NHKのネット配信業務が10月に迫る中「解約にはスマホ廃棄が必要か」はどうなった?
NHKのインターネット配信業務が2025年10月から必須業務化されることに伴い、ネット配信のみを利用する場合の受信契約とその解約条件が注目されています。
2025年4月22日に公表された受信規約の変更素案においても、ネット配信契約の解約は「受信機廃止の場合と同様に規定」するとされており、スマートフォンなどの受信端末を保有していないことの証明が引き続き求められる可能性が高い状況です。
具体的な解約手続きの詳細は検討中とされていますが、従来のテレビ受信契約と同様の厳格な条件が適用されることが示唆されています。より詳しく見ていきましょう。
NHKネット配信の必須業務化と受信料

冒頭でも述べたとおり、2025年10月から、NHKのインターネットを通じた番組配信が放送法で定められた「必須業務」となります。これに伴い、テレビを持たずスマートフォンやPCなどでNHKのネット配信のみを利用する場合でも、受信契約の締結と受信料の支払いが必要です。
なお、ネット配信のみの利用者の受信料は、地上契約と同額の月額1,100円(沖縄県は月額965円)となる予定です。
とはいえ、スマホやPCを所有しているだけでは契約義務は発生しません。NHKのウェブサイトやアプリで、利用規約などに同意し、ID登録などの一定の手続きを経て視聴を開始した人が対象となります。
「ネット受信契約」の解約をするには?想定される解約の流れ
NHKネット配信の解約条件については、特に「スマートフォンなどの受信端末の廃棄が必要になるのではないか」という点が大きな議論を呼んでいます。
NHKは4月に公表したネット配信の受信契約に関する素案にて、解約についてはテレビなどを想定した「受信機廃止の場合と同様」と言及しています。
これは、ネット配信サービスを安易に契約・解約を繰り返せる一般的なサブスクリプションサービスとは異なる位置づけとし、既存の受信料制度を維持するためと考えられるでしょう。

なお、「自宅にテレビはなく、スマホだけを持っている状態」であればNHKとの契約義務は発生しません。受信契約義務が発生するのは、NHKを配信できるアプリをインストールした状態となりますが、一方で一度アプリをインストールし、視聴の意思を確認するメッセージに同意してしまった場合、簡単に解約はできないと考えられるでしょう。
つまり、誤タップであっても一度メッセージに同意してしまった場合、NHKの契約を破棄するにはスマホの破棄が必要になる可能性が高く、現代の利用実態にそぐわないのではないかという指摘もあります。
従来のテレビ受信契約の解約では、電話連絡後に送付される解約届の提出が必要で、場合によっては受信機を廃棄した証明(リサイクル券の控えなど)を求められることもあります。
そのため、ネット配信契約の解約も、これに準じた手続きとなる可能性があります。
NHKの受信料制度とサブスクリプションサービスは本来的に別物ですが、それでも解約に明らかに手間がかかりすぎなのは否めません。
加えて昨今、スマートフォンは単なる連絡用端末の域を超えて行政サービスなど受けるにも必要な端末になりつつあります。そうした端末の廃棄がなくては解約できないサービスとその制度は悪法ではないかという見方には一定の妥当性があると言えるでしょう。
NHK視聴アプリを削除することで解約するのは可能?
なお、従来は一部では、「NHKの視聴専用アプリの削除」などが解約条件となる可能性も指摘されていました。しかし「入ったり、やめたりが簡単にできるというのは受信料制度と違ってしまう」という見解も根強く、アプリ削除のみで解約が認められる可能性は低いとの見方もあります。
事実として最新の草案である4月公表案では、依然として「受信機廃棄の証明」が解約条件になっています。
契約を避けるには?
ネット配信の契約は、NHKのウェブサイトやアプリ上で表示される「ご利用意向の確認」画面で、「同意して利用する」といった趣旨のボタンをクリックすることで、契約が成立する仕組みが検討されています。一度同意すると、その同意を取り消すことはできないとされており、この点についても「ワンクリック詐欺のようだ」との批判が出ています。
総じて10月に、NHKのネット配信が始まる際には「NHKとの契約の意思がないならば、ご利用意向の確認に同意しない」ことは非常に重要だと言えるでしょう。
※サムネイル画像(Image:Primakov / Shutterstock.com)※画像は一部編集部で加工しています
記事提供元:スマホライフPLUS
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