ヴィルツの移籍初弾、“恐るべき16歳”リオのスーパーゴールでリヴァプールが逆転勝利!プレミア王者の強さを横浜で見せつける【明治安田Jリーグワールドチャレンジ2025】

『明治安田Jリーグワールドチャレンジ2025 presented by 日本財団』が30日、横浜・日産スタジアムで開催。横浜F・マリノスとプレミアリーグ王者・リヴァプールの一戦が、Jリーグ主催試合では歴代最多となる67,032人を集めて行われた。キックオフ前には今オフに不慮の事故で亡くなってしまったディエゴ・ジョタとアンドレ・シルバの兄弟に向け、追悼セレモニーを実施。赤と白のライトに染まったスタジアムで二人に哀悼の意を示した。

大歓声の中でキックオフを迎えた試合はリヴァプールの選手が繰り出すプレーに大きな拍手と歓声が沸き起こってスタートしたが、先に大きなチャンスを作り出したのは横浜FMだった。まずは2分、エウベルが左サイドを切り裂いてクロスを上げると、これに合わせたのは天野純。ジャンピングボレーは枠を捉えきれなかったが、いきなり惜しいシーンを作り出した。その後もカウンターやセットプレーからゴールに迫る横浜FMだったが、リヴァプールもしっかりとゴール前を固めてゴールを陥れるには至らない。


対するリヴァプールも9分にビッグチャンスを迎える。ドミニク・ソボスライのパスを受けたコーディ・ガクポが右足で絶妙なコースを突いたシュートを狙う。しかし、右ポストを直撃し、こちらもゴールとはならなかった。
キックオフから20分が経過したところで背番号20を着けていたジョタへの追悼の意を込めてスタンディングオベーションと拍手が送られ、リヴァプールサポーターが彼のチャントを歌うシーンも見られた。
その後はリヴァプールがボールを保持する時間が長くなっていく。ライアン・フラーフェンベルフとソボスライのダブルボランチを中心に攻撃を組み立て、右ウイングのモハメド・サラーがカットインから左足のクロスでチャンスを作れば、左ウイングのガクポも積極的にゴールに迫る姿勢を見せ続けた。
40分にはカウンターから横浜FMに決定機。この夏に加入したイスラエル人FWのディーン・デイビッドのヘディングシュートが鋭いコースを突いたが、リヴァプールはGKギオルギ・ママルダシュヴィリのファインセーブで難を逃れ、前半はスコアが動くことなく折り返した。


ハーフタイムを含め、お互いにメンバーを入れ替えながら戦った後半は、スコアにも動きが見られる45分間となった。
先手を奪ったのは、“ホーム”で意地を見せたい横浜FMだった。55分、鮮やかな崩しからゴールネットを揺らしてみせる。ボランチの渡辺皓太が左サイドで張る井上健太に付け、井上が内側に立つ加藤蓮に預けると、その加藤がスペースを見逃さず前方のスペースへスルーパスを送る。これに反応した植中朝日が飛び出してきたGKをうまく外し、左足で流し込んで先制点を奪った。そして、この1点でリヴァプールが目を覚ます。
59分にファン・ダイクに代わって投入された日本代表MF遠藤航にキャプテンマークを託されるとスタジアムのボルテージが一気に高まりを見せる。そしてリヴァプールがその流れで62分に同点ゴールを奪う。
カーディス・ジョーンズのインターセプトで局面を一気にひっくり返し、持ち上がったジョーンズから右サイドのサラーへ展開すると、この折り返しに詰めたのはヴィルツ。プレミア史上最高額の約220億円という移籍金で今シーズンからリヴァプールに加わった新エースが見事にゴールネットを揺らした。さらに68分には鮮やかに逆転ゴールを奪う。右サイドバックで途中出場したジェレミー・フリンポンのピンポイントクロスに18歳のトレイ・ニョニが飛び込み、ワンタッチで豪快に合わせた。
終盤はオープンな展開となった中、最後にスタジアムを沸かせたのは “リヴァプールの若き至宝”だった87分、ハーフライン付近でボールを受けた16歳のリオ・ングモハが自慢のスピードを活かして一気にドリブルで持ち上がり、ペナルティエリア付近で右足を振り抜く。恐るべき16歳のスーパーゴールでリヴァプールが追加点を奪い、白熱のゲームを締めくくった。
このまま1分のアディショナルタイムを経て、試合は3-1でリヴァプールが勝利。終了のホイッスルが鳴った瞬間、スタンドからは大きな拍手が巻き起こり、日産スタジアムに集った大観衆にプレミア王者の強さを見せつける形での大団円となった。
文=須賀大輔
写真=新井賢一
【制作・編集:Blue Star Productions】
記事提供元:Lemino ニュース
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