レイドオフの低いトップでも“あおらない”! 中村心の「寄り道がない」下ろし方とは?【注目ルーキーのスイング分析】
2025年の国内女子ツアールーキーのスイングをツアープロコーチの石井忍が解説。今回は元JGAナショナルチームの一員で、中嶋常幸の“愛弟子”でもある中村心のスイングを深掘りしていく。
2023年の「日本女子オープン」でローアマチュアに輝き、24年はJGAナショナルチームのメンバーに選出され、米国で開催された「オーガスタナショナル女子アマチュア」にも出場。国内ツアー通算48勝を誇る中嶋常幸が主宰するトミーアカデミーでゴルフを学び、JLPGAプロテストでは2度目の挑戦で見事合格を果たした。
そんな中村は手首を使わずに体で始動し、手元を持ち上げる動作がないため、レイドオフの低いトップスイングになっている。そこからダウンスイングで「寄り道がない。シャフトが倒れずに、ボールへのコンタクトがいいスイングです」と石井は語る。
レイドオフというのは、トップスイングのときにシャフトが飛球線よりも左に向くこと。インサイドから下ろしやすくなる半面、「あおりやすくなります」。クラブが下から入ると、ボールが急激に左に曲がるチーピンが出たり、アイアンではダフリやトップにつながる。
中村がそうならないのは「クラブをタテに使って下ろしている」から。中村は切り返しでシャフトを少し立てていき、振り遅れを防いでいる。同時に「いい意味で右サイドが高い状態」と肩と腰のラインが右に倒れず水平回転していく。
一般的には右肩が高い位置にあると、上半身が開く動きにつながり「球がつかまらなくてスライスしてしまう人には、少しネガティブなイメージ」が持たれやすい。しかし、「ショットメーカーにはこの右サイドの高さがある人が多い」。ボールに対してヘッドがレベルに入りやすく、あおらず、打ち込みすぎず、安定したショットにつながっている。
■石井忍(いしい・しのぶ)1974年生まれ、千葉県出身。東京学館浦安高等学校、日本大学のゴルフ部で腕を磨き、98年プロテスト合格。2010年にツアープロコーチとして活動を始め、多くの男女ツアープロを指導。また「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアへの指導にも力を入れている。
<ゴルフ情報ALBA Net>
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