脳梗塞を乗り越えて 26歳・竹山昂成が“命の恩人”中西直人とタッグ
<東建ホームメイトカップ 事前情報◇9日◇東建多度カントリークラブ・名古屋 (三重県)◇7069ヤード・パー71>
兵庫県出身の26歳・竹山昂成が、QT6位の資格で3年ぶりに開幕戦へ出場。今週は“命の恩人”とタッグを組み、初のシード獲得に向けて好スタートを狙う。
同じ関西出身の先輩プロゴルファー・中西直人とは、「自転車で15分ぐらいのところに家がある」というご近所同士。2年前に出会って意気投合。関西弁で冗談を交わす姿は、まるで家族のような雰囲気を醸し出している。
竹山は昨年末、椎骨動脈乖離による脳梗塞を発症。入院とリハビリ生活を乗り越えて、今大会に出場している。「健康な体でここに立てることがすごくうれしいです」と安どの表情を浮かべると、中西も「本当にそうだね。いまここに立てていることが奇跡」とうなずきながら笑みを交わした。
症状が最初に現れたのは、中西らとプライベートラウンドに行ったとき。「朝のストレッチをしているときに倒れて、救急車で運ばれた。そのとき助けてくれたのが直人さんや(金子)駆大たちでした。『あと10分遅かったら危なかったかもしれない』と言われたので、本当に感謝しています」と当時の出来事を振り返る。
2月中旬にゴルフを再開。「3月に入ってから、ずっと直人さんが開幕に向けて一緒に練習してくれた。いつもよりいいスタートが切れています」。一時は命の危機に見舞われたが、中西らのサポートもあり、ここに立つことができている。「今週は“命の恩人”がキャディをしてくれます」と笑顔を見せた。
竹山は21年にプロ転向を果たし、下部ツアーを主戦場に戦っている。レギュラーツアーには推薦や予選会突破での出場経験があり、昨年の「日本プロ」では6位タイの成績を残している。
今季はシード権だけでなく、初優勝も視野に入れている。ただ、「大きい目標に向けると空回りするので、1試合、1試合で常に上位で予選を通れたら僕の中ではいいと思うようにしている。出られる試合に喜びながら、楽しくやっていきたい」と気負わず、目の前の試合に集中していく。
今週は“兄貴分”の中西とともに4日間を戦い抜くのが目標だ。「いつも僕を応援してくれている知り合いの方たちが応援に来てくれて、昂成のために盛り上げてくれるんです」(中西)。応援団の声を力に、最高の滑り出しを見せたい。(文・高木彩音)
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