初V・工藤遥加は左ヒザの良い力感で最大限の地面反力 カゴを両ヒザの間に挟んで体感してみよう【優勝者のスイング】
国内女子ツアー「アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI」の最終日にボギーなしの5バーディを奪い、逆転でツアー初優勝を飾った工藤遥加。プロ15年目、32歳での栄冠はツアー史上2番目に遅い初優勝だった。以前よりも下半身の動きが大人しくなったスイングをプロコーチの南秀樹が解説する。
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数年前にパッティングを中心に工藤を指導していたというのはプロコーチの南秀樹。スイングについて、「フットワークを積極的に使って思い切ったスイングをする選手。飛距離が出る一方で、曲がりも大きいことから、ドライバーに苦手意識を持っていて、アドバンテージが生かせず、もったいないと思っていました」と、以前は荒削りな部分があったという。
一方で、最近のスイングからは、下半身の動きが大人しくなり安定感が増したと分析する。「教科書通りに体を動かせることに加えて、強さもあるので、下半身を思い切って使うことができます。しかし、目一杯振っていると安定感には欠けてしまう。やや余裕を持ったスイングをすることで、ショットがまとまり始めたのだと思います。前々から、クラブをタテに振っていくライン出しショットはピカイチ。タテに振る分、余計なサイドスピンがかからず、ボールの高さもコントロールできる。本当に今後が楽しみです」。
工藤のようにコントロールできる範囲で下半身を積極的に使っていくのは、飛距離と方向性を両立させる上で欠かせないポイント。そのためには、左ヒザの動きが大切で、地面反力も得やすくなる。
「左ヒザは力み過ぎず、緩み過ぎないのが鉄則。力めば切り返した瞬間に蹴り上げてしまい、腰が引ける原因に。反対に緩むと、バックスイングの際に左ヒザが右を向いて捻転差が得にくくなってしまいます。アドレスからトップまでは、両ヒザの間隔を変えないように意識しつつ、トップでは『いつでも踏み込める、いつでも左に乗れる』という力感でいること。この状態ならインパクト付近で、絶好のタイミングで左ヒザを伸ばし、そのまま体をターンさせることができます」。
適度な力感をマスターするには、「両ヒザでボールやカゴを挟んで練習してください。アドレス時のヒザの間隔をキープできるサイズが望ましいですね。両ヒザの間隔を変えずに、いつでも踏み込める適度な力感でいるため、大切な股関節や太モモに力をかける感覚がつかみやすくなります」。なお、この練習では下半身の動きがセーブされるので、手先でクラブを上げてしまいがち。しっかりと上半身を回転させることを忘れないようにしたい。
■工藤遥加
くどう・はるか/1992年生まれ、埼玉県出身。2011年にJLPGAプロテストに合格。プロ入会から4991日での優勝は、ツアー史上2番目に遅い記録。父は元プロ野球選手の工藤公康氏。加賀電子所属。
■南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。
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