走った! 間に合った! スタートホールを間違えた吉田鈴が全力疾走「焦りました」
<リゾートトラスト レディス 3日目◇31日◇グランディ鳴門ゴルフクラブ36(徳島県)◇6585ヤード・パー72>
スタート前のうっかりミスも笑い話で済んだ。吉田鈴は2バーディ・3ボギーの「73」で回り、トータル1アンダーで貯金は死守。順位は32位から21位に上がった。最大瞬間風速15.9m/sの強風が吹くなか踏ん張り、安どの笑みを浮かべた。
「間違えてしまって…。焦りました」
午前8時40分に1番ホールからスタートする第1組だった。だが、ティオフ4分前に10番のティイングエリアにやって来た。目に入ったのはインスタートの選手たち。その瞬間、思わず言葉が出た。「ここじゃない」。慌てて1番ホールに向かってダッシュ。普通に歩くと2分以上かかるところを1分ほどでたどり着き、ティオフ時間には間に合った。
「すごく焦りました。全力で走りましたよ。打つ順番が最初じゃなかったのもよかった。打つときには呼吸も整っていました」
初めて回る不慣れコースゆえの勘違いだった。スタート時間に間に合わなければ2罰打、5分以上の遅刻なら失格だが、ティオフ3分前には到着して事なきを得た。名前は組最後の3番目にコールされ、左からの風に流されたティショットは右ラフに入ってボギー発進。それでも、「遅刻はしていないので、普通にプレーできた」と、いつもの淡々としたプレースタイルをすぐに取り戻した。
QTランク36位の資格で、3月の開幕戦から全試合に出場している。予選落ちした2週前の「Sky RKBレディス」直後の19日には38.6度の高熱などに苦しんだが、体調不良を押して出場した前週の「ブリヂストンレディス」は初のトップ10となる9位に入った。
初めてのツアー生活は勉強の日々だ。「頭も体もたくさん使うので、すごく疲れる。しっかり睡眠をとることが大切だと思います。体調管理にも気をつけたい」。上位を目指す最終日もアウトスタート。午前8時30分にスタートする。
ラウンド後はサインを求める大勢のファンが列をつくった。笑顔で応じていたルーキーは、「あしたはアンダーで回りたい。30位くらいでは満足できない。トップ10を目指したい」と力を込めた。(文・臼杵孝志)
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