カウボーイ・シンゴ再び 片山晋呉が米シニア“メジャーデビュー”へ「どこまでやれるか楽しみ」
<中日クラウンズ 最終日◇4日◇名古屋ゴルフ倶楽部 和合コース(愛知県)◇6557ヤード・パー70>
ツアー通算31勝で永久シード権を保持する52歳・片山晋呉は新たなステージでの戦いを始める。
3月の国内シニアツアー開幕戦「ユニテックスシニアオープン」でシニア2勝目を挙げると、先週の「前澤杯」に続いて、大会2勝を誇る今大会に出場。トータル1オーバー・29位タイで4日間を終えた。そして次戦は、念願の海外シニアメジャー「全米プロシニア」(5月22~25日、米メリーランド州コングレッショナルCC)となる。
日本では2004年からの3年連続を含む、4度の賞金王を獲得している。01年には「全米プロ」で4位タイに入り、09年「マスターズ」では優勝者と2打差の4位に入るなど、海外でも結果を残してきた。
16年に節目の30勝を挙げた43歳のころ、「50歳になったらシニアで世界一になりたい」とシニアメジャーの優勝を目標に掲げた。シニア入りを見据え、効率よく飛距離を伸ばせるスイングや自分のプラスになるギア選びにも余念がなかった。
いざ50歳になって米シニアツアーに推薦での出場を模索するが、難しいことが分かった。日本から海外シニアメジャーに出場するためには、国内シニアツアーの賞金ランキングで上位に入ることが一番の近道だった。
1年目の23年はレギュラーと掛け持ちしながら9試合に出場したが、コースセッティングなどの違いから、未勝利で賞金ランキングは11位に終わった。2年目の昨季は、シニアの戦い方を学び、12試合に出場してシニア初優勝を遂げるなど賞金ランキング2位に入った。そして「全米プロシニア」、「全米シニアオープン」、「全英シニアオープン」と3つのメジャーの出場権を獲得した。
海外シニアデビュー戦が2週後に迫った。「この何年かはずっとそこ(海外シニアメジャー)を思ってやってきた。ようやく行けるし、どれだけ自分がいけるか、楽しみではあります」と声を弾ませる。
例年以上に難度の高かった和合でも4日間を戦った。「いい感じで終われた。(渡米前)最後の試合を終えて、この1週間どう練習してやるかだけです」。スイングだけでなくギアの調整にも余念がない。
昨年は8番アイアンの代わりに、高さを出せる8番ユーティリティを実戦投入。今年はスイングスピードを上げるためにドライバーは40グラム台のシャフトをテスト中。19年前に発売された『3ボールパター』を5000円で購入して優勝につなげるなど、ギアへの探求心は衰えていない。
さらに今年は、「通気性がよくて、かぶりやすいものが見つかった」と、かつてトレードマークだったテンガロンハットを着用する機会が増えた。海外のゴルフファンの間では、テンガロンハットをかぶる姿から「カウボーイ・シンゴ」として知られている。52歳になったカウボーイが米国に戻り、世界一に挑む。(文・小高拓)
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