“帝王”とのランチ相談も実らず… ローリー・マキロイは終盤でまさか乱調
<マスターズ 初日◇10日◇オーガスタ・ナショナルGC(米ジョージア州)◇7555ヤード・パー72>
この“春の祭典”を制すれば、メジャー4大会すべてを制覇――。キャリアグランドスラムに王手をかけてから11度目の挑戦となるローリー・マキロイ(北アイルランド)は、終盤の失速により、初日から7打のビハインドを背負う展開となった。
前半で3つスコアを伸ばし、アーメンコーナーの13番パー5(510ヤード)では2オンに成功。6メートルのイーグルトライは惜しくも外れたが、2パットのバーディを奪って2位まで浮上した。
午後6時を回ってもなお、大勢のパトロン(ギャラリー)を引き連れ、足取り軽く終盤へと入ったが、ここからまさかの急ブレーキがかかる。15番パー5ではグリーン奥からの3打目が下り傾斜により加速し、池に転がり落ちて5オン2パット。17番パー4では11メートルから3パットを喫し、ともにダブルボギーを叩いた。4バーディ・2ダブルボギーの「72」で、イーブンパー・27位タイと不満の残る初日となった。
2014年までに「全米オープン」、「全英オープン」、「全米プロ」のメジャー3冠を達成。残すタイトルはマスターズだけとなり、10年以上の月日が経過している。年々進化を遂げ、今季はすでに“第5のメジャー”を含む2勝。申し分ない状態でのオーガスタ入りだったが、首位と7打差でのスタートに、ホールアウト後は厳しい表情を浮かべた。
大会恒例のオナラリースタート(始球式)を務めた3人のレジェンドは全員、今大会の優勝候補として、マキロイの名前を即答していた。
大会3勝のゲーリー・プレーヤー(南アフリカ)は「ゴルフ界最高のスイングの持ち主。400ポンド(180キロ)のデッドリフトをこなすんだよ? メジャーに勝つチャンスを逃してきたが、いまがその時だ」とエールを送り、2勝のトム・ワトソン(米国)は「直感だ」と力強く推した。
そして歴代最多の大会6勝を誇るジャック・ニクラス(米国)も「そろそろローリーが勝つころ」と期待を寄せた。さらに先週はマキロイとランチをしたことを明かし、どのように今年のオーガスタを攻略するのかを詳しく尋ねられたという。
「一打ごとのショットについて聞かれたが、私は何も言わなかった。自分がプレーするならば同じようにやるだろうから」。“帝王”はマキロイがマスターズに向けて取り組んできたことを理解し、勝利に近づいていると感じていた。だが同時に、「ここ数年の成績を振り返ると、いくつかミスをしているのが思い浮かぶ…」と付け加えており、まさにその言葉通りの初日になってしまった。
首位のジャスティン・ローズ(イングランド)を前線で追いかけていた中で、痛恨のつまづき。パトロンも驚くまさかの幕開けとなったが、マキロイの実力を考えれば、巻き返しのチャンスはまだ十分にある。(文・笠井あかり)
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