ハリケーンで減った木の影響…選手の反応は? 松山英樹「打ちやすい、打ちにくいは両方」
<マスターズ 事前情報◇9日◇オーガスタ・ナショナルGC(米ジョージア州)◇7555ヤード・パー72>
“春の祭典”とも呼ばれる海外メジャー今季初戦「マスターズ」がいよいよ開幕する。ほか3つのメジャートーナメントは毎年開催コースが変わるが、これはオーガスタナショナルが舞台。まさにマスターズのためだけにあるプライベートコースだ。
そんななか、昨年9月に米フロリダ州にハリケーンヘレンが襲い、オーガスタも甚大な被害を受けた。復興は間に合い、無事に祭典が行われるのだが、コースを歩いてみると、『木が少なくなった』と見て取れる。
例えば、アーメンコーナーのひとつである12番パー3では、グリーン奥の木がかなり少なくなっている。ボールが木の上に出たときの風の影響をどう読むかが難しく、ホール難易度に大きな役割を担っていた。これが少なくなったことで、どれくらいの変化が起きるのかが、注目ポイントだ。
さらに、16番ではグリーン上に木が倒れたという。左の傾斜地にある木はかなり減り、5番グリーンから見渡せるようになったほど。オーガスタから正式な発表はないものの、ローリー・マキロイ(北アイルランド)は16番のグリーンは張り替えられたと明かしている。
これらの変化について、2021年覇者・松山英樹はこう備える。「1番(ホール)もだけど、これだけ木がなくなると、いままで目印にしていた場所がなくなった。打ちやすい部分と打ちにくい部分は両方ある。そこは試合をやって、もっとギャラリーが入ったときにどういう雰囲気になるかをその場で確かめないといけない」と対応していく。
昨年覇者でマスターズ2勝のスコッティ・シェフラー(米国)は、変化を指摘しながら、プレーには大きな変化はないと話した。「失われた木はかなり多いけれど、木に打ち込むとそれなりのトラブルがある。なくなった木のなかで、本当に目立つのはプレー中の数本だけ。まえは木が多すぎて、見渡すのが大変だった。全体的にコースの状態はとてもいい」。
昨年メジャー2勝のザンダー・シャウフェレ(米国)はとりわけ、インコースの違いに驚いている。「バックナインは初めて回るような感覚だった。ティショットで目印にしていた木がなくなった。10番を歩いたらコースの半分が見えていたよ」。10番パー4はティイングエリアとグリーンの高低差が116フィート(約35メートル)。視界を遮っていた木が減ったことで、フェアウェイを歩けばコース全体がよく見えるようになったという。
マキロイは「(ティショットで)視覚的にイヤじゃないところがいくつかある」と狙いやすくなったホールもあると答える。これまでは木を目印にしていたが、今年はテレビ塔や名物橋がターゲットになる。
木の減少がオーガスタを渦巻く風にどのような影響を与え、どのように狙いどころを定めるのか。今年はより一層、周りの景色にも注目してほしい。(文・笠井あかり)
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