西村優菜が“まさか”の勘違いで2打罰 「自分が悪いです」 悲願のウェイティングから出場も…
<HSBC女子世界選手権 初日◇27日◇セントーサGC(シンガポール)◇6779ヤード・パー72>
昨年大会の最終日に「66」をマークし、日本勢トップの3位タイで終えた西村優菜。ウェイティング1番手から繰り上がり出場することになったが、8オーバー・63位タイと大きく出遅れた。
「難しさを感じながらもホールごとに雰囲気が違くて回っていて楽しいコース」と好イメージをいだいていたが、1バーディ・2ボギー・2ダブルボギー・1トリプルボギーの「80」。ホールアウト後はプレー中のアクシデントにより目には涙を浮かべた。
開幕前は「願うしかない。出られると思って準備するしかない」と火曜日から会場で練習を行い、この日も朝の6時前から会場に来て準備をしていた。残りの組も減って行くなか、一本の電話が入り出場が決定。確定後、およそ20分後にスタートとなるも、早い時間から準備を行っていたため落ち着いてティオフを迎えることができた。
「抜けたのが優花だったので少し複雑な気持ちもありながら…。でも、頑張ろうと思ってスタートしていました」と棄権となったのは同じく日本勢の笹生優花。プロアマの水曜日に会場にはいたが、首全体に湿布を貼っており、プロアマには出場せず大事をみていた。初日の朝も会場には来ていたが、西村へその枠は引き継がれた。
強風の影響で難コンディションのなか、1番からパーを並べた。しかし、4番パー3でアクシデントが起こる。ティショットをクリークに入れてしまい、池に入った位置から後方線上にドロップとなるの基本的なルールだが、コースのレイアウト的に打ち直しすべきシーンだった。
「キャディに確認してもらってドロップゾーンが前にあると言われたところで距離を測って、ドロップしたのですけど」と打ち直しをせずに池の近くにあるドロップゾーンと“思われるところ”でボールをドロップした。
「本当はドロップする前に気づかなきゃいけなかったんですけど…」とドロップ後にドロップエリアと分かるようなラインや印がないことに気が付いた。「キャディにサインがないけど、本当にドロップゾーンなの? って聞いて、一応ルーリングのひとを呼ぼうとなったのですが」とそこにいたボランティアにレフェリーを呼んでもらった。
すると、レフェリーが西村の元に到着する前に「そこは『ドロップゾーンです』ってボランティアさんが無線で聞いて教えてくれたのでプレーしたのですけど、結果それがルーリングのひとから聞いたわけではなくて、他のボランティアさんから聞いたことだったのです」とまさかの事実が発覚。そもそも、今週はドロップゾーンが設けられていなかったことがホールアウト後に分かった。
アテスト前にレフェリーやキャディ、関係者たちとの話し合いが続き西村の目には涙が溢れていた。結果、同ホールは勘違いから“2打罰”を受けることに決定。自身への悔やみが強く気持ちは落ち込むばかり。そのなか、報道陣の前では溢れそうな涙に耐えながら、声を詰まらせた。「信じてしまった自分が悪いです。頑張ります」と、口をすぼめながらも最後まで“笑顔”を貫いた。(文・高木彩音)
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