ニワトリ系YouTuber、「暴力的で刺激の強いコンテンツ」と判断され次々に収益化剥奪
ニワトリを飼育するYouTuberが次々に収益化を剥奪され、波紋を呼んでいます。
YouTubeから「暴力的で刺激の強いコンテンツ」と判断されてしまう
3月2日、ニワトリとの日常を投稿しているYouTuber「チキンチャンネル」(登録者数4.5万人)の藤田が「【緊急】チキンチャンネル終了になるかもしれません」と題した動画を公開。チャンネルの収益化が停止されたことを報告しました。
「収益化」とは、YouTubeパートナープログラム(YPP)に参加して収益を得ることが認められていることを指します。収益化が停止されると、広告収益やスーパーチャットなどYouTubeを通じて得られる収益が全て得られないため、YouTuberにとっては死活問題となります。
藤田は、YouTubeから「暴力的で刺激の強いコンテンツに関するポリシー違反」とされているものの、具体的にどの動画が原因であるかについては指摘されていないようで、「腑に落ちない」と不満げな様子。YouTubeにはすでに再審査請求をしていることを明かします。チャンネル自体は「儲かっていない」としつつも、ニワトリの餌代などで使用していたため「モチベーション的にも非常につらいものがあります」と苦しそうに語っていました。
そして、翌3日に公開した動画で藤田は、AIでなく人間がおこなった再審査請求が却下されたことを報告。3カ月後に再度再審査請求するしかないそうで、チャンネルを閉鎖することはないものの「この先まだどうなるかわからない状況です」としています。
複数のニワトリ系YouTuberが同時に収益化剥奪
この件を巡っては、同じくニワトリ系YouTuberの「ピヨチャンネル」(同1320人)も3月1日に、藤田と同様に「刺激の強いコンテンツ」としてチャンネルが収益化停止さたことを報告しているほか、「ONAGADORI NANCY」(同6.1万人)もXで「私も広告外されたんだよね」と、同様の通達が届いたことを明かしています。
昨年10月にも同じくニワトリ系YouTuberの「こーちんの庭」(同1.2万人)が収益化を剥奪されており、このときこーちんは弁明動画を公開していました。ニワトリたちの間には「序列」が存在しており、仲間同士で争うこともしばしばあることや、他の動物や人間が近づくと攻撃する習性も持っていることに言及。こうした部分が原因となっているのではと考察していました。
また、昨年9月には、「暇なおっさん田舎暮らし ニワトリ」(同13万人)が、チャボがけんかしている動画が18歳未満閲覧禁止になったと報告しています。
いずれも直接の原因が不明なニワトリ系チャンネルの収益化剥奪ですが、ONAGADORI NANCYは、アメリカで闘鶏を取り締まるニュースに触れ、「アメリカの方が闘鶏に対して厳しくなったから、鶏のコンテンツ厳しくなったんだな」と推測しています。
アメリカでは闘鶏は動物虐待として違法とされており、YouTubeでも禁止事項として「闘犬や闘鶏など、人間が動物同士をけしかけて強制的に闘わせる行為」が例示されています。(参考:YouTubeヘルプ)
ただし、今回取り上げたチャンネルは、いずれも自身が飼育しているニワトリを紹介しているだけで闘鶏は扱っていません。
YouTubeの審査をめぐる事例
YouTubeの審査をめぐる他の事例としては、グループYouTuberの「えびすじゃっぷ(EvisJap)」(同66万人)が2023年、動画のほとんどに広告がつかなくなっていると告白。原因は長らく不明でしたが、1年後、チャンネル名に含まれる「Jap」が原因だったと報告しました。Japは英語で日本人や日本語を意味する差別用語であることから、広告配信に不適切と判断されていたようです。これを受け、えびすじゃっぷはグループ名を「えびじゃ」に変更しました。
下ネタ系YouTuberの「動あり」(同72万人)は先月、自身の動画が「子ども向け」とYouTubeに判断されたと報告しました。いずれもアンパンマンやドラえもんなどのおもちゃで遊びながら下ネタを連発するという動画でしたが、動ありは人間による再審査でも判断は覆らなかったとしていました。
えびじゃと動ありの事例では、審査を担当した人物が日本語話者ではないことが原因と考えられています。Japは英語話者にとってはデリケートな単語であり、動ありの動画は、映像とタイトルだけではアダルトとは判断できないためです。
今回のニワトリ系チャンネルの収益化剥奪の動きも、海外と日本の事情の違いが影響しているのかもしれません。

記事提供元:YouTubeニュース | ユーチュラ
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