「ルーキーだけどルーキーではない」 プロ初戦の吉田鈴はネクタイ姿で“初心表明”
<ダイキンオーキッドレディス 事前情報◇4日◇琉球ゴルフ倶楽部(沖縄県)◇6610ヤード・パー72>
記念すべきプロとしての第一歩を「初めて来た」という沖縄で踏み出す。昨年、4度目の受験で日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のプロテストに合格したルーキーの吉田鈴は、「ずっと楽しみにしていた。プロになって、同じ土俵で戦うので、もっともっとレベルアップしたい」と“初心”を明かす。
優先出場順位を表す今季のQTランクは36位。前半戦フル出場をギリギリ果たせそうなラインだ。実際にこの開幕戦も、『次点補充者』という立場で出場権がおりてきた。「こんなギリギリとは思ってなかった。ついてますね」。それだけに力もこもる。
だが、開幕前の表情に物怖じする様子はない。それは、「ルーキーだけどルーキーではないと思っています。他の1年目の選手に比べたら一歩進んでいる。そこは生かさないといけない」という思いから。アマチュア時代から、コンスタントにプロのトーナメントに出て、何度もローアマを獲得。3度出場した「オーガスタナショナル女子アマチュア」など、国際経験も積んできた。
注目の新人として、オフも大忙し。新人セミナーといったJLPGAの行事だけでなく、仕事など目まぐるしい毎日を過ごしてきた。ようやくクラブを握れたのは、年も明けた1月半ば。そこから集中的に練習し、今は「70点」まで状態を上げてきている。「まだ感覚が鈍っている部分はある。そこから慣らしていきたい」。火曜日のコースには、みっちりと練習ラウンドを行い、コーライ芝などにもアジャストしようとする吉田の姿があった。
現在、米国女子ツアーを主戦場にする日本ツアー通算3勝の優利を姉に持つ。姉妹プロとしても注目を集めてきたが、本人にとって、その自覚は責任感にも変わってくる。『姉妹でゴルフ界を盛り上げたいという気持ちは?』と問われると、すぐに「あります」と首を縦に振る。「25歳ぐらいまでにはアメリカに行きたいですね」という気持ちも強い。
「シードを取るためには、どれくらいのペースで予選を通らないといけないとか、まだ分かっていない。変に計算するのではなく、一試合一試合、しっかりと予選を通過して、積み重ねていくことを大事にしたい」
これが今、胸に抱いている目標だ。練習日には、ゴルフウェアに「春らしく明るい色合いを意識しました」とオレンジを基調としたネクタイを合わせるスタイルで登場。新入社員がピシッと襟を正す、そんな風にも見える。「攻めていく姿勢は崩したくない」。まずは4日間戦い抜き、“初任給”を目指していく。(文・間宮輝憲)
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