19歳ルーキーがまさかの“珍記録”達成 後半9ホールは5バーディ・4ボギー…「パーがないやん(笑)」
<Vポイント×SMBCレディス 2日目◇22日◇紫カントリークラブ すみれコース(千葉県)◇6668ヤード・パー72>
デビュー戦となった開幕戦を12位で終えた19歳のルーキー・入谷響が、バックナイン(イン)でパーなしの「35」という“珍記録”を打ち立てることになった。「忙しかったです。疲れました」というラウンドになったが、予選通過ギリギリのトータル4オーバー・50位タイで、からくも2試合連続の決勝進出を決めた。
初日は2オーバー・44位タイ。巻き返しを図ったこの日は、3番で3パットを喫しボギーを叩くと、5番から「突如ショットが乱れた」。ここはティショットを林に入れるなどしてボギーに。6番でひとつ取り返すが、8番、9番と連続ボギーで、3つスコアを落とし折り返した。
「前半で集中力が」とメンタルにも影響が出る展開だが、30分ほどの休憩を挟み「気持ちを切り替えた」はず…だったが。「乗らず、寄らず、入らず」で10番、11番も連続ボギー。前半と合わせると4連続ボギーになってしまった。この時点でトータル7オーバー。予選通過ラインの4オーバーが遠のく状態だ。「11番のボギーで、もう終わったと思いました」と、その時の心境を振り返る。
ただ、ティショットを右に大きく曲げながら、木に当たってフェアウェイに戻ってくるラッキーがあった12番パー5で、にわかに流れが変わる。2オンを狙わずに3打目勝負で2メートルにつけてバーディを奪うと、13番では“OKバーディ”。これで予選通過が見えてきたが、ティショットを林に入れながら、2打目でグリーンをとらえるリカバリーショットを見せた14番で、3パットを打ちまたも後退してしまう。
ここからも、とにかく“忙しい”。15番パー3は9メートルの「入ったらラッキーレベル」のバーディパットをねじ込んだが、16番パー4でフェアウェイバンカーからの2打目が「ダフった」と再びボギーに。そして、この時に「パーがないやん(笑)」と気がついた。
予選通過のためには上がり2ホールで2バーディ、もしくは1イーグルが必要だった。18番はパー5のためバーディが狙いやすいが、17番パー4は「取れればラッキー」という位置づけ。そんな勝負の17番では「イラつきショットみたいな感じで振ったら飛んた」と、290ヤード越えのティショットも見せた。2打目でグリーンをとらえたが「ひん曲がるライン」。ただ覚悟を決めて打つと「きれいにストンって消えました」。
首の皮一枚つながって迎えた18番は、フェアウェイからピンまで223ヤードの2打目を放ち2オンに成功。ただ、アドレナリンが出たのか、3番ウッドのショットはピンをキャリーでオーバーし、手前ピンに対してグリーン奥に乗った。残ったのは、「ほぼ端から端」という下りの20メートルのパットだった。「きょうの流れだと寄らない」。こんなことも考えたが、執念のパットは1メートルにピタリ。さらにバーディパットを冷静に沈めた時には、ガッツポーズも飛び出す。バーディとボギーを繰り返しながら、後半にパーがないスコアカードを提出した。
この日は「74」と2オーバーに抑えたことで、最終日もプレーできることになった。パーの記載がない後半9ホールのスコアカードについては、「記憶にないです。初めてだと思います。おかしいです、誰だこれってなりますよ」と笑いながら振り返る。18ホールの内訳をみても、6バーディ・8ボギーでパーはわずか4つというのがすごい。「バーディはいいとして、ボギーのところはほぼ全部合っていない。粘れるようになってきたのか…、粘ったでいいのかな」と複雑な表情を浮かべるが、6つのバーディを奪う力は見せた。
無事に最終日もラウンドできることが決まると、「明日は失うものはないので、攻めるだけです。ショットを修正します」と、言葉に力を込めた。最後はバーディを積み重ね、ボギーなしのスコアカードを作りたい。(文・小高拓)
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