女子プロゴルファーたちが体験した“支える側”の現場 ルーキーキャンプで感じたこととは?「感謝の気持ちが大きくなった」
国内女子ツアーでは“ビッグタイトル”を狙ったし烈な争いが繰り広げられている。そんな大舞台で、昨年11月の最終プロテストに合格した24人のルーキーたちも“裏方”として活躍した。
今大会は、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が『ルーキーキャンプ』の開催場所に指定している。これは、選手たちが泊まり込みで、日頃トーナメントがどのように運営されているかを学ぶための場だ。2泊3日の日程で、実際にボランティアが行う業務も体験する、いわば“研修”の機会である。
ラウンド中には、ギャラリーにスコアを示すキャリングボードの担当やドライビングディスタンスの計測、フォアキャディなどを“実体験”。プレーヤーという立場から“裏方”へと役割を変え、初日・2日目のトーナメントを支えた。キャンプを終えた選手たちは、どんなことを感じたのだろうか。
■ボランティアの業務を終えて感じたこと
先月行われた国内下部ステップ・アップ・ツアー「大王海運レディス」でプロ初優勝を飾った青木香奈子は、初日に9番ホールでフォアキャディを務め、2日目は同郷・宮崎県出身でツアー2勝の山内日菜子らの組に付き、キャリングボードの業務を行った。
「感謝の気持ちが大きくなった。ボランティアさんがこのスコアボード以外でも、いろいろと影で支えてくださっていることを実感した2日間でした」と感銘を受けた様子だった。たとえば、会場入りの時間については、「選手は自分のスタート時間に合わせて来ればいいんですけど、ボランティアの皆さんはトップスタートの2時間前くらいに入っている」と明かす。青木自身もこの2日間は午前4時起き。朝早くから大会運営のために尽力するボランティアへ、感謝の思いがこみ上げた。
来週の「Sky RKBレディス」で今季初戦を迎える六車日那乃は、青木とコンビを組んで2日間をともに過ごした。「こんなにボランティアさんって大変なお仕事をされていたんだなっていう実感と、いつも挨拶や感謝の言葉を伝えなきゃなって思いました」と語った。
■同期が選手として出ている姿を見て感じたこと
ルーキーのなかには、プレーヤーとして大会に出場している選手もいる。予選ラウンドを終えた時点で、都玲華がトータル2アンダー・11位タイ、寺岡沙弥香が14位タイ、荒木優奈が39位タイにつけている。同期の奮闘を見て、「悔しい部分もたくさんあるんですけど、でも同期が活躍しているというのをプラスに捉えて、『私も頑張ろう』っていう気持ちにさせてくれました」(青木)と刺激を受けたようだ。
今週のグリーンは14フィートと速く、さらに硬い。ラフには“穂”が多く、フライヤーになりやすいため、パーオンが難しい。そのため、フェアウェイキープは“必須”条件となる。そんな過酷なセッティングで戦う選手たちを見て、六車は「こんなに大変なコンディションの中でやっている同期もすごいと思いますし、私も出た時には頑張ろうって思いました」と背中を押された。
■“見る側”を経験したからこそ戦闘心が上がる
青木は今回のキャンプを終えて、モチベーションが一段と高まっている様子だ。「今回はけっこうポイントが高いので、みんな稼いでくると思う。もちろん頑張って欲しいなと思いますけど、自分も来週の3日間競技でしっかりとポイントを稼げるようにしていきたい」と、“裏方”からプレーヤーへと気持ちを切り替えて臨む。
六車にとっては、プロ転向後初のレギュラーツアー出場となる。「まずは予選通過を目標にして、最終的にはトップ10にいけたらいいなと思います」と意気込みを示した。キャンプで着用したピンク色の“ユニフォーム”もお気に入りの様子で、「練習場で使いたい。ちょっと寒いときとか、ちょうどいいかな。こんなきれいで、穴が空いていない。だいたい練習の時はボロボロの服なので…。穴が空いていないので使えそう」と、“六車節”で最後は報道陣の笑いを誘った。(文・高木彩音)
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