女子プロが使用するドライバーはLSヘッドが多い!? 一発の飛びと平均飛距離、あなたが欲しいのはどっち?
ドライバーの2025年モデルは飛距離・寛容性ともにハイレベルで、まさに大豊作の年と言っていい。一方で、同じシリーズに3~4の兄弟モデルがラインナップされているが、まずは女子プロがどんなドライバーを使用しているのかを調査した。
クラブ契約フリーの女子プロに、使用者が多いのが重心深度の浅いキャロウェイ『ELYTE◆◆◆』。これをバッグに入れている稲見萌寧は、「ボール初速が速かったのと、顔が結構好みなんです。ある程度ヘッドが小さくて、操作性が高いのも好きですね」と絶賛する。
稲見と同じくクラブ契約フリーの申ジエ(韓国)が使用するのは、ボール初速に定評のあるタイトリスト『GT3』。「小さいヘッドの方が弾道を操れます。大きいヘッドだと、ドーンと飛んじゃう。ミスがミスと分かるヘッドがいいです」とコメントしている。
また、ピンと用品契約を結ぶ鈴木愛は、浅重心ヘッドの『G440 LST』を愛用。「『G440 LST』は前作よりもちょっと弾く感じがあります。弾く感覚だと右に滑りそうですけど、しっかりスピン量も入って前に強く飛びますね」と惚れ込んでいる。
ショットメーカーの小祝さくらはダンロップ『スリクソン ZXi LS』を使う。「ヘッドは操作性が高い方がいいです。右に吹ける弾道が好きじゃないので、ややつかまるイメージが出るヘッドを選びますね」とつかまりを重視している。女子プロたちの使用ヘッドを見ると、総じて浅重心のLSヘッドを好んで使用していることが分かる。アッパーブローで打つために、浅重心の方が間に飛ぶ力が強くなり飛距離が稼げるのだろう。
多くのメーカーでクラウンやソールの構造は似通っているが、フェースは素材や設計に個性があり、そこにボールの飛び方の特性を見極めるポイントがある。ドライバーの性能を見抜く上で、フェースがポイントになると話すクラブ設計家の松吉宗之氏だ。
「ヘッドの中でフェースは最も厚く、重量を取られる部分です。ルールに則った反発性能を持たせつつ、耐久性も考慮する必要があるためです。それだけにメーカー各社はフェースの性能を高めながら、軽量化を行い、ヘッド全体の性能を高めています。メーカーごとの個性が出ている部分とも言えますので、モデルごとの性能を見抜く上でフェース設計が大事になるわけです。基本的に外周を溶接するタイプはフェース中央の反発が高くなり、芯を喰ったときの飛びが魅力になります。一方で、たわむエリアの大きいカップフェースなどはミスヒットへの強さが備わっています。自分が求める性能に応じて、最適なフェースのドライバーを選んでください」
今回は以下の2タイプに最新モデルを分けて、松吉氏やクラブフィッターの吉川仁氏が試打比較。ドライバー選びの参考にしてほしい。
【試打したリスト】
【一発の飛びで飛ばすタイプ】
フェースの芯で捉えたときに圧倒的な弾きで飛ばせる。思い切り叩いて最大飛距離を伸ばしたいゴルファーにおすすめのシリーズになっている。
ダンロップ:スリクソンZXi
ダンロップ:スリクソンZXi LS
ダンロップ:スリクソンZXi TR
ダンロップ:スリクソンZXi MAX
タイトリスト:GT2
タイトリスト:GT3
タイトリスト:GT4
テーラーメイド:Qi35
テーラーメイド:Qi35 MAX
テーラーメイド:Qi35 LS
【平均飛距離で飛ばすタイプ】
芯を喰ったときの爽快な 飛びがありつつ、打点がブレても飛距離をロスせず、曲がりも小さく抑えられるので、スコアにこだわるゴルファーにもおすすめだ。
キャロウェイ:ELYTE
キャロウェイ:ELYTE◆◆◆
キャロウェイ:ELYTE X
ピン:G440 LST
ピン:G440 SFT
ピン:G440 MAX
HONMA :TW767
HONMA :TW767 LS
HONMA :TW767 MAX
■解説・試打
松吉宗之
まつよし・むねゆき/オリジナルブランド「ジューシー」を展開するクラブ設計家。クラブヘッドの構造や製法に精通し、最新モデルは全て独自に計測を行うなど、知識を日々アップデートしている。
■解説・試打
吉川 仁
よしかわ・じん/「4plus Fitting Labo & Golf Salon」主宰。スイングとギアの両面に精通し、「ギアーズ」や「トラックマン」を駆使して、悩めるゴルファーのギア選びをサポートする。
<ゴルフ情報ALBA Net>
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