5G回線のテザリングがあればモバイルWi-Fiルーターはもう不要?
外出先でPC作業をする場合、一昔前の常識は「モバイルWi-Fiルーターを持っていく」でした。
一方で、2025年現在はキャリア各社から5G通信対応のデータ使い放題プランなどが提供されています。つまり外出先でPC作業をする場合、「無制限プランでテザリング」をすればモバイルWi-Fiルーターを持つ必要性を感じないという方はすでに多いはず。

そこでこの記事では、主に外出時のネット回線について、5G回線のテザリングを使った場合とモバイルルーターを使った場合のメリットとデメリットをご紹介します。
5Gテザリングとモバイルルーター、それぞれの特徴
まずはテザリングとルーターのそれぞれの特徴・欠点を見ていきましょう。はじめに5Gテザリングの概要や特徴から解説します。
5Gテザリングの概要と特徴、欠点

そもそも5Gテザリングとは、モバイル通信の5G回線を利用して、他のデバイスにインターネット接続を共有すること。その最大のメリットは高速通信と持ち運びの利便性です。5G回線は4Gよりも高速な通信速度を提供する上に専用のモバイルルーターを持ち歩く必要がありません。テザリングに必要な機器はスマートフォン1台で済むため、荷物を減らすことができます。
しかし、5Gテザリングはスマートフォンのバッテリーが著しく消耗するため、連続使用時間の目安は3~4時間程度と考えた方がいいでしょう。また、契約している料金プランによっては、テザリングで利用できるデータ容量に上限がある場合や、使い過ぎると速度制限されることもあります。
モバイルルーターの概要と特徴、欠点

モバイルルーターは、小型で持ち運び可能なWi-Fiルーターで、基本的にSIMカードを挿入してモバイル回線(4G LTE、5G、WiMAXなど)を使用してインターネットに接続します。通常のルーターと同じように、Wi-Fi対応のスマートフォン、タブレット、ノートパソコンなどの端末を複数同時に接続でき、外出先や移動中でもインターネットにアクセスできます。
モバイルルーターのメリットは、複数端末の同時接続とバッテリーの持ちの良さ。同時接続可能台数は機種によって異なりますが、10台以上のデバイスを接続できる機種もあります。また、スマートフォンのバッテリーを消費しないため、長時間の利用が可能です。加えて、モバイルルーターはフリーWi-Fiよりも安全性の高い通信が可能です。
ただしモバイルルーターの利用はスマートフォンの料金とは別に料金がかかり、さらにモバイルルーター自体を持ち歩く手間もあります。
利用シーン別の比較
5Gテザリングとモバイルルーターのメリット・デメリットは総じて以下の通りです。

その上でどちらを選ぶべきかは、より厳密には利用シーンによって異なります。たとえば短時間のインターネット利用では、5Gテザリングが手軽に利用できますが、スマートフォンのバッテリー消費に注意が必要です。一方、モバイルルーターはバッテリーの心配が少ないです。
また複数デバイスでの同時利用では、5Gテザリングは同時接続台数に制限がある場合や、通信速度が低下する可能性がありますが、モバイルルーターは多数のデバイスを安定して同時接続できます。
そうした点を踏まえ、利用シーン別のおすすめの接続方法をまとめてみました。

総じて外でのWi-Fiを使った作業が「短時間」かつ「追加コストをかけたくない」場合はテザリングで十分でしょう。たとえばエキナカのカフェでちょっとだけPCを操作したいという場合は、テザリングの方が手軽さやコスト効率でルーターより適しています。「ごく短期間の旅行中の利用」「イベント会場での利用」でもテザリングで十分な場合が多いでしょう。
一方で「外で長時間頻繁に作業する」「大容量のデータ通信を伴う場合」はモバイルルーターの利用がおすすめです。
災害時について
なお災害時の備えとしては「5G回線のテザリングがあればモバイルルーターは不要」とは言えません。5G回線が繋がらない反面で、ルーターは繋がる場合もあるでしょうし、その逆も同様です。
よって災害時の備えとしてはどちらの接続方法にも備えられる方がベターです。また余談ではありますが、そもそも災害時はネット接続自体が「まったく安定しない」ことが珍しくありません。手回しラジオも準備するなどして、ネット接続に依存しない情報収集手段も備えとして用意しましょう。
5Gテザリングにおすすめな料金プランの例は?
上記のおすすめ利用シーンを把握した上で、5Gテザリングを中心的な接続手段とするならば「料金プラン選び」も重要です。データ通信無制限のプランではない場合、テザリングを行うことでデータ通信を大量に消費し、請求額が多額になるおそれがあるためです。
5Gテザリングを活用するなら、楽天モバイルの『Rakuten最強プラン』が有力な選択肢となります。

楽天モバイルは月額3,168円(税込)でデータ容量が無制限で使用できるため、テザリング時のギガの不安は無くなります。ただし楽天回線エリア内での利用が前提となるため、楽天モバイルが繋がりにくい地方や山間部に住んでいる場合はご注意ください。もっとも、楽天モバイルはau回線も使用可能なほか、近年は通信品質が大幅に改善しているため「繋がりにくいエリア」は劇的に減少していることも事実です。
こうしたデータ通信無制限プランを利用しない場合、データ量超過後は通信速度制限がかかる場合がある点にご注意ください。総じてデータ通信無制限プランを使用すれば5Gテザリングはモバイルルーターに比べて費用が抑えられる場合がありますが、料金プラン選びを間違えるとデータ容量や通信速度に制限がかかる可能性が非常に高いです。利用状況に応じて適切なプランを選択する必要があるでしょう。
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記事提供元:スマホライフPLUS
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