ゴルファーにとって走りにスキなし! モーターの力もプラスした「BMW M5」はモンスターマシンだった
松任谷正隆氏といえば、作曲や編曲を手掛けるアーティスト以外に無類のクルマ好き、そしてゴルフ好きとしてもお馴染み。松任谷氏が今一番気になるクルマを、クルマは興味があるけど詳しくない、ビミョーな編集部員との掛け合いで紹介。
松任谷(以下、松):おお、久しぶりじゃないか。
編集部(以下、編):ほんと、久しぶりですよね。またお会いすることになるとはね。
松:そうだな。なんだか、また生意気になった気がするけれど……。
編:そんなこと言わないでくださいよ。それよりちゃんとゴルフやってます?
松:やってるなんてもんじゃないよ。去年なんて2回もコースに行ったぞ。
編:あ~あ、それでまたこのWEBでの対談を引き受けちゃうんですか? 言っておきますけど、れっきとしたゴルファーのためのクルマの企画なんですからね。そこらへん、わかっていてもらわないと。
松:あのさ、言葉を返すようだけど、ゴルフ媒体は週1ゴルファーだけじゃなくてさ、俺みたいな年1ゴルファー向けの企画もした方がいいよ。
編:でもなあ、バイエルばかり教えるようなピアノ教室じゃ仕方ないでしょ?
松:じゃあ、難しい曲をやってもいいけどバイエルも教えろよ。
編:編集長に伝えておきますね。で、さっそくクルマ持ってきましたよ。といってもトランポに積んできただけだから、俺もまだ運転してないけど……。
松:これか……すごいね。ガンダム化しているね。
編:新しい5シリーズはお好きだと聞いていたから。
松:うん、デカくなったとはいえ、いいクルマだよね。とくにi5 M60 Xdriveなんて、ある意味、俺の理想のセダンだったな。
編:それ、俺がちょっと前に持ってきてあげたやつじゃなかったでしたっけ?
松:あれ? そうだっけ?
編:いや、俺も最近松任谷さんに似て、忘れっぽくなっちゃってるから……。
松:そういうのやめろよな。本当に俺、記憶力に自信を無くしているんだから。
編:ま、いいや。それでこれ、最近広報車両に入ったM5。プラグインハイブリッド。すごくないですか? M5はついにプラグインハイブリッドになっちゃったんですよ。
松:でもさ、フェラーリなんてSF90から始まって296だってハイブリッドだぜ。
編:あ、そうか……そうでしたね。
松:ついでにいえば、新型のメルセデスAMGのE63だってプラグインハイブリッドだぜ。
編:そうなんですね。
松:ゴルフばっかりやってるから、そういう情報に疎くなるんだよ。このクラスはもうプラグインハイブリッドは常識になるんだよ。
編:ふうん、そんなこと言い切っていいんですかね。松任谷さん、ただのクルマ好きのオヤジとは違うんだから。
松:まあな、言い切るのはやめておこう。
松:とりあえずこれ、電気だけではどれくらい走るの?
編:なんでも60〜70kmくらいはいけるらしいです。
松:先代と同じエンジンなんだよな?
編:ですけど、少し馬力は落としているそうです。なんでもハイブリッドにする関係とかで。でもモーターの馬力を加えればそれはもう……。
松:それはもう?
編:727psです!
松:なに携帯で調べてるんだよ!
編:それより乗りましょうよ。早くしないと返却の時間に遅れちゃうから。
松:ゴルフのスタート時間じゃないの?
編:午後からのスタートなんてあるわけないじゃないですか。
松:だな。おっ、外装もある意味派手だけど室内も派手だな。俺の好みからはずいぶん遠いぞ。
編:そんなものはどうとでもなりますよ。それより座ってみてどうですか?
松:とりあえずスタートボタンを押してみようか。さもないとモニターとかが見えないからさ。
編:どうぞ。
松:あっ、このアンビエントライトの紫色が嫌だから変えていい?
編:どうぞ。
松:うーん。
編:どうしたんですか?
松:このドライブモードはどうなってるんだ? なんだか、やたらいろいろセッティングができるみたいだぞ。
編:俺が聞いてきたのは、まず、ドライブモードが細かく変えられる、ということ。つまりエンジンのマッピングとか、ステアリングの重さ、サスペンションの硬さ、ブレーキとかですね。それからハイブリッドモードが変えられるということですね。これが5項目。そして最後は駆動モードが変えられるということです。ただし2WDモードにするにはアンチスリップコントロールを全部切らないとダメらしいです。
松:前々から煩雑だと思っていたけど、ここに至って、年寄りには無理なことをやってくるね。
編:でもね、これをステアリングホイール上のM1とM2ボタンに振り分ければいいんですよ。で、あとは走りながらそのボタンを押すだけ。
松:ジギルモードとハイドモードにしておけばいい、ということね?
編:ま、簡単に言えば……。
松:とりあえず走るぜ。
編:行きましょう。この目の前が峠道というのがよくないですか?
松:何言ってんだよ。君がこの場所を指定したんじゃないか。こっちは帰りが面倒なんだよ。
編:はいはい、ブツブツ言わない。レッツゴー。
松:おっ!
編:ですね。
松:まだアクセルを2ミリしか踏んでないぜ。
編:テスラのような鋭い出足!
松:それに、このゴツゴツした感触は何だろ。タイヤがゴムじゃないみたいだ。
編:確かに揺れの入り口部分はウルトラ硬い感じだけど、その先は乗り心地いいじゃないですか。革靴でもインソールが柔らかい靴みたい。
松:まあ、そうだな。これなら都内でも大丈夫かもな。じゃあ踏んでみるよ。
編:うおーっ!
松:なんだこれ、ロールをまったくしないぜ。ランボルギー二だってフェラーリだって少しはロールするのに、これはいったい何なんだ!
編:すごいですね。この速さも尋常じゃないです。味わったことのない質の速さです。
松:だな。うおーっ、このステアリング何なんだ!
編:巻き込むようにコーナリングしますね。
松:まさにそうだな。ここまで来ると自然とは言いかねるね。気味が悪いよ。ロールもしないでさ。いつブレークするんだ?
編:それはやめましょうね。こんな重いものが滑り始めたらどうにもならないですよ。
松:でも、今はすべてのセーフティデバイスがオンになってるから大丈夫だろ。ちょっとハイドモードにするぞ。
編:ほどほどにしてくださいね。
松:あっ!
編:あっ!
松:なんだろうね、この音。これ、作られた音なのかな? BMWにしては、らしくないね。ジージー言ってアブラゼミみたいだぜ。
編:少し硬くなりましたかね。でも、大きくは変わってない気がするけど。
松:そうだな。さっきから足の裏と手のひらがクルマと一体化しててさ。ミリ単位でクルマが反応してくるんだよ。そっちは大丈夫?
編:そういうことですか……。松任谷さん、運転が下手だなあ、って思ってました。
松:ミリ単位でクルマが爆発的に反応するから手に負えないんだよ。やっぱりジキルモードにしよう。それと、とにかく全部大人しいモードにするぞ。
編:やれやれ。とんでもないクルマですね。
松:こんな格好して、とんでもないやつだよ。羊の皮を被った人食いモンスターだ。
編:でも、こんな過激なセッティングを好む人もいるんでしょうね。
松:いるから世に出てくるんだろ?
編:ゴルフに例えると何でしょうね。
松:えっ? なんだよ、その質問。唐突すぎるだろう。
編:だから、ゴルフ媒体なんですってば。
松:そうだな。ロングホールをワンオンする奴かな。
編:そりゃあ、人迷惑だ……。
BMW M5 Sedan
◆全長_全幅_全高:5095×1970×1510mm ◆車両重量:2400kg ◆エンジン形式:V8DOHCターボ+モーター ◆総排気量:4394cc ◆エンジン最高出力:430kW(585ps)/6000rpm ◆エンジン最大トルク:750N・m(76.5kg-m)/1800-5400rpm ◆モーター最高出力:145kW(197ps)/6000rpm ◆エンジン最大トルク:280N・m(28.6kg-m)/1000-5000rpm ◆ミッション:8速AT ◆JC08モード燃費:9.6km/ℓ ◆定員:5人 ◆価格:2048万円
構成/MUSHROOM 写真/松任谷正隆(車体)、近藤暁史(インテリア&ラゲッジ)
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