ハイペースになるのか、レースの展開を読むのが非常に難しい。当然、荒れる可能性も十分にあるので、馬券的にはとても面白そうですよ。
――では、本題の予想へ!
栗林 本命はマスカレードボールです。この馬は東京と新潟という左回りコースで3戦3勝。前走の皐月賞は3着に敗れたとはいえ、最後はものすごい脚で突っ込んできました。実績的にも脚質的にも、ダービーの舞台は間違いなく合いそうだなって。
守永 実は私の本命もマスカレードボールなんです。
ふたりの本命馬であるマスカレードボール
――なんと!
守永 皐月賞で一番強い競馬をしたのはこの馬だと思うんです。レース前半では、内からも外からも挟まれる大きな不利を受けて、後方からの競馬に。直線でも前がなかなか開かない中で、上がり33秒9という驚異的な末脚を発揮しました。まさしく「負けて強し」の内容で、これが得意な東京コースに変わるわけですから絶好の狙い目!
栗林 しかも、この馬には、祖父キングカメハメハ、父ドゥラメンテに続く、JRA史上初の"親子3代ダービー制覇"の偉業がかかっているんです。共同通信杯→皐月賞→ダービーというステップがお父さんと同じなのも好材料。さらに、国内外で大活躍中の若手の星、坂井瑠星(りゅうせい)騎手が鞍上(あんじょう)というところにも期待しています。
守永 広くて直線の長い東京競馬場が得意で、距離も延びて良さそうな馬ですが、1番人気にはならないと思うので、馬券的な妙味からもここは積極的に狙いたいですね。
栗林さんの対抗馬のクロワデュノール。断然1番人気に推された前走の皐月賞は2着に。巻き返しに期待したい!
――続いて、栗林さんの対抗がクロワデュノール。
栗林 単勝1.5倍の断トツ1番人気に推された皐月賞は、厳しいマークを受けて、それでも2着を確保したのは地力のある証拠です。道中がスムーズだったら、勝てた可能性もあるんじゃないかなって。
守永 前走は2着とはいえ、勝ち馬とは0.3秒差ですし、そこまで悲観する内容ではないと思っています。やはり去年のホープフルS(ステークス)で、後に重賞を勝つ有力馬たちをまとめて負かしているのは高評価です。ただし、引き続き今回も人気になりそうなので、印は▲にしました。
栗林 この馬のお父さんはキタサンブラックで、年度代表馬にもなった名馬ですが、日本ダービーでは勝ったドゥラメンテの14着という結果に。父親の雪辱を果たしてほしいという思いもありますし、それに応えられるだけの能力がある馬だと思っています。
守永 私の対抗はファンダムです。王道路線の皐月賞組とは別路線から来た馬で、デビューから無傷の3連勝中。特に、前走の毎日杯が強かった! 上がり3ハロンが32.5秒って、とんでもない末脚だなって。戦う相手は一気に強くなりますが、この異次元の末脚は大きな魅力です。あとは、いぶし銀の北村宏司(ひろし)騎手が、久々にGⅠを勝つところも見てみたいという思いもあります。
栗林 うんうん。
守永さんが対抗に推すファンダム(左)。目下、無傷の3連勝中で、有力馬たちとは別路線から日本ダービーの大舞台に挑む!
守永 左回りが初めてというのは少し懸念していますが、あの脚を使える馬なら広くて直線の長い東京コースは絶対に合うはず! まだ底を見せてない未知の魅力もありますし、王道路線を歩んできた馬たちにどう挑むのか。とても楽しみですね。
栗林 無印でしたが、今の話を聞いていたらちょっと気になってきました(笑)。私の▲はミュージアムマイル。クラシック第1弾の皐月賞は、完勝とも言える内容でした。今年の3歳馬で唯一"三冠"への挑戦権を持っていますし、実力上位なのは揺るぎないところ。ただ、これから梅雨を迎えるにあたって、雨で重馬場になったときに少し不安があります。1番人気で4着に負けた弥生賞は、馬場が「やや重」でしたからね。
守永 まだ伸びそうな勢いで差してきた前走を見る限り、距離が400m長くなることはプラスでしょう。東京は初めてですが、コース適性はありそう。あっさり三冠馬になっても、なんら不思議ではない素質の高さを感じています。
――それでは、とっておきのダークホースを教えてください。
守永 私はショウヘイです。今回は確固たる逃げ馬は不在ですが、好位で競馬ができるこの馬が逃げる可能性もありそうだなって。その上、ショウヘイは切れる脚も持っているので、自分のペースで前に行くことができれば、この馬を捕まえるのはなかなか難しいと思います。
9番人気の伏兵、ダノンデサイルが勝った2024年の日本ダービー
――前走の京都新聞杯で、目の覚めるような強い勝ち方をしたのも好印象ですね。
守永 ダービーは世相馬券も話題になりますが、単独でホームラン数トップ(21日現在)の大谷翔平選手の後押しもありそう(笑)。それから今回の鞍上は、春のGⅠの常連さんであるルメール騎手。今回のような上位人気にならないルメール騎手はめったにないし、馬券的には逆に買いたくなります。
栗林 私の特注馬はサトノシャイニングです。前走の皐月賞は、勝ち馬を除けば差のない5着。十分巻き返せますし、何より手綱を握るのが、ダービー6勝の武豊騎手というのが心強い。さらに、祖父はディープインパクト、父はキズナで、この馬も勝てば史上初の親子3代制覇になるんですよ。しかも、この3頭とも鞍上が武豊騎手なんです。
守永 あっ、確かに!
栗林 日本ダービーを親子3代で制する馬は、いつか出るだろうと思います。でも、すべて同じジョッキーで親子3代制覇というのは前代未聞、空前絶後の記録になるはずです。これまでたくさんの奇跡を起こして、数々の金字塔を打ち立ててきた名手が、今回も何かやってくれそうな予感がします!
――予想が出そろったところで、推奨馬券を!
栗林 まずは◎マスカレードボールの単勝をしっかり! そして、馬券の軸としては本命馬よりも対抗馬のほうが堅そうなので、クロワデュノールから印をつけた3頭へ流す3連複(全3点)で勝負!
守永 私は、1列目が◎マスカレードボール、2列目が〇ファンダムと▲クロワデュノールから、印をつけた馬に流す3連複(全5点)です。そして、◎から〇と▲に流すワイド(全2点)で勝負!
――ワクワクしてきました!
守永 ともあれ、私はキズナが勝った日本ダービーを見て競馬にのめり込みました。ひとりでも多くの人に、この熱気をリアルタイムで味わってほしいですね。
栗林 どんな競技であっても、一番盛り上がる一戦を知ることはとても大事なことだと思います。ぜひ一緒に楽しみましょう!
――今年の日本ダービーには、どんなドラマが待ち受けているのか。世紀の一戦は6月1日だっ!
●栗林さみ Sami KURIBAYASHI
元テレビ新潟のアナウンサーで、現在はフリーに。『中央競馬全レース中継・土曜午前』(グリーンチャンネル)、東京シティ競馬公式チャンネル『ウマきゅん』(YouTube)にレギュラー出演中! 『日刊ゲンダイ』の土曜発売号に予想コラムを連載中!
●守永真彩 Maaya MORINAGA
『日曜レース展望KEIBAコンシェルジュ』(グリーンチャンネル・土曜日19時30分~)にアシスタント秘書としてレギュラー出演中! 『アプリ デイリー馬サブロー』では予想コラムを連載。「楽天競馬」のイメージキャラクター。母親は女優の白石まるみさん
取材・文/浜野きよぞう 撮影/内山一也 写真/JRA(競走馬)
記事提供元:週プレNEWS
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